さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」37 さよならネビラピン、こんにちは、ドルテグラビル。

2014年06月02日 00時28分06秒 | HIV

東京は、梅雨入り前の貴重な晴天が続いてます。
テレビのニュースやワイドショーは、「6月なのに、もう真夏日」とか、見出しをつけて、
エルニーニョ現象による冷夏予想に反して全国的に暑さが続く日々に、
気象予報士が謝っていたりするなどしていましたが、
梅雨入り前には、毎年、真夏並みに一度暑くなることはよくあることで、
真夏と違うのは、湿度もそれほどないし、夜になれば、気温が下がって気持ち風も吹くし、
まあ、ちょっと大げさなのは、テレビの常なのかもしれません。

そんなわけで、ブログを始めるきっかけのひとつでもある、HIVの感染告知が、11年前の6月。
ブログを始めたのは、10年前の8月。

昔のブログを読むのはとても恥ずかしいもので、
つたない文章力や誤字脱字はもちろん、そもそも何が書きたいのかわからなかったり、
そんなことを書いてどう思われたいと思ったのか意味がわからない時もあるのですが、
それはそれで、その当時、どんなバイアスのかかったフィルターを通して、
自分をブログに映し出しているのかが、ちょっとわかるような気がします。

ツイッターは、自分の言葉がタイムラインに流されて、ブログと比較して残らない気楽さと違い、
ブログは自分の書いたことがストックとしてどんどん溜まって残っていくのは、それもまた貴重で、
大したこと書いてないのはわかってるし、醜態も甚だしいのもわかっているけど、
バッサリ消すこともできない自分は、
リアルな生活でも、なかなか物を捨てられないでいます。

抗HIV薬を飲み始めて8年半。
いまのクスリの組み合わせで、約7年半。
今週から8年ぶりに、クスリの組み合わせが変わりました。
エプジコム(成分名ラミブジン+アバカビル)とビラミューン(成分名ネビラピン)の組み合わせで
これまでずっと服薬してきましたが、新しい薬は、
テビケイという名前で、成分名だと、ドルテグラビルというそうです。

自分が治療を始めるほんの数年前までの抗HIV薬は、
錠剤の大きさが異常に大きかったり、常温では保存できなかったり、
一日のうち何回も定時にちゃんと飲まないといけなかったりと、
クスリの副作用も吐き気や下痢、肝機能や脂質代謝に影響がでるなど、
みなさんとても苦労されていたようです。
自分も、一番最初に処方してもらっていた抗HIV薬は飲むとすぐお腹がゆるくなって、
しばらくトイレに行けそうにないタイミングでは、あまり飲まないようにしていました。

薬を変えることになったきっかけは、つい、数か月前から日本で売り出された、テビケイとよばれる、
その新しい抗HIV薬。
食後などに関係なく服薬することができ、一日1回で効くのと副作用がとても少なくという治験の結果で、
アドヒアランスやQOLの向上が期待されているとか、いないとか。

新しい薬がどんどん出てくる最近のHIVの治療の状況を聞くたびに、
いまのクスリの組み合わせが、本当にいいのか、古い薬を飲み続けていることに、ちょっとした疑問をもって、
お医者さんに、その疑問をぶつけたことがあったのですが、今の薬の組み合わせでまったくうまくいっているから、
問題なければ変える必要がないんですよーって言っていたお医者さんが、先日の診察で勧めてきたのです。
このタイミングで勧めてきたのは、1日2回から1回に飲む回数が減るのが、大きな理由だったようです。

実は前の病院の先生の指導のもとに1日2回飲まななくてはいけない、抗HIV薬を、
これまでずっと朝夜まとめて2錠を朝1回で飲んでしまっていたので、
その意味ではメリットがなかったのですが、
何よりも、錠剤の大きさがそれまでのものと比べ非常に小さく、
一回に飲む抗HIV薬が2錠になって都合1錠減るという意味では、
自分としてはメリットを感じることもあって、先生の勧めに乗ってみました。

新しい薬なので、一応、2週間後に一度採血をし、様子をみるということなので、
処方は2週間分のみ。抗HIV薬を飲み始めた頃を思い出すようで、なんだか新鮮でした。
ただし、7年半の飲み忘れなど、たまりにたまって、古い薬のストックは、約3か月弱。
エプジコムはこれからも飲み続けるから無駄にならないけれど、
飲まなくなった薬は…やはり、古いブログの文章と同様に、捨てられずにずっと残りそうです。


自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」36

2013年08月28日 20時03分03秒 | HIV

なんんていうんですかね、男好きという意味でひとくくりにされがちなゲイの世界の中でも、

性的な嗜好はいろいろありまして、これまた千差万別です。

男性が好きなのかもと言うだけで、自分の知っている情報を頼りに、ゲイのコミュニティの入り口を手繰り寄せ、

繋がりを持ち始めたころ、「タイプはどんな人なの?」と聞かれ、戸惑ったのをよく覚えています。

タイプ…それは、自分でも考えたことがなく、とても難しい質問でした。

ただ、自分が夢の中に出てきた男性や、高校生の頃、漠然と、いいなあと思っていた男性は、

体が大きく、がっしりとした人が多く、その傾向を今でもずっと嗜好として持っています。

 

超オネエな感じは若いころとても苦手でしたが、ほどほど以下だったら、なんとか許容できるようになったし、

髪が長くして染めていたり、ホスト系のようなイケメンは今でも苦手です。

この嗜好の幅が狭い人もいれば広い人もいるし、年齢を重なるに従って変化して行く人も。

ゲイの世界では、自己愛(?)傾向が強いせいか、自分の性的嗜好に自分が近づいていってしまうことも多く、

体が大きくがっちり気味が男性が好きな自分も、痩せているよりか、太っている自分というものに価値があると

思っている節があります。

 

そんな自分なのですが、今年の3月ころから、仕事上の組織変更があって、

仕事内容は少し増え、上司や仕事仲間が少し変わり、すこしばかり…いや、非常にストレスを感じておりました。

それに伴って、食べてストレス発散することもあり、ひどい時は、職場から最寄り駅までアイスを2本食べ、

乗り替え駅で蕎麦を食べた後、どこかで飯を食って帰るといった爆食いも。

当然、体重も、沢山食ったあとで測ると、104から106kgと、

自分史上最高更新しそうな勢いで増えたのですが、その頃、身体の一部に異変が…。

恥ずかしい話で恐縮ですが、陰茎の包皮が、かさかさに乾燥し、一部に傷のような裂け目ができ、

小便の際に、とても痛く、日常生活にしばし支障も。

 

…これは、なにかの性病をもらってしまったのか。

行きつけのHIVのクリニックは、性感染症も広く診察しているので、

定期通院のタイミングより少し早かったのですが、診察日を変更して、診てもらう事にしました。

医師「…くまぞーさん。これは、ヘルペスじゃなく、原因は糖尿ですね。数値もまったく改善がないようですし

   専門のクリニックへ行って治療した方がいいですよ」

 

うーん、これは困りました。

あきらかな糖尿病の症状を目の前に、これは、本当に、糖尿病の専門に扱う内科へ

行かなくてはならなくなるのかと思った反面、

HIVの薬以外にもすでに高脂血症の薬や高血圧の薬も飲んでいて、もうこれ以上増やすのは沢山です。

そんなわけで、人生で何度目かのダイエットを始めることになりました。

 

