ウトピア

真実と欲望が出会うところ

吉本隆明・・晩節を汚す一例

2012-03-18 19:34:43 | エッセイ
吉本隆明氏がなくなったが、去年の原発事故に際して、日本経済新聞紙上で原発推進を述べていたのには呆れかえった。原発事故を受けての反原発の論調に生理的に反発したのか、単なる理性の限界か、もともと売文業が身についてしまったのか。民衆の側に立っての批評をした思想家とは聞いてまた、あきれる。日経新聞の記事の内容も論拠の乏しいもので、頭がくるっていたか、老いの意固地な何らかの心理的な要因からかあんなことを言ったのだろうか。どちらにしても、転向という行為をした日本の知識人の伝統をかれも受け継いだといえよう。かれも、大した思想家ではないこと、少なくとも早く世界と時代から忘れ去られる人であったことは間違いがない。

性についての実証的な論調が乏しかった弊害を思い出す。この実証性の軽視がここにきて出てきて、心理的性向のみに引きずられたのだろう。

どうも、死ぬまで理性を維持する体力は日本人にはないようだ。

日和見、日和見、皆で日よれば怖くない、特に老人になったのなら、強いものには従順に。贅沢な生活のためには。

マスメデイアのいう「思想の巨人」とはなんと小さな存在であったことか。

鍛えなおさねばなるまい。理性と人間性尊重を。
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