KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

DirtBag-フレッド・ベッキーの伝説

2018年03月20日 | 映画

 本日は職場近くのパタゴニア関内店にてムービー上映。

 

   

『ダートバッグ:フレッド・ベッキーの伝説』(公式トレイラー):パタゴニア

 ダートバッグとは汚い袋、ズタ袋とでもいうような意味だろうか。
 フレッド・ベッキーの存在は自分もこれまで知らなかったが、クライミングの旺盛な北米(アメリカ、カナダ、アラスカ)にあって数々の先駆的な登攀をしながらも、正統派の道から外れ、ボロボロのヨレヨレになっても自分の好きなように思うがままに登り続けた男の物語。

 自由の国アメリカであってもここまで自由を貫き通せる人はそうそういないだろう。
 逸話を語るのもシュイナードやらコンラッド・アンカーなどアメリカの有名どころがズラリと並び、この人となりを親しみを込めて称賛しているのが興味深い。

 映画としては、過去の映像やら他の人の回想を交えたインタビュー・シーンが多く、何となくあの「メルー」と同様、やや冗長な気がしたが、見終わった後は微かな余韻が残り、なかなか良かった。

 今回の自伝的映画、そして最後の著作となるルート紹介本において、フレッドは4つのクライミングを実行し載せるつもりであったが、そのうちの一つに自分が2013年に登ったカナダのアシニボインも含まれていた。
 結果として、フレッドはアシニボインに登れず、映像も途中のアプローチまでだったのが残念だったが、自分もフレッドと同じ景色を見れたことは何となく嬉しいものである。

 


「沈黙-サイレンス」

2017年02月10日 | 映画
 
 
 原作は遠藤周作、監督があの「タクシー・ドライバー」のマーチン・スコセッシとあって大いに期待して観たのだが・・・。

 時は江戸時代。いまだ閉鎖社会の日本に、キリスト教布教のため訪れる若き宣教師と隠れキリシタンの苦難を描いた物語。
 通常の視点だと、宣教師とキリシタンは弱き者で「正」、そしてそれを弾圧する側は「悪」といった構図だが、何だか見ているうちに自分はその関係がわからなくなってきてしまった。
 確かに拷問する側は「悪」のように映るが、あの閉鎖された時代に異人によるわけのわからない布教は、今でいう怪しく危険な新興宗教と同等であり、得体の知れない不安要素だったかもしれない。
 さらにあれだけの拷問、弾圧を続いても、肝心の信ずべき神は何もしてくれず「沈黙」したまま、罪の無い多くの人々を死なせてしまう。
 そうなると、もはや黙って見ている神こそが「悪」なのではないか。
 さらに信仰は自由だが、その宗教が古今東西、人間の争いの元となっているのは何とも皮肉な話である。

 私は無宗教なため、命をかけてまで信仰を貫く人々の気持ちがわからず、そういう意味ではこの映画のキーパーソンである吉次郎(窪塚洋介)がいかにも人間的で、自分はどうあるべきかという指針のような気がした。
 作品は全編通して音楽が無く、それがエンディングまで続き、重い余韻となって残る。
 難を言えば(映画としてしかたないのかもしれないが)当時の日本の人々が、あれほど英会話が達者だったのかが、ちょっと違和感を感じるところ。
 隠れキリシタンの茂吉を演じた「鉄男」の監督・塚本晋也の演技が良かったが、自分の作品満足度としては☆☆★

メルーを見ルー

2017年01月17日 | 映画

  新春話題の映画「MERU」観てきました。

 インドヒマラヤに聳えるメルー。
 そこにあるシャークス・フィンと呼ばれる高難度ルートを一度は敗退しつつもその後の試練を乗り越え、最後は完登する三人のクライマーのドキュメンタリー。
 ヘタな演技や過剰な演出は無く、三人の静かで熱い情熱が淡々と描かれる。
 山に登る者ならもちろん、登らない者でも共感と感動を得られる作品との前評判もあって大いに期待してみたのだが・・・。