最初は夕飯を食べる前に豆腐を食べて、ご飯を少なくすることから始まり、

次第にキャベツをたくさん食べて、次第に自宅でご飯を炊くことが、まったくなくなりました。

昼飯も、カロリー表示を意識し、カット野菜を食べてから、おかずを食べ、そしてご飯。

ご飯も、高カロリー弁当から低カロリー弁当、そして、おかず+おにぎりへ。おにぎりも2個から1個、

そして、おにぎりなしの時も。いわよる炭水化物ダイエットってやつですね。

そんなわけで、最初目標にしていた100kg以下から目標を徐々に上げて、

97kg、95kgと少しずつ目標がクリアしていきました。

 

…そして、前回の診察から3カ月後の先日。定期通院の日がやってきました。

医師「えーとですね、前回の検査の結果を見ますと、数値が悪化していまして…」

くまぞー「それで、先生。ちょっと頑張って痩せてみたんですけど、10kgとは言いませんが8kgから9kgは減らしたので、

あと3カ月、いや、今日の検査結果を見て判断していただけないでしょうか…」

医師「いやー、そうでしたか、たしかに痩せられましたね。3カ月でよく頑張りましたね。それならば…」

 

体重の測定結果は92kg。

3カ月のダイエット作戦は、ひとまず成功でした。

ストレート(異性愛者)の他人から見れば、まだ十分デブですが、これ以上痩せてしまうと、

冒頭で書いたとおり、自ら、そこに広がる市場のニーズを捨てに行くようなもの。

そもそも、自分にニーズがあると考えてしまうところにも問題はありますが…、それはさておき、

これからは、体重をキープしつつ、食べたいものは食べていくぞ。

一応、健康にも気を使って、野菜は沢山食べていかねば。

自らの健康と引き換えに、どんどん食べて太ったり、プロテインを飲んで鍛えたり…

ゲイとは、そんな刹那的で悲しい生き方に、気づいてはいても、

そんなに遠くへ離れることが出来ないことを改めて認識した、夏の終わりでした。


自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」35

2012年07月29日 13時08分05秒 | HIV

んなわけで、久しぶりに、HIVの話でも。

今月中旬、アメリカの食品医薬品局で、HIVの予防薬として、ツルバタ(薬剤名TDF/FTC)が承認されたとかしないとか。

治療薬としては、すでに日本でも承認され、最近治療を始めた患者の方は、多くの人が使っています。

http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2889803/9259569

この薬を飲んでいるHIVネガティブとHIVポジティブのパートナーと、

飲んでいないHIVネガティブとHIVポジティブのパートナーでは、

感染率に明らかに差が出たとか、そういう治験だったかと聞いています(間違っていたらすいません。要確認で)。

ネットでニュースを検索してみたところ、「人類初の予防薬が堂々登場!」みたいな書き方をしているところもあって、

世の中あらゆるものは、初めて誕生すれば、当たり前ですが、「人類初」であり、「宇宙初」であり、「世界初」なわけで、

ちょっと煽り気味な感じの論調もあったのですが、それも、ごく一部。

もちろん、リスクの低いセックスをすることが、予防の基本で、

薬自体の副作用についても指摘もあり(抗HIV薬は、みんな副作用のリスクは多いんですよ)、

また、値段が高価であることも今後の課題。

ただ、公的機関が、感染していない人達にも薬飲ませちゃって、感染しないようにさせちゃいましょうという考えの

実証結果にお墨付きを与えたのは、これまでの流れとは、大きく変わった気がします。

 

そんなわけで、昨日は、HIVの診察の日。

HIVの治療の長期に続けていく上で、生活習慣病など、HIVの治療の障害になるリスクを排除していかなくてはならず、

このブログでも何度か書いていますが、自分は、糖尿病や高血圧の指摘を受けて、

食事を気にして痩せたり、抗HIV剤以外にも、降圧剤などの薬を飲んでます。

くまぞー「…今月の結果は、諦めてます。」

旅行に行ったり、外食が増えたり、食事内容を意識してあまりコントロールしなかったので、

きっと、今度の検査結果は、期待できません。それより、ちょっと気になることが。

くまぞー「あのー、こむらがえりなんですけど、なんか腫れが引かないんですよ」

先生「こむらがえりって原因が解らないんですよね。どれどれ…これ、こむらがえりじゃないですね」

くまぞー「なんかじわじわって筋肉が痙攣したんで、こむらがえりっぽいけど、なんか変なこむら返りだなって思ったんですよ」

先生「ほうかしきえんで、ちょっとこれは、大変ですね。5日間ほど入院して、安静にしながら点滴治療です。」

 

えー、ほうかしきえん???

というわけで、蜂窩織炎という病気で、どうやら、皮膚の小さな傷から黴菌が入り、皮膚の下が腫れる病気だそうです。

皮膚科の先生もいたので、別途、診てもらい、とりあえず、点滴して帰ってきました。

そう聞いたとたん、不思議なもので、変に、痛みや腫れを意識してしまうものです。

そういえば、処置室には、最近、この診療所で仕事するようになった知り合いの看護師さんがいて、

ちょっと嬉しいというか、心強いものです。

世の中には、いろいろ病気があるものです。今日も、経過観察で、これから、準備して出かけなければ。

みなさんもぜひ、お気をつけを。


自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」34

2011年12月03日 18時08分49秒 | HIV

そんなわけで、久しぶりにHIV関連の記事です。

東京・新宿で11月30日から3日間行われた日本エイズ学会に参加してきました。


少し前の記事にも書きましたが、普通は、こういう医学系の学会って、関係者が参加するもので、

エンドユーザーの患者が直接参加する例は、あまり参加する例がないのでは?と思います。

しかし、数年前からHIV陽性者団体が集まって、エイズ学会に患者が直接参加するプログラムを作っていて、

そのプログラムを利用して、参加してきました。

そもそも、陽性者団体のボランティアのお手伝いをしている友人が、

兼ねてなら面白そうに学会の話をしていたのをきっかけに、

スカラシップ委員会が主催するエイズ学会報告会へ参加したのが始まり。

参加者がとても生き生きと感想を発表しているのと同時に、

そもそもどんな内容でどんな雰囲気なんだろうと自分で確かめてみたくなったのです。

学会で発表される、基礎分野、臨床分野、社会分野と三分野のうち、

文系の自分に解るのは社会分野だけかなと思っていたのですが、これが大違い。

臨床の分野でも、データや解説が難しくても、導き出される結論や考察が解りやすいものもあったり、

発表内容が分野を超えたり、学際的な要素のものもあったりします。

一番難しい基礎分野でも、会期中、今年の発表のまとめ的なセッションがあり、

素人の自分でも少しはわかる感じです。

エイズの分野は、相当に進歩が速く、8年前に自分が感染したばかりの頃や投薬を始めた頃に、

いろいろ知識を吸収していた時期にはなかったような言葉がたくさんあり、冷や汗です。

 

