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財政破綻が濃厚の南相馬市 「鹿島区枠」の使途不明額は165億円

 残された時間は少ない
 自治区枠による予算編成を定めた「合併の基本理念は守ります」と市長は繰り返し表明しています。
 2010年(平成27年)から2025年までの「新市建設計画」であるべき「鹿島区枠」は総額165億円(郡推計)になります。
 ここから2010年以降に鹿島区で使用した金額を差し引いた額が残された「鹿島区枠」となります。
 2011年の震災後、鹿島区の事業としては交流センター、体育館改築などですが、学校や道路関係など合わせて20~30億円程度と推測されます。50億円だったとしても残りは100億円を超えます。
 特例債を使える新市建設計画の期間は実質残り5年間。あるべき財源は年間20億円超です。
 要望書を提出
 しかし、「鹿島区枠」の公表は「年度末まで」になり、新年度予算には何ら変化なしのようです。
1、速やかに残された「鹿島区枠」を明らかにすること。
2、各区のバランス回復の「特別対策費」を遅くも6月補正まで計上すること。
 2月14日、2点に絞って元議員有志で検討の上、小林吉久氏と私で要望書を提出しました。
 守れなくなった約束
 市長は、「30年度決算含め明らかにし、新年度から進捗管理する(市長への手紙への回答)」「タラソのお金もあったはずなのでどうつかうかは,鹿島区の皆さん次第(2月28日市政懇談会)」と説明してきました。
 ところが12月議会答弁では、「タラソに代わる温浴施設を」との質問に、「市の計画になく、民間で」と否定的な考えを示しました。
 「タラソのお金あったはず」から「市の計画にない」に変わりました。
 合併協定守れない理由は
 「自治区の事業は、(自治区)枠内で自治区で決める」これが合併協定の中心的内容です。
 「自治区枠のバラスを取る財源がなくなっているのでは?」と「わだい」653号(1月12日)で書きました。
 加えて今度は、新年度予算で各区のバランスを取る為の「進捗管理」も実行に移されません。
 3市町議会が議決した合併協定は民間でいえば契約です。契約による支出の約束を守れなくなったとすれば、財務不履行で破産寸前ということになります。
 南相馬市の現状は、財政破綻が濃厚です。
 許されない情報隠し
 2010年度の「新市建設計画」見直し後、前期計画の後半5年分54.1億円、追加された後期計画期間10年分の復興財源を除く鹿島分20%は111.3億円、合わせて165.4億円と推計されます。市民目線での使途不明金です。
 どうつかわれたのか。残るお金はいくらなのか,早く教えて下さい。
 10億円の「一体化事業」で我慢して下さいということでしょうか?
 残された時間が少ないので、せめて6月議会から是正を開始して下さい。
 示された「鹿島区枠」の中で、区民の願いと地域の将来を考えての「10年計画」を,住民の声を反映させて決める為の時間も必要です。が、要望の趣旨、多くの区民の願いです。 
 自治法・条例違反の追認
 「新市建設計画」の見直し内容が、区役所も地域協議会も知らなかった経過は、明らかに自治法と市条例違反です。
 今回新たに、市庁舎建設について「パブリックコメント手続条例」に違反し、まだ実施していないことも判明しました。
 市長が、要望書を無視しこのまま押し通そうとすれば、前市長時代の合併協定違反、重なる法・条例違反と住民不在を追認することになります。
 市長は、自治基本条例の立場で住民と議会に実態を報告し、速やかに善後策を協議すべきではないでしょうか。
 
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