 たしかに映像は素晴らしい。あの厳しい環境の中で、よくぞここまで撮って一本の映画に仕上げたなと思う。
 ただ、期待が大き過ぎただけに自分の満足度は、五点満点の☆3つ。
 クライミングの内容は自分のような者には到底あれこれ言えない高次元なものなので置いとくとして、これはあくまで映画としての自分の満足度。(評価ではない。)
 理由は単純。何度でも見たいか、そうでないか、だ。
 
 これはたぶん、クライミングの映像に対して「DOSAGE」や「REEL ROCK」シリーズでヘンに目が肥えてしまい、生半可の迫力やスピード感では驚かなくなって、こちらの感性が鈍くなってしまっているせいかもしれない。
 実際、登っている彼らにしてもどこか淡々としているように見える。
 そして、最後のクライマックスである登頂のシーンも(自分には)どこかあっけなく見えて、それがそのまま自分の感想に繋がっている。
 
 イイなぁと思ったのは三人の友情。
 そして作品中に「師(メンター)」という言葉が出てくるが、マグス・スタンプ→コンラッド・アンカー→ジミー・チンと受け継がれる師弟愛がこの映画のテーマの一つだと感じた。
 ちょっと要らないなぁと思ったのは、ナビゲーター役(解説?)のJ・クラカワー氏の熱い語り口。
 そんなのいいからもっと山の映像見せてくれ、と思ったのは私だけ?(まぁ尺伸ばしのために仕方ないんだろうけど。)
 
 最後に私がかつてガンゴトリを訪れた時の写真を。
 まだ馬目さんやコンラッドらが訪れる前の頃。(1980年)
 手前がシブリン、右奥にメルー。シャークス・フィンも小さく写っている。
 映画「MERU」の中でも自分が登った山が一瞬チラッと見えて、目頭がちょっと熱くなりました。

 


最近見た映画

2016年11月11日 | 映画
  

「17歳の肖像」マリー・キャリガン主演 ☆☆☆
 イギリスの秀才で可愛いお嬢さんがシブイ中年男に出会い、騙され、やがて大人になっていく物語。
 アカデミー賞作品らしいが。まぁ国は違えど、よくある話ですな。

「海街diary」綾瀬はるか、他 ☆☆☆★
 まぁ実際にはありえない美人姉妹のほのぼのとしながらもいろいろあるといった日常を描いた、是枝さんらしき作品。
 綾瀬はるかさんはやはり綺麗だが、自分は長澤まさみさんが一押し。食堂のおばちゃんの風吹ジュンもいい。(こんな定食屋があったら通いたい。)
 でも、三女の夏帆の彼氏(スポーツ店の店長?)が、あの風貌でヒマラヤへ行く山ヤには到底見えない。人は見かけによらないとはいうが、ちょっと山ヤをナメてないか?

「ロングトレイル」

2016年10月06日 | 映画



R・レッドフォード主演 ☆☆☆★

 旬を過ぎた紀行作家がふとしたきっかけでアパラチアン・トレイルを踏破しようと決心する。
 一人では危ないと反対する奥さんを納得させるために一緒に歩いてくれる仲間を探すが、来てくれたのは酒好き、女好きのしょーもない旧友だった・・・。

 予告編からほのぼのと笑わせてくれそうなアウトドア・ムービーと期待して観たが、意に違わずなかなか楽しめた。
 主人公がいきなり旅を決意するのはやや唐突なように感じたが、まぁこういう映画に理屈はいらないだろう。
 「足手まといの相棒」やトレイルで出会う「生意気なお喋り女」や「道具ヲタク」なのハイカーなどいかにもいそうなキャラがいろいろ現れ、単調なストーリーになりがち内容ながら飽きさせず、最後は出来過ぎた結末にならないのも良かった。
 少し前の映画「私に会うまでの1600km」もロングトレイルを歩く映画だったが、今アメリカではまた1960~70年代のような自然回帰ブームなのだろうか。 
 