2008年に発売された新薬なども含めた最新の臨床データの発表や、今年改訂された新しいエイズ予防指針の内容、

陽性者が早めに投薬を始めた場合の感染防止効果を測定した世界的な治験の発表、

米を使ったワクチンの開発の話や、長期投薬による合併症についての話。

各地で取り組まれている予防啓蒙活動の効果測定の結果についてなど、

感染告知8年目の自分だからこそ、刺激的な内容も沢山ありました。

発表の中で一番心に残ったのは「過去と他人は変えられないけど、未来と自分は変えられる。」という、

とある演題の座長だった先生の言葉でした。

今回は、ゲイの陽性者専用SNSの中にある、学会コミュ二ティで行われた、オフ会にも参加。

なんとなくツイッターで繋がっていた人にリアルで会えるなどのサプライズもありました。


来年は、横浜で、やはり11月の後半、の土日月3日間の開催なので今年聞けなかったことも、

また応募して参加させてもらいたいな。

この週末は、世界エイズデー関連のイベントも盛りだくさん。

HIVと関係がなさそうと思っているストレートの方も、身近で一緒に生きる時代が来ていることを、

すこし感じてもらえるとうれしいです。


自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」33

2011年02月16日 01時04分23秒 | HIV

先日は、HIVの診察日。

相変わらず、免疫力を表すCD4の値は良好で、ただ、血圧の薬の量が増えてしまいました。

この一年で10kg以上の体重増加なので、仕方ないですな。

 

さて、同じ日、もうひとつ、HIV関係のイベントにおじゃましてきました。

えーとですね、医学の分野には、その研究成果や問題を広く発表したり討議したりする、学会というシステムがありますが、

HIVの分野でも、日本では年に一度、日本エイズ学会という名前で、総会が開催されています。

日本では、こうした学会には、医療関係者が主に参加することが多いということですが、

この日本エイズ学会は、医療関係者だけでなく、行政関係者やボランティア団体など、

他の学会に比べ、比較的オープンな形で開催されているようです。

今年度のエイズ学会は、昨年11月に開催されたのですが、

そのエイズ学会に、患者の参加を促すことを目的に「HIV陽性者参加支援スカラシップ委員会」という組織があります。

日本エイズ学会自体は1987年から開催されていますが、

スカラシップ委員会による、患者の参加支援が始まって、今年で5回目になるそうです。

 

 学会自体には、参加登録料や講演内容の抄録に、3日間の宿泊費に交通費など、

素人には、意外に高く(?)つくのですが、実は、発表内容について、どんな発表しているんだろうと、

以前から興味がありました。

そこで、このスカラシップを利用して参加した、陽性者の方々のエイズ学会の報告会を覗いてきました。

 

この報告会で聞きたかったのは、患者視点で見た、今年度のエイズ学会のサマリー的な報告を期待していたのですが、

どちらかと言うと、参加した方々が聞いた演題やシンポジウムについての感想が主な報告内容。

でもですね、50名近く参加された方々の報告書や、今回報告会に登場した、3名の方の話を聞くと、

参加したことによって、意識の変化が行動に現れたり、ボランティア関係の仕事に生きたりと、

学会への参加という行為自体が、とても充実していたんだなと感じられました。

 

報告会の最後には、このスカラシップの運営を支援しているボランティア3団体からそれぞれ代表して

話があり、学会に患者当事者が参加することの意義だったり、

患者が声をあげて政策に反映していくことの大切さを話されていました。

自分は、基本、声をあげるのが苦手で、現状の支援体制について、何一つ不満に思っていないのですが、

HIVという病気については、とても多面的で複雑な問題と、多くの情報を内包しているので、

患者が「知っておく」ことの多さや深さ、鮮度について、改めて認識しました。

 

演題にはですね、「MSM」「パートナーへの通知と支援」など、ゲイコミュニティに深くシンクロした内容も多く、

一度、エイズ学会自体に参加してみたいなーという欲求が強くなった、そんな報告会でした。


自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」32

2010年12月01日 23時33分50秒 | HIV

そんなわけで、今日12月1日は世界エイズデー。

もう十数年前からWHOによって制定されていて、

日本でも、12月1日を前後に、公的機関の啓蒙活動や民間のイベント、

日本エイズ学会の総会が行われたりします。

そして、今夜は、啓蒙活動のシンボル、レッドリボンにちなんで、

東京都庁のてっぺんが、赤いライトでライトアップされていましたね。

新宿近辺にお勤め、もしくはお住まいの方は、お気づきになったでしょうか?

このブログを始めたきっかけのひとつにも、HIVのことがあって、

感染者の日常が、いかに通常の生活が送ることができるのか、知ってもらいたくて、始めたのですが、

最近は、あまりにも通常すぎて、書くネタがなかったりします。

 

とはいえ、たまには、いろいろ頭をもたげることも、あったりします。

自分はウイルスに感染しているのが解ってから、7年も経っています。

ポジである自分を受け入れる事自体は、意外に簡単で、

感染直後のインパクトも乗り越え、感染を知っていてほしい友達にも告知半年後には話し、

数年前からは、顔写真が出ている自分のmixiのプロフィールに、

ポジをカミングアウトしているこのブログのURLも貼ったりしていました。

mixiのトップ画面見て、プロフィールまで興味持ってくれた人なら、

そのURLの先の内容見て、「あーそうなんだ…」って理解してくれるかも。

そんな思いでした。自分がHIVと過ごす時間の経過を経験していくうちに、

だんだん、自分の中でのHIVのハードルが低くなっていると感じていました。


が、しかし!

今年4月に付き合っていた相方さんと別れて友達関係に戻って、

独身生活を楽しみながら、「男探すぞ!」と意気込んでみたものの、

ポジじゃない相手に自分の病気を告知することのハードルの高さを、

今更思い知らされています。



まだまだ、自分の病気の事を告白するのが、難しいし、怖い。

簡単に言えちゃうかなと思っていたけれど、友達として言うのと、

これから落とそう(落ちそう?)な関係を前提で言うのとでは、当たり前だけれど、

全然違うわけですよね。

相手が受け止められるかどうかもわからないのに、告白するのは重たすぎる場合も。

すべての人に言う必要はないと思っているけど、

その後の関係性とかまで考えると、伝えておいたほうがいい場合もある。

その判断の結果は、僕にとって、後悔となって、重く引きずる時がありました。



でもですね、確実に、かつ雰囲気とかノリも壊さずに、さりげなく

うまく伝えるのには、テクニックがあるような気がしてます。

それは、前提で、HIVについての知識がちゃんと広がっていてくれているからこそ

できるのですが、そのうえで、経験を積んで初めて、会得できるような。

そう、経験を積むためには、モテなくてはならない。

えっ、モテないと駄目?…僕には、ちょっと時間がかかりそうです。

最近、とあるゲイバーの六尺のイベントで、そんな経験をして、ふと感じた、晩秋の夜です。


自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」31

2010年10月08日 21時31分44秒 | HIV
そんなわけで、先日はHIV診察の日。

ここのブログを以前から読んでくださっている方には、改めて説明する必要がないのですが、
HIVの話と言っても、症状は、実に安定していまして、
数カ月に一回の診察は、前回の検査結果についての説明と、
体調の問診、世間話、そして採血。お会計をして、薬局で薬をもらって、終了というフローチャートですね。

HIVで免疫力が大幅に落ちたりして日常生活が困難になるようなこともなかったので、
自分のこれまでのHIVの診察は、今の診療所でも、最初にお世話になった病院でも、
このフローチャートをあまり大きく外れたがありません。

唯一外れたと言っていいのは、CD4(免疫力を示す値ですね)が低下し、そろそろ投薬というタイミングだった頃に、
発熱と急性の下痢を伴うウイルスに感染して、入院したことぐらいでしょうか。
その時も、点滴だけの治療で、仕事を3日間ほど休んだだけで済みました。

もちろん資格のあるドクターなので、血圧が高ければ、

「痩せましょうね」
「ひとつ前の駅で降りて歩いてみましょう」

と、ちゃんと指導するのですが、
ドクターも、性的マイノリティの中で「デブ」というポジションが、
それなりに意味があることを理解してくれているので、
痩せられない自分に対しても、
言葉の行間に、「仕方ないですよね…」という気持ちが汲み取れます。
いや、勝手に汲み取っているだけかもしれませんが。

