山ガールと呼ぶには微妙な年齢の女性たちが様々な状況で山と関わるオムニバス形式の短編集。
しかも、それぞれの登場人物が全体を通してどこかの山で絡んでいるというスタイルは、ブラビが出ていた映画「バベル」を思い出す。
出てくる山女たちはウブな心を持ち合わせた年齢ではないので、山へ行って無心になるどころか下界のしがらみや現在進行形の悩みを引きずってばかりで、まぁ女性というのはこんなにも面倒臭い生き物なのかと(←失礼)、男なら一度は読んでおいていいかもしれない。w
いくつかある物語で、自分が一番面白かったのは「槍ヶ岳」。実際にこんな話は無いのかもしれないが、いかにもあるある的で、こういった中高年登山者には間違ってもなりたくないし、関わりたくないなと思った。
で、前半はなかなか面白かったが、後半になるとやや食傷気味。
「トンガリロ」は途中時間を空けて読んだので、物語の時系列が混乱してよく判らず。最後の「カラフェスに行こう」などは、まずフェスなどという概念におじさんは付いていけない。ぬぁにがフェスだ。
ついでに言うと、解説を書いているKさんという人も山というとやたら出てきて自分はどうも好きになれない。(すみません。偏見です。)
こういった山の世界を否定するわけじゃないけど、外岩やジムで打ち込んでいる岩ガールの方がやっぱ自分は好感が持てる。
最後は偏見だらけの文句になってしまったが、工藤夕貴のTVドラマは見てみたい。たぶん突っ込みどころ満載だろうけど。