 強いて残念だったのはアパラチアン・トレイルの景色がほとんど日本の山の景観と変わらず、自分にはそれほど新鮮さを感じなかったこと。
 本場アメリカのトレイルはそのうち歩いてみたいと思っているが、実際は北八ツや奥秩父と(特に森の中は)それほど変わらないのかもしれない。
 まぁこの辺は自分の感性が鈍っているせいなのかもしれないが。
 ブルーレイが出たら、時間を置いてまた見たい。

シン・ゴジラ

2016年08月10日 | 映画

 

 ボリビアから帰国後、早速観に行った。
 初期のゴジラ世代として、オリジナル(1954年版)を超えるものをと大いに期待していたのだが・・・。
 
 正直言って、ちょっとガッカリ。orz
 出だしの中国の獅子舞みたいなのがまさかゴジラに進化するとは思わなかったが(笑)、それにしても前半の永田町のお偉方のドタバタ劇にはかなりウンザリしてしまった。
 
 あのー、私はただ単純にゴジラが暴れて、壊して、人間を恐怖のドン底に陥れるのを見たかったんですけど。
 「踊る大捜査線」を見に来たわけじゃないんですけど。(ま「踊る大捜査線」は好きだけどネ)
 
 決断は鈍いけど体裁を気にする総理とか、飄々と事を進める官房長官とか、やたら兵器を使いたがる防衛大臣とか、政界のパロディとしては面白いのかもしれないが、そんなものはどうでもいい。
 ネットの評価で「子どもたちが可哀そう」という意見があったが、たしかにこの映画を観て面白かったという子どもがどれほどいるだろう。
 
 石原さとみが英語がうまいのはよーくわかった。しかし、敢えてこのキャラ必要か?
 主人公の長谷川くんにしても、ヲタッキーな科学者たちにしても何だか自分の職務とか立ち回りの方が中心になって、ゴジラに対する人間側の恐怖があまりにも感じられなかった。
 空回りしている政府や作戦本部よりも、最後に現場でゴジラに冷却剤を注入する重機の作業員の様子とか、そういうドキドキするリアル感が欲しかった。
 
 あと前々から不自然な気がしていたが、なぜゴジラはいつも一匹だけ忽然と現れるのだろう。
 どう見たってあれは生物。むしろ複数いるのが普通だし、世界同時多発ゴジラなんてことがあってもいいと思うのだが。
 日本が米軍に救援を求めた矢先に、ニューヨークにもう一匹現れ、それどころじゃない!みたいな。(笑)
 
 またどうも違和感を感じたのは、「ゴジラ」という名前が今回初めて発表されたかのような場面があったこと。
 例え架空の生き物だとしても、もう「ゴジラ」という固有名詞は完全に確立しているし、誰もが知っている。
 それを今さら「これをゴジラと命名する」と言われてもねぇ。
 
 まぁゴジラの造形、特撮技術はさすがによく出来ていたと思う。

「エヴェレスト 神々の山嶺」

2016年04月03日 | 映画

   

 ネットでは賛否両論あるようだが、映画としてはけっこう楽しめました。
 少なくとも「岳」よりはインチキ臭くなかったし、「剱岳・点の記」よりは(自分は)面白く見れた。
 もちろん、それなりにハードルを低くした上での感想であって、細かいツッコミどころは満載だが・・・。
 
 例えば
・岡田くん演じる深町のザックはいつも綺麗にパッキングされているが、見ていて重さがまったく感じられないのは私だけ?
・阿部さん演じる羽生がメモを残すが、あの高所での極限状況で「死」とか「想う」とか細かい漢字は書けないと思うのだが。
・岡田くん、最後の方で帽子取っちゃうけど耳、凍傷になりますよ。あとサングラスしてなくて大丈夫?
・しょーがないんだろうけどウェアとかザックとかモンベルだらけで、さすがに鼻につく。(笑)
・腕が使えなくなったら指、指が使えなくなったら歯、歯が使えなくなったら目・・・って意味わからない。
 さすがに歯や目で山は登れないと思う。ダメになるのはまず目や指の方で、そうなったら腕を使って匍匐前進で進むというならまだわかるが。
・尾野真千子さん演じる岸涼子の行動、感情すべてが突飛。今時あんな女の人いないでしょう。
 などなど・・・
 
 で、何となく人物設定を見ていたら、昔のNHKドラマ「氷壁」を思い出してしまった。
 あのドラマでもヒロインの鶴田真由が思いっきりワケのわからないキャラだったような。
 でも、山本太郎が死ぬシーンはちょっと泣けたなぁ。もう一度見てみたい。
 死んだ羽生に「一緒に帰ろう」と言ったり、涼子の元へ戻るあたりは、漫画「おれたちの頂」ともカブっているような?
 