そんな自分は、血圧だけでなく、高脂血症治療薬も飲み始めて、どんどん薬が増えています。

「これ以上薬が増えると、どれを飲んだかわからなくなりますよ。
どーするんですかね、このまま年寄りになって、ボケちゃったりしてHIVの薬が自分で飲めなくなっちゃったりしたら…。」

そんなよもやま話を一通りしたら、最後にドクターが、

「インフルエンザのワクチンが入ったのですが、ワクチン注射していきますかー?」

インフルエンザの予防接種は、HIV患者の年中行事みたいなものです。
そういえば、去年の今頃は、新型インフルエンザの予防接種で大騒ぎでした。
HIV患者の免疫力は、普段の生活では問題ないけど、
一応、免疫力はおじいちゃんくらいしかないらしく、
やはり、お守り代わりに、予防接種をしてもらいました。

季節は、秋から冬へ。
HIV啓蒙イベントは、12月の世界エイズデーに向けて、活発になる季節。
そして今年の日本エイズ学会は、東京での開催。
季節はあっという間に、過ぎていく感じですな。

ほんのちょっぴりの下心と、HIVポエトリーリーディングイベント。

2010年06月06日 11時39分13秒 | HIV

そんなわけで、HIV関連の日記が続きます。
今週、金曜日は、東京・半蔵門で行われた、こんなイベントに、
ブログにコメントをいつもいただいている、まるこめさんと行ってきました。


「THINK ABOUT AIDS POETRY READING VOL.6」

TOKYO FMがREAL(エイズ予防のための戦略研究MSM首都圏グループの進めるプロジェクト)と
コラボレートして行っているHIVの啓蒙イベントですね。
毎月新宿で行われている「LIVING TOGETHER LOUNGE」の豪華版です。

何が豪華かといえば、通常、新宿二丁目で行われる時は、ゲイシーンで活躍する方々によるパフォーマンスなのですが、
TOKYO FMとの共催の時は、出演者が著名人だということ。
 これまでにも、清水ミチコさんやリリーフランキーさんなど、多方面で活躍されてる方々が出演しています。

過去のリーディングの内容はこちらでお楽しみいただけます。

http://www.thinkaboutaids.jp/#/main/

今回は、吉田秀彦(格闘家) ピーター・バラカン(音楽評論家って肩書だったのね)、
平野啓一郎(芥川賞作家)さんらの、リーディングに加え、
曽我部恵一(元サニーデイサービス…と思ってたら再結成していたようです)
LOVE(ソロシンガーソングライター) coba (アコーディオン奏者)さんの演奏など、
様々な立場で活躍中の方々によるパフォーマンスが繰り広げられました。

一番の目的は、生・吉田秀彦を観ることでしたが、意外にオーラがなかったのと、
リーディングの後の、トークセッションでは、どうして今回の仕事がオファーされたのか、
イマイチわからず、戸惑いのご様子。
たぶん、ゲイ受けするからというのも、オファーがあった理由の一つのような気がしますが(笑)、
でも、そういう方々にこそ、イベントに参加していただき、リーディングを通して、
手記を読んでもらうことは、ありがたいことです。

それよりも、素晴らしかったのは、cobaさんのアコーディオンと、
ピーターバラカンさんのリーディングと、その後の、
手記を書いたご本人と、司会のパーソナリティ、ピーターバラカンさんとのトークセッション。

文章のうまさはもちろん、読み手を通じて、書き手の気持ちがすっと入ってくる。
僕の後ろの席の方は、すすり泣きも聞こえました。
手記を書いた方は仕事帰りに駆けつけてきたということで、
ピーターバラカンさんの「体調は?」「薬は?」「文章書くのは好き?」「仕事は何?」
などの、容赦ない質問にも、丁寧に答えていました。

もしかしたら、ピーターバラカンさんも含め、会場の中には、
HIV陽性者を初めて、目にした方もいらっしゃるのではないかな。
トークを通じて、HIV陽性者への、リアルな理解が進んだはずです。

ご本人は「陽性者であることを初めから理解してもらって公の場に出ることは、それほど難しいことではない」
と話していましたが、やはり、勇気を持ってステージに上がってくれた、今回の手記の陽性者の方には、
拍手を送りたいと思います。

cobaさんは、もちろん、アコーディオンの音を生で聴くのも初めてだし、
音色の豊かさ、cobaさんの表現力に圧倒です。
あたりまですが、テレビ番組でBGMで使われている時に聴くのと、まったく違います。

2曲目に演奏された「僕は鬼。」という曲は、子供の頃、缶蹴りをした時の、
逃げる時の気持ちや一瞬して鬼になったときの寂しい気持ちを思い出して作った曲ということで、
今回どうしても聴いてほしくて、通常使う種類のアコーディオンとは、わざわざ別の種類のアコーディオンを
持ちこんで演奏するほどの、素晴らしいパフォーマンスでした。

やはり歳の功というか経験というか、トークもうまくて、
放送コードお構いなしの、持論炸裂で、でもイベントの趣旨もちゃんと押さえており、
やはり、一線で活躍されている方の仕事は違うなと思ったわけです。

この様子は、後日、東京FM系列の各地方FM局でオンエアされます。
またNHK教育テレビでも、前回の日記に書いた「ハートをつなごう」の特別版として、
放送されるそうです。

…具体的な放送予定は、失念しました。ごめんなさい。

また、通常版の「Living Togetehr Lounge」も、本日、6月6日、新宿2丁目「AreH」で
行われます。興味がある方、ご参加してみてください。
http://gayfriendsforaids.blog82.fc2.com/blog-entry-58.html

自分も、6月9日で、感染告知から8年目に突入。
先週の「ぷれいす東京活動報告会」、そして、「ハートをつなごう」「「THINK ABOUT AIDS POETRY READING」
と、少しアクティブに活動出来ていきたいと、感じた「勝手にHIVウィーク」となりました。


ストップエイズじゃない時代に必要なものは、なんだろう。

2010年06月03日 00時57分29秒 | HIV

そんなわけで、鳩山首相が辞任表明しちゃいましたね。
国民に届かない言葉…どこで、その言葉は、どうして信用できなくなってしまったのか。

次期首相は、言葉に、力がある人に、お願いしたいと。

珍しくHIV関連の日記続きます。
自分の中では勝手に{HIVウィーク キャンペーン」になってます。

今日書きたかったのは、NHK教育テレビで放送された、HIV特集の話。

一昨日からNHK教育テレビでHIV特集が放送されました。

「ハートをつなごう HIV」

三夜連続で、ホストの石田衣良(作家)、ソニン(タレント)、桜井洋子(NHKアナウンサー)の三人と一緒に、
HIV陽性者やボランティア関係者、医療従事者が、
それぞれの経験や、感じていること、現在の活動を語って行く番組です。

実は、第一夜を見逃していて、全部内容を見てないのですが、
陽性者の手記のリーディングイベント(Living Togethr Lounge)や、
新宿で行われているコンドームの配布活動(デリヘル)の活動、
陽性者による大学での講義活動などの様子も追っていました。


えーとですね、
自分は、あまり記憶にないのですが、
セクシャリティをはっきりさせてモザイクなしで、
HIVのことをテレビで語ることって、今までなかったと思うんですよ。