 と、話はだいぶ脱線したが、「エヴェレスト~」は映画としてはそんなに悪くはなく、思った以上に良かったです。
 何よりそんなダメ出しを打ち消すほどに阿部さん、岡田くんの熱演は見応えがありました。☆☆☆★

最近観た映画

2016年03月16日 | 映画

   

「ザ・ワイルド」
☆☆☆
 アンソニー・ホプキンス主演。原題は「The Edge」。
 観光のつもりが小型飛行機が事故により不時着。
 山奥を人食い熊に追われ、仲間に裏切られながらも脱出しようと試みる老年男性の物語。
 本で学んだサバイバル技術を活かしつつ、次々と難関に立ち向かう不屈の精神が見所。
 舞台はアラスカのようだったが、実際のロケはカナダのようで見覚えのあるスリーシスターズやモレーンレイク付近の風景が映っていた。

 
「Wood Job!」 ☆☆☆☆
 染谷将太・主演
 大学受験に失敗し、林業に転進するヘナヘナ青年の物語。
 あまり期待していなかったが、個性ある登場人物が多くとても面白かった。「ウォーターボーイズ」の監督だけにこういう青春ドラマは上手いですね。
 染谷くんのヘナヘナぶり、伊藤英明の山猿っぷり、男勝りの長澤まさみのキャラなどどれもイイ。
 

「トレーニング・デイ」 ☆★
 デンゼル・ワシンシン、イーサン・ホーク主演
 裏切りの連続で展開する二人の麻薬捜査官の物語。
 汚職も可とする老練な先輩捜査官が、正義感の熱い新人を教育していく人間ドラマだが、何となく後味が悪い作品。
 アメリカってこういう苦い後味を引く作品がけっこう多いが、自分はどうも好きになれない。

最近観た映画

2016年03月06日 | 映画

   

「娚(おとこ)の一生」 ☆☆☆★
 
 豊川悦司、榮倉奈々・主演。
 女性による原作、しかもその原作が漫画となると、どうも妄想入り過ぎて馴染めないのだが(豊川悦司は自分から見てもカッコイイと思う俳優だが、この物語に出てくるような男はまずいないし、完全に作者の妄想。)、主演の二人がイイ感じでついつい最後まで見てしまった。
 中盤で、あることからよその子どもを面倒見ることになるが、三人でのつかの間の暮らしと別れの場面が泣かせるし、さらにラスト・シーンでまたグッと来る。
 

「逆噴射家族」 ☆☆☆☆ 
  
 もう何回も見ているが、また見てしまった・・・。
 制作は長谷川和彦、監督は石井聡互。時代は懐かしき1984年。今となっては完全にカルト・ムービーで、やっぱり面白い。何よりあの時代のエネルギーを感じる。
 念願のマイホームを買ったのに完璧主義で真面目人間の父親ゆえに壊れていく家族の物語。
 父親役の小林克也、祖父役の植木等ほか家族全員がブッ飛んでいる!娘役の工藤夕貴(まだ中学生ぐらい)も可愛い。
 ラスト、高架下でのホームレス生活が爽やかな恍惚感に溢れていてイイ感じ。

 
「その夜の侍」 ☆☆★
 
 堺雅人、山田孝之・主演
 山田演じる轢き逃げ犯のロクデナシと、それに対して復讐しようとする堺演じる冴えない中年男。
 出演者がそれぞれ鬼気迫る演技でストーリー的にもかなり期待して見たのだが、結末が平凡で自分的にはちょっとハズレだった。

最近観た映画

2016年02月26日 | 映画


「X-ミッション」
 ☆☆☆★
 
 エクストリーム・スポーツのトップ・アスリートたちが繰り広げるアクション映画。
 オフロードバイク、スカイダイビング、サーフィン、ウィングスーツ、スノーボード、クライミングなどなど・・・。
 CG無し、全て本物のリアル映像ということだが、どこからどこまでが本物だろうかと疑ってしまうほどの迫力。
 
 「オザキ8」という究極のミッションを目標とする狂信的グループが行う独善的犯行を追って、元スタントマンがFBI捜査官となって潜入阻止するというストーリーだが、はっきり言ってストーリーは無用。物語を敢えて入れることによって却って安っぽいB級作品にしてしまったような気がする。自分としては、できれば全編ノンフィクションにした方がよりリアル感が出て良かったように思うのだが。
 シーンはもちろんアドレナリン全開の展開で(特に冒頭のバイクで空間を隔てた岩塔へ飛び移るシーンとエンジェル・フォールのフリーソロが圧巻)、気持ちがモヤモヤしている時に見るには最高だろう。
 せっかくなので3Dで観たが、たぶん2Dで観ても映像に遜色無し。
 エンディング・クレジットで、あのクリス・シャーマの名前もあった。
 


「八日目の蝉」
 ☆☆☆★

 原作・角田光代、主演・永作博美。
 子役も巧いし、ラストは泣ける。
 でも作品自体よりも永作さんがとにかくイイ!それに尽きる!(・・・異論は無かろう)

最近観た映画

2016年02月19日 | 映画
   

「クラウド・アトラス」☆☆☆
 トム・ハンクス、ハル・ベリー他出演。
 一人の俳優が時代を超えて何役も違う役柄を演じ、六つの物語が連鎖し、支配と反逆は繰り返すという永遠性(?)がテーマらしいが、一回だけ観てもイマイチ理解できない。
 ネットのレビューでも評価はけっこう高く、多くの人が「凄い映画!」とか「素晴らしい!」とか言っているが、キューブリックの「2001年宇宙の旅」と同じで、たぶん本当は(自分も含めて)誰もがよくわからない作品だと思う。
 管理されたメイド、のちに人類の救世主?となるソンミ役のペ・ドゥナは、最初は垢抜けない感じがしたが、見ているうちに次第に可愛く見えてくるから不思議。

「ファミリー・ツリー」☆☆☆☆
 ジョージ・クルーニー主演。
 何となく以前観たことあるかもと思っていたら、やはり3年位前に観ていた。
 その時はちょっと退屈な映画ぐらいに思っていたが(以前の自己評価は☆☆★)、改めて観たらけっこう良かった。
 長女のボーイフレンドのシドがただのアホかと思ったら人間味溢れたキャラでイイ味出してるし、ラストで母親を失った家族がソファーに集まって食べ物を回し食いするシーンは日本の映画でもありそう。

「振り子」☆☆☆★
 中村獅堂、小西真奈美・主演。
 原作は「鉄拳」のパラパラ漫画。時代がまさに自分とまったく被っているので、特に折々に流れる歌謡曲が懐かしく感じた。
 残念ながら実写版の本編ではあまり泣けず、ラストのパラパラ漫画で涙腺が緩む。やはりこの作品は漫画の方がイイ。

最近観た映画

2015年11月16日 | 映画
  
 
「ヒマラヤ-運命の山」 ☆☆☆★
 原題「Nanga Parbat」。若きメスナーが弟のギュンターと共にナンガ・パルバットのルパール壁に挑み、下山時に遭難した後、一人で生還する実話を基にした物語。
 以前観た「K2」でのボナッティもそうだったが、我々日本人がヒーローだと思っていたアルピニストが向うの映画だとわがままなエゴイストとして描かれる。
 
「コン・ティキ」 ☆☆☆
 古代人がペルーからミクロネシアへ海流に乗ってイカダで渡ったことを証明しようと実践するヘイエルダールの物語。
 乗組員のうちおデブのヘルマンという男が何かとドジを踏み、皆のひんしゅくを買うのはこういうストーリーではお約束?
 ただ、それにしてもあれだけの長い期間、厳しい条件での冒険で、仲間同士それほど大きな諍いが無いように見えたのはちょっと違和感を覚えた。ノルウェー人て、そんなに温厚なのか。
 