いや、ニュース番組の特集であったかもしれないけれど、
HIVをテーマにする時は、薬害であったり、発展途上国の問題だったり、
セクシャルマイノリティであっても、インタビューはコンパクトに編集されてしまっていたり。

ストップエイズ的な視点からではなく、
陽性者サイドの視点から作られたという意味で、
すごく画期的だと思うんですよね。

もう死ぬ病気じゃないとことや、
薬を服用し続ければ長く生きられるといったことは情報で流れていても、
その裏側に抱える陽性者の悩みが、
さらには、恋愛やセックスの事、告知されたときに話や、友人にカミングアウトする話などが、
あんなにはっきりとテレビで語られたのを見たのは、僕は初めてでした。

先日のぷれいす東京さんの活動報告会でも聞きながら思っていたのですが、
どんな人でも、身近に当事者や事例がないと、その物事のイメージってなかなか理解できないですよね。
どんなに情報が行きわたっても、どんなに頭で理解していても、
目の前でHIV陽性者が話をすることでしか理解できないことってあると思うんですよ。

そういえば、ちょうど、去年の夏ごろだったかな。
仕事中だったのですが、酔っ払ったお客さんが、転倒して出血を伴うけがをしたんですね。
自分は止血しようと、とにかく素人処置で、タオルで巻いたり、流れた血を拭いたりしていたんですけれど、
自分の女性上司が、あとからやってきた救急救命士に言われたそうで、

「あなた、これから絶対に素手で(血液を)触ってはだめよ!エイズだったらどうするの?」

と自分が叱られてしまいました。
もちろん、医療では医療事故を防ぐために、体液がついたものを素手で
触ることはいけないことで、気をつけなければならないけれど、
彼女が僕がHIV陽性者だって知っていたら、同じ言葉で僕に話しただろうかと、思った。

僕の感染経緯や、告知を受けるきっかけなんかは、
昔のブログの日記には書いたけど、どす黒いヘドロのようなもので、
とてもテレビで話せるものではない。
感染の原因の多くを占める同性間の性的接触の多くは、
自分の経験と同じく、おそらく人には話せないような経験も多く含んでいると思うけれど、
それでもテレビで語っていたような、ある意味、立派なロールモデルが、必要なんだと思います。
川田龍平さんのような、薬害エイズ患者じゃない、時代のアイコンが。
感染者がリアルな言葉で語る、セクシャリティ、恋愛やセックスを通じて考え、感じる悩みが、
頭では理解できないことへの理解が進まるように思えました。


そんなわけで、この「ハートをつなごう HIV」。
再放送があります。

NHK教育テレビ 6月7日(月)~9日(水) 正午~12時29分

自分も第一夜は、ちやんと録画予約しなくては。


自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」30&イベントお誘いのお知らせ

2010年05月30日 15時11分35秒 | HIV
そんなわけで、いつもはこのタイトルで通院日記を書いているのですが、
今日はちょっと違う話でも。

今、症状が非常に安定していて、普段の生活で、HIVポジティブであることを強く意識することが少なくなりました。
非常に有難いことではあるのですが、診療所と部屋の往復だけでは、得られる情報にちょっと物足りなく感じていました。
HIVという病気の今を、ちょっと違うところから覗いてみたいと思って、
ブログつながりの、あの人のいる団体のイベントに、参加させていただきました。

そんなわけで、豊島区東池袋1丁目・豊島区立生活産業プラザ「ECOとしま」多目的ホールで
「ぷれいす東京」活動報告会。

 「ぷれいす東京」さんは、HIVポジティブへの支援や感染防止の啓蒙活動や研究を行っているNGO団体で、
自分も感染告知直後は、大変お世話になりました。熊系ブロガーとして有名なsakuraさんも、活動されています。
毎年、年に一度の活動報告会を行っており、毎年招かれるゲストスピーカーのお話も、きっと面白いのではないと思って、
ふらっと行ってみることにしました。

会場は、約100人ほどが入れる中規模の会議室みたいな場所。
関係者で埋め尽くされているのではないかと思いきや、意外に、部外者の私がお忍びで紛れ込んでも、問題ありません。
…いや、ちゃんと受付を通って、資料(関係者以外は資料代として1000円)をもらい、席に着きます。

前半は、各部会の活動報告。各活動ごとに、報告書の内容に沿った形で、
総括や、詳細な報告・感想などが、短い時間で次から次へと報告されていきます。
そこでは、利用者の悩みを受け止める相談員ならではの苦労など、実際の活動を通してでなければ、得られないだろう、
生き生きとした言葉で語られていきます。

さらに、今まで、研究や啓蒙活動、相談以外に、知る機会がなかった多岐にわたる活動も、
その一端を知ることができ、興味深い話や分析も聞くことができました。

 休憩をはさんで後半は、 NGO法人自立生活サポートセンター「もやい」のうてつあきこさんと
ぷれいす東京の生島さんとのトークライブ。

「もやい」は、昨年、一昨年と「年越し派遣村」で一躍注目を浴びた湯浅氏が事務局長を務めているとか。
ホームレスの支援団体ということで、少し過激でとんがっている団体かと思ったのですが、うてつさんのお話を聞くと、
来るもの拒まずの、とても緩やかな団体のようで、看護師から社会人大学に入学し、
その中で、これまでの違う経験をしたくて、ボランティアの道に進んだのだとか。
 話の中で印象的だったのは、「人間関係の貧困」。 ホームレスの保証人を引き受け、
支援することで、アパートを借りることができるようになり、ホームレス状態から抜け出し、
衣食住は足りるようになったはずなのに、とたんに人間関係が孤立してしまい、
本当の意味での自立することができないのだとか。訪問介護をしていた経験から、
支援した人達がどう暮らしているのか、支援したその後について訪ねて行って、
いろいろ話を聞くなかで、「経済的貧困」と「人間関係の貧困」の両方の解消が必要だと感じたうてつさんは、
貧困者が自由に集い、低料金で飲み物や食事を提供してくれる、カフェをひらくようになったそうです。

初めは、女性である、うてつさんを通じてでしかコミュニケーションがとれなかったそのカフェで、
次第に「おじさん」同士がコミュニケーションをし、ネットワークができていっているのだとか。
今では、フェアトレード(生産者に適正な労働対価が支払われ、適正なルートを通じた取引)で輸入されたコーヒー豆を
焙煎して販売する作業を行っているそうです。

つながりゆるりと―小さな居場所「サロン・ド・カフェ こもれび」の挑戦
うてつ あきこ
自然食通信社


マスコミの報道では、圧倒的に中年以上の年齢の男性の貧困に注目を向けられますが、
うてつさんは、女性の貧困という視点で、女性労働者のデモ活動など、面白い活動も始めており、
すごく面白い話をたくさん聞くことができました。
「人間関係の貧困」は、しがらみから容易にすり抜けてしまいやすい僕らセクシャルマイノリティも
陥る可能性がかなりあるのではと思うんですね。
ぷれいす東京さんが設けている交流の場やイベント、また訪問活動などにも、
すごく通じるものがあるんだろうなと感じました。
一方で、僕は僕で、HIVもテーマにして書いているブロガーの立場から、
ぷれいす東京さんのような活動の後押しをしたり、語れる範囲で、
もっとリアルな言葉を発して自分の身近な人達への理解はもちろん、SNSなども利用し、
陽性者同士の繋がりを広げていけたらと思わずにいられませんでした。


そんな刺激を受けた、池袋の夜でしたが、来週金曜日にも、東京・半蔵門で、こんなイベントがあります。


「THINK ABOUT AIDS POETRY READING VOL.6」

TOKYO FMがREAL(エイズ予防のための戦略研究MSM首都圏グループの進めるプロジェクト)と
コラボレートして行っているHIVの啓蒙イベントですね。
毎月新宿で行われている「LIVING TOGETHER LOUNGE」の豪華版っていったところでしょうか。

 抽選で入場券が当たったので、もし興味がある方、いらっしゃいましたら、
ご連絡ください。あと1名(プラス若干名大丈夫かも??)
だけですが、一緒に参加しませんか? イベント詳細は、こちらから確認してください。 

http://www.tfm.co.jp/lt/index.html

 リーディングには吉田秀彦さんやピーターバラカン、また、曽我部恵一さんや、アコーディオン奏者のcobaさんなどのライブもあり、
音楽に詳しい方にも、楽しいイベントではないでしょうか。

昔、柔道やっていたころの吉田秀彦はちょっと好きだったのですが、さてさて、実物はどうかな。
 もし興味ある方で、参加できそうな方、メールでご連絡ください。


ただ、自分がおそらく、仕事終わりで、開演19時ぎりぎりになってしまう可能性があるので、
半蔵門に直接集合になってしまうのと、入場が遅くなるので、
座席が、撮影許可エリア(NHK教育テレビの収録も同時に行うため)しか残っていないかもしれません。
 以上、御理解の上、もしよかったらご一緒しましょう。お待ちしてます♪




自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」29

2010年02月12日 15時36分38秒 | HIV
そんなわけで、先日はHIV診察の日。

HIVの患者を診察してくれる病院だと、
土日の外来の診察がないところも多いかと思いますが、
自分が以前お世話になっていた病院は、やはり土日の診察がなく、
平日休みの自分も、シフト制だった仕事のパターンと主治医の外来の当番日と合わず、
昨年から別の診療所に変えていました。

しかも、今年に入って、早々に、勤めている会社で異動があって、
現在は、休みが土日になってしまいました。
もし土日しか休めなければ、病院通いはどうなってしまうんだろう。
内勤だけに、営業のついでに行くような技も使えず、
きっと、年に数日ある土日以外の休みを利用して、必ずその日に行けるように、
数ヶ月前から病院の予約をしておくしかなかったでしょう。
今となってみれば、去年、病院を変えておいてよかった!と
思わずにはいられません。

現在の診療所は比較的予約が取りやすく、
行きたいと思った日の数日前に電話して予約。
ネットでも予約できる手軽さです。
ただ、気軽さゆえに、ついつい抗HIV薬の残りの量ぎりぎりになるまで、
忘れてしまうこともあり、そういう意味では、
処方される薬の量を考えて、次の診察の予約を来院時に入れておくのが、
ベストなのでしょう。

診療所に向かうと、いつものように、渡された番号札で、診察室に呼ばれます。

ドクター「えーHIVのほうは問題ないですね。ただし、血圧は、どうですかねー」
くまぞー「今年になって、仕事かわってデスクワークになったんですよ。動いてないんで今日の結果はやばいです」

体温を測っている間に、ドクターが血圧を測ります。

ドクター「最高が170ですね。ちょっと測りなおしましょう。体重は95kg…」
くまぞー「想定内です。こないだ来た時は90kg以下目標だったんですけどね」

血圧を再測定すると、若干下がって158mmHg。でも、高いことには変わりありません。

ドクター「部屋ではどうですか?」
くまぞー「そーですね…」

そう言って、部屋で測っている血圧を記録している手帳を取り出します。

ドクター「高いですね…ちょっとこのままでは、食事療法に頼るのは限界かと…」
くまぞー「実は以前も、降圧剤飲んでいたんですよ。ただ、朝は飲み忘れが激しくて、
     中止ししてしまったんですよ」

ドクター「その時は下がりましたか?」
くまぞー「いや、全然…」

そういうと、前の病院から申し送り事項が書かれている書類をペラペラとめくります。

ドクター「どんな薬飲んでいたか覚えていますか?この書類には書いてなかったんで…」
くまぞー「あっ、『お薬手帳』には書いてあるかも…あ、ありました。アムロジンですね」

ぺらぺらと本をめくって、処方する薬を考えているようです。

ドクター「それでは、今回はもう少し効きの良い薬にしましょう。いま飲んでいる抗HIV剤とも
     飲み合わせの問題はありません。ただし、一度始めると、なかなかやめることはできませんよ」

そんなわけで、二度目の正直で、降圧剤の処方が始まりました。
抗HIV剤と同じ夜服用なら、忘れることはないでしょう。
ただ、仕事が変わって、仕事中はまったく動かなくなってしまいました。
自然と食べる量、食べる内容を変えていかないと、
大変なことになってしまうことを痛感した、休日の午前でした。

2010年の始まりと、2010年代の始まり。

2010年01月09日 04時13分01秒 | HIV
あれあれという間に、もう1月9日。
たぶん、年明け初のブログ更新としては、
自分の中では、最遅記録でしょうか。

1月1日の新聞を読んでいたら、
今後10年~20年の予定とか未来予想の中に、
リニアモーターカーの開通予定などと一緒に、こんな一文。

「2021年 HIV感染を根治させる治療法」

本当に確立されるかな、どうかな。
たとえ、それで完治しても、また同じ過ちを犯すかもしれない。

でもね、その2021年が明るい未来に感じられる、
そういう風に感じることができることが自分であること、
そして、未来予想の中にHIV治療完治が入っていることがうれしいと思った、
元旦の朝でした。


自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」28

2009年10月16日 00時03分01秒 | HIV
そんなわけで、今日はHIV診察の日。
大きな病院から、診療所に転院して3回目。
今日は、この診療所で2か月前、初めて採血した結果を聞く日です。

ドクター「それではですね、前回の結果について説明していきます。」

初めてということで、性感染症についても、
事前の了解を得て採血しています。


ドクター「ウイルス量がですね、130コピーなんですが…これは気にしなくてもいいです。」
kumazzzo「突然、ウイルスが検出されるとビックリしますよね。」
ドクター「検査方法が変わってから、こういう傾向が出て、各医療機関困っているみたいなのですが…」

1~2年ほど前から、ウイルス量が40コピーまで測れるようになって、
今もまだ多少混乱があるようです。
たしかに。今までの検査と違った結果が出ては、
治療方針も、このままでいいのか、迷うのでしょう。

kumazzzo「でも、前の病院でも、今まで検出限界以下だったのが、突然60コピーとか出たりして、
     そんなに気にしていませんし、まだ自分の中にHIVウイルスがあるんだという自覚ができるという意味で
     いいんじゃないですかねー」

ドクター「そのほかには…コレステロール値が高いですね。特にLDLですね。空腹時に採血していますからね」
kumazzzo「まずいっすね。すいません。」
ドクター「あー、いいんですよ。」

ドクター「血糖や尿の方は大丈夫ですね。あとですね、肝炎なんですけれど、B型肝炎ウイルスに感染してましたね」
kumazzzo「えっ、あー、うそ。あのーもしかしたら、そうだ、前にも言われていたかも。」

そうそう、遠い記憶で忘れていましたが、
前の病院で、ドクターにB型肝炎ウイルスの抗体があって、
知らないうちに完治していたようだと、聞かされていたような。


ドクター「B型は重症化しないこともありますし、熱が出ただけで、治ることもあるんですよ。
     あとA型肝炎ウイルスの抗体もあるんですね。これは、記憶ありますか?」
kumazzzo「えー、いや、B型ばかり気にしていたので、全然記憶にないですよ。ほんとですか?」
ドクター「98年ごろにゲイの中で大流行したんですよ。そのころ何か…」
kumazzzo「それなりに遊んではいましたけれどねー、就職活動中に体中疱疹ができるような気になる症状はありましたけれどね」
ドクター「それは、ちょっと違うかもしれませんね。でも今はもう抗体がありますから大丈夫です。
     サイトメガロウイルスも、CD4が高いので大丈夫でしょう」

サイトメガロウイルスは、網膜炎などを起こし、失明につながるウイルス。
感染した直後、不安の中、いろいろ調べていた日和見感染症の中で、
それがもしかしたら一番怖かったかもしれません。

一通り、説明があって、いよいよ、診察へ。
体温や体重、血圧などを測定し、喉や目を触診したり視診したりします。
血圧がめちゃくちゃ高く、ドクターに普段の食事の一例として、
昨日の食事内容を聞かれます。

kumazzzo「朝飯は、サバのみそ煮の缶詰に、ごはんで昼飯は、自宅で作った弁当と、夜はスパゲティ…」
ドクター「炭水化物が多いですね。野菜は?」
kumazzzo「いや、それだけです!…って、そんなに威張って言わなくてもいいですよね。あはは。」
ドクター「ストイックなダイエットしなくても、少しやせるだけで随分と違いますから、
     まずは90kg切るのを目標で、あとは血圧計で毎日測りましょう」

前回、前々回にも言われた血圧計の話。そろそろ、血圧計を買わなくてはなりません。

ドクター「それではですね、最後にインフルエンザの話をしますね」
kumazzzo「それが聞きたかったんですよ」

HIV患者は、感染すると重症化しやすいということで、
毎年、インフルエンザワクチンを接種するよう薦められています。
今注目の新型と季節性のインフルエンザのワクチンについて、
レジュメのコピーを指し示しながら説明していきます。

ワクチンの準備状況や、接種できる医療機関についてまだ未確定であること、
実際の費用や二回接種が必要なこと、そして、治験の結果で1回でも済むようになること。

ドクター「…ということなんですけれど、ここでお伺いしたいのは、くまぞーさんがご希望するかどうかなんですけれど」
kumazzzo「新型の方ですよね…でも今日はまだ接種できないんですよね。一応、希望しておきます」
ドクター「わかりました。では、新型については11月にもう一度電話で問い合わせてください。で、季節性のほうですが…」
kumazzzo「お願いします!!」
ドクター「そのほうがいいでしょう。では準備しますね。」


そんなわけで、今日のお会計は、保険診療と自費診療の二本立て。
インフルエンザワクチンは3150円で済みました。
以前行っていた病院などでは、大きな病院に殺到しないよう、5250円と、
わざと高い値段で提供していて、それも説明されて承知の上で、
二度手間が嫌だったので、5250円払っていました。

三度目の診察。仕事の話や、プライベートな話を通して、
すこしずつ、患者とドクターとの関係性も築けてきているような、
そんな感触が持てた診察になりました。

自分のHIVの話もたまには「ちゃんとします」27

2009年08月08日 03時33分29秒 | HIV
そんなわけで、「のりピー」から「酒井法子容疑者」に変わってしまいましたね。
ネットの記事は、逮捕状が出た瞬間から、のりピーに厳しい論調になりましたね。
なんつーか、違反した容疑があるから仕方ないんだけれど、
違和感を感じずにはいられません。

自分の心の中だけは、「のりピー」容疑者と呼ぼう。
華やかなスポットライトの中を生きてきた人が、
いつかそうなるとわかっていたとしても、自分の犯した過ちで、
一瞬にして立場を失って、日本中から追い詰められることが、
どれだけ過酷なことだろうと。

さてさて。

最近、mixiなどを通じて、最近、新しく、このブログを見てくださっている方がいて、
ブログのテーマについて、ちゃんと書いていないので、
食いしん坊の旅行ブログだと思ってくださっているのかなと思っていたら、
HIVの事もテーマに書いていることを知っていてもらっていたようで、
ちょっとホッとしている今日この頃です。

そんなわけで、久しぶりにHIVネタです。

自分は拠点病院と呼ばれるHIV治療の中心になっている病院の一つに
通っていましたが、ここ一年、主治医の外来の当番の日と休みの日が一致せず、
仕事前に病院に寄っていくケースが多くなっていました。
休みの日にゆっくり受診したい自分は、診療所での受診を考えていました。

そこで、病院にいるコーディネーターナースと呼ばれる相談員に、
いくつかの診療所を紹介してもらいました。

拠点病院でHIVの治療に携わていた先生が開業した診療所や、
セクシャルマイノリティに理解のある先生が開業した診療所など、
自分が感染告知を受けた2003年直後に比べれば、選択の幅が徐々に広がっていました。

その中から、自分の通いやすい診察時間や場所の診療所を選んで、
紹介状を書いてもらっていました。

公費で医療を賄ってくれる自律支援医療制度の受給者証の更新のために、
先月、新しい診療所へ行って、医者の意見書を書いてもらい、
申請書とともに中野区へ郵送。
送り返されてきた受給者証には、新しくお世話になる診療所と薬局の名前が記載されています。

その新しい受給者証を使って、先日、初めての診察してきました。
この診療所は、休日はもちろん、日によっては、夜の診察も行っています。
この日は、午後早い時間での予約です。

ドクター「体調に変わりはないですか?」
kumazzzo「大丈夫です。問題ないですよ。」
ドクター「血圧のほうは…」
kumazzzo「あーすいません。今度、ヤフオクで血圧計落としますんで…」
ドクター「あはは、大丈夫ですよ。」
kumazzzo「せっかく手帳も貰ったので、ちゃんと測ります」

前回、血圧が高めだったので、毎日、自宅で測って、どんな時に高くなるのか、
自分で把握してみましょうと、ドクターから血圧を家で測ることを薦められていました。
高い方の数値も、低い方の数値も、イエローゾーンです。

ドクター「それでは、お熱を測ります。測りながら目や喉を診ていきますね。」

そう言えば、新しい診療所では聴診器で胸の音を聞かなかったり、
以前の病院と新しい診療所の診察のスタイルは、ちょっと違います。
でも、基本、そんなに変わらないので、
新しい診療所の要領に慣れるには、そんなに時間はかからないはずです。

ドクター「それでは、今日は初めての採血ですが、初めてなので、性病の検査のほうもさせてもらいます。」

そう言って、どんな項目を検査する予定なのか、
表を使って、一項目ずつ丁寧に説明してくれます。
B型肝炎や梅毒など、同性愛者に、ありがちな感染症について、一通り調べてくれます。
また、前の病院では毎回行っていた採尿についても、ここでは、毎回ではないようで、
尿の検査項目についても、説明してくれます。

kumazzzo「あー、もう何本でも血を取ってください~」

内科の先生には関係ないのですが、
自分からも気になっている足の痛みについて少し話したり、
処方箋で出すお薬の量と種類について確認し、
今日の診察は一通り終了です。

診察の後は、採血と採尿です。
待合室で待っていると、採血の準備が整ったようです。

看護師「それでは、8番さん、どうぞ」

プライバシーに配慮して番号で呼ぶスタイルは、
どこでも広がっているようです。

kumazzzo「結構、血が取りにくい腕ですが、どうでしょうかねー」
看護師「腕ががっちりしてますからね」

そう言っていましたが、看護婦さん、一発オーケーです。
あとは真空採血管を交換していくだけです。

採尿も終わり、すぐ、お会計へ。
病院と違って、お会計までがとてもスムーズです。

事務員「次の予約されていきますか?」
kumazzzo「いや、また近くなったら、電話します!。」

ネットでも予約を受け付けてくれるから、
日中忙しくて、ついつい忘れてしまう自分にとって、ありがたいです。

薬は、事前に診療所で紹介してもらっている、
近くの調剤薬局併設のドラッグストアでもらいます。
処方箋と、保険証、自律支援医療受給者証、自己負担上限額管理票など、
もろもろの書類を受付で出します。
整理して書類を持ち歩けない自分は、いつも、薬局で、バッグの中から、
バサバサと書類を取り出します。

kumazzzo「今日初めてこちらで薬を頂くのですが…」
薬剤師「こちらに記入をお願いします。」


はじめての客なので、簡単な質問票を渡されるのですが、
通院のきっかけの欄に「HIVウイルスの治療」と書くのに、
ほんの少ししか躊躇しかなかった自分。

kumazzzo「ドラッグストアで抗HIV薬をもらうのか…」


このドラッグストアは、周囲にある診療所の診察時間に合わせて
営業していてくれています。
調剤薬局のコーナーは、ちょっと奥まってるところにあって、
受け渡しカウンターは、銀行の相談ブースのように、カウンターと椅子があって
仕切りで区切られているので、プライバシーについてはちゃんと配慮されています。

薬は、どこでもらってもいいのですが、事前に申請が必要。
抗HIV薬は薬価が高いし、どこの薬局でも、いつでも置いてあるような代物じゃないので、
ちゃんと自分が服用する薬を用意してある、病院(診療所)に近い薬局でもらうのが
ベストだと思いますが、
全体としては、あまりにも、普通なドラッグストアだけに、
薬をもらう場所というのも、HIVの患者にとっては、少し気になるポイントだということも
初めて気付きました。

薬剤師「以前も飲まれていたようですが、飲み方とか大丈夫ですか?」
kumazzzo「大丈夫です。」

こうして、新しい診療所での診察と薬の購入も、無事終了です。
採血のため朝から何も食べていなかったので、
のんびりご飯を食べながら、自宅に帰るのでした。

自分のHIVの話も、たまには「ちゃんとします」26

2009年05月16日 12時52分26秒 | HIV
さてさて、昨日は1か月ぶりにHIV診察の日。
最近の診察は仕事の前に慌てながら行くことが多かったのですが、
今日は、仕事が休みの日の診察。
やはり、心の充実度が違います。

主治医 「なにか体調の変化はありませんでしたか?」
kumazzzo「いやー、特に無いんですよね…思い出しても。アメリカやメキシコにも行ってないですしね。」

病院の入口の外には、新型インフルエンザの相談窓口の特設テントがありました。
院内じゃなくて、院外に設置していたのが、印象的です。


主治医 「新型インフルエンザに対しての準備で大変ですよ。」
kumazzzo「俺、前の主治医が○○先生だったんですけれど、あの先生も先々週、先週あたり大変だったんじゃないですかね」
主治医 「リレンザの吸入でまず治療したらしいんだけれど、
     厚生省は治療の前に検査して新型かどうか確定させたかったみたいで、
     先相変わらず○○先生節が炸裂していましたよ」

いつものように、主治医が検査結果の数値を口頭で伝えます。
CD4もウイルス量も問題なし。ただ、血糖値が高い感じです。

kumazzzo「それででしてね、先生…」
主治医 「はい」
kumazzzo「こないだ、通いづらいなら、診療所はどうかっておっしゃっていただいていて、
     コーディネーターナースに、診察の後、別の日に相談したんですよ。」
主治医 「○○診療所ですよね。どうしますか??」
kumazzzo「先生の診察って火曜はないんですよねー」

今の主治医の外来担当は、週一回。自分の仕事の休みと合わず、
それが、通院の上でちょっとネックでもありました。
なので、大きな病院じゃなくて、通いやすい医院への変更を勧めてくれていました。



主治医 「そうですね、あとは主治医を変えてもらうか…」
kumazzzo「今回、ちょっと新しいところにお世話になります。違う病院での診察も経験してみたいんで…」
主治医 「くまぞーさんは、ちゃんと薬飲めているし、他の科にもかかっていないので、大丈夫でしょう。
     わかりました。それでは、紹介状書きますね。
     あとでコーディネーターナースと打ち合わせしてくださいね」
kumazzzo「あと、ちょっと心配なのが、自立支援医療の認定申請の切り替えの時期じゃないですか。」
主治医 「意見書と申請書は同じ病院の方がいいので、紹介状に今日の検査データを添えておくんで、
     それを持って、あたらしいところで意見書を書いてもらってください。」
kumazzzo「本当にお世話になりました。ありがとうございます!」

採尿、採血の後、
コーディネーターナースからは、紹介状の受け取りの打ち合わせと、
現在の投薬時間や仕事や家族の状況などについて、新しい病院へ申し送りできるよう、
紹介状にお手紙を添えてもらえるとのこと。
丁寧な対応に、本当に感謝です。



今の専門外来には6年間お世話になりました。

何度も書いているエピソードですが、
今でも心に鮮明に残っているのは初めての診察の日。
ちょうど世界エイズデーの日でした。
病院の丁寧な対応に安堵感に包まれたのをよく覚えています。
初診で朝早く行ったのにもかかわらず、診察、検査と終わって、病院を出てきたときには、
夕陽が長い影を落としていていました。

ある日の診察では、外来の扉が封鎖されていて、外には数人の病院職員が立っていました。
興奮したとある患者さんが外来の中で外にも聞こえるような大きな声でスタッフと口論になっていたんですね。

患者「あなたは信頼してくださいって言ったじゃないですか!!」

HIVという病気が抱える複雑な問題が、簡単に解決できないことを
端的に見せられたかのようでした。

そして、ちょうどJR福知山線脱線事故が起きた日のこと。
他の科の待合所の前にあるテレビには、NHKが映っていて、起きたばかりの惨事を
ヘリコプターから中継していました。
まだ、死傷者の数などその被害の全貌が判らない段階で、
自分は一体何事が起きたのだろうと思って見ていたのですが、
通りかかった専門外来の看護婦さんが、テレビを見たとたん、
心配そうに「大変だわ…」とつぶやいたんですね。
きっとあの事故現場から病院に運ばれた負傷者の容態だとか、思いを巡らせていたのでしょう。
看護婦として職業の責任の重さが言葉から伝わってきたのが、今でも印象に残っています。

前の主治医が病院を離れるときの、有休をもらえてとてもうれしそうにしていた顔。
外来のトイレの個室に聴診器が忘れてあったり、なぜかバナナの皮が捨ててあったり。
いろんな思い出がつまった病院です。

HIVは一生付き合っていく病気ですが、
主治医いわく、自分の医者人生の方が確実に短いからと。
患者と医者。病気と医院。いろんな関係を知る意味で、
今回は、自分にとって新しいチャレンジなのかもしれません。

画像は、専門外来でもらったバインダー。
病院で作っている病気の解説や薬の解説の書かれた冊子に
自分の検査データを書き込んだり、
また障害者手帳や自立支援医療の自己負担上限額管理票など
ひとまとめにしていて保管していました。
多少膨らんでいるのは、歴史の長さじゃなく、
捨てていいものまで整理せずはさんでいるからです。
新しい診療所に行くときには、ちゃんと中身整理しなくては。