「上島ジェーン」 ☆☆
 ダチョウ倶楽部の上島さんが後輩の有吉と共に、サーファーになろうとするひと夏の物語。
 はなからフザケているのか真面目なのか、ヤラセなのかリアルなのかよくわかないが、一応ドキュメンタリー・タッチな作品。
 笑えるシーンも多いが、それ以上に(演技としても)上島さんの「いいかげんキャラ」に飽きれてちょっとついていけない感があった。

エベレスト3D

2015年11月11日 | 映画
 観てきました。「エベレスト3D」

  ☆☆☆☆
 
 1996年のロブ・ホール、スコット・フィッシャーら複数の公募隊による大量遭難の実話を基にした作品。
 本では以前ジョン・クラカワーの「空へ-In to the Air」、ベック・ウェザースの「死者として残されて」も読んだ覚えがある。
 迫力ある映像と壮絶なストーリーで、このところ続いた山岳映画ラッシュの中では一番良かったような。
 若い頃はエベレストに憧れて(当時、遠征許可を取っていた)某大学山岳部に入ったこともあったが、今となってはお金があってもああいう死の領域には近づきたくないと思う。(もう見るだけでいいね)

  
 
 肝心の3Dは最初のうち字幕ばかりが浮かんで見えて、吊橋を渡るシーンや雪稜を登るシーンでは3Dというよりジオラマ風の映像であった。
 最後の方になると眼も慣れてきて、特に3Dにしなくても良かったような気がする。
 大体3Dメガネをかけると、画面が1~2レベル暗くなってしまうのが残念である。まぁ雪山ならサングラス必須なので、そういう意味ではいいのかもしれないが。
 
 で、次はいよいよこれですね。

  「エベレスト3D」を観た後だとロケシーンがどれほどのものか、ちょっと心配。

最近観た映画

2015年09月04日 | 映画

「わたしに会うまでの1600km」 (原題「WILD」)

 

 自分を見失い堕落した人生を送る女性が自分を取り戻すためにアメリカのロングトレイル(PCT=パシフィック・クレスト・トレイル)を旅する実話に基づいた物語。
 悪くは無かったが期待が大きかったため、印象に残るかと言われればそうでもないというのが率直な感想。

以下、自分の身勝手な感想。

・ロングトレイルを実際に歩くと過酷な旅であることはわかっているが、途中でいろいろな人に助けられたり、食料を補充できたりするアメリカのトレッキング事情が、ワイルド感を薄れさせていた。
・主人公の女性は山旅の素人からスタートしたのだろうが、重量を考えずにパッキングしたり、最初はテントの張り方も知らなかったり、極めつけは片方の靴を落としてしまい、やけになってもう片方も捨ててしまったり・・・。
 アメリカのロングトレイルはいつかは自分もと憧れていたが、こんな調子でも歩けるんだとちょっと甘く見てしまった。
・何より期待を裏切られたのが、主人公の姿に重点を置いて、トレイルの美しい風景があまり感じられなかったこと。映画では変化の乏しい乾燥地帯と視界の利かない樹林帯がほとんど。
 まぁ、実際はこんなものなのかもしれないけど。
・すごいなと思ったのはREIの返品交換システム。日本にもかつて南町田にREIが出店し(今はモンベル)私もお世話になったが、こんな良心的な経営ならもっと皆で大事にしておくべきだった。

☆☆☆


最近観た映画

2015年08月17日 | 映画

今回シャモニーへの往き帰りの便で観た映画。

「UNBROKEN」アンジェリーナ・ジョリー監督 ☆☆☆☆
 第二次大戦で捕虜となったオリンピック選手の実話を基にした物語。タイトルは「折れない」「不屈」といった意味だろう。
 外国人捕虜を執拗に痛めつける日本軍の上官が描かれているので反日映画とされ、今のところ日本での上映未定。
 でも昔からこういうタイプの人間て会社でも部活でもいて日本人には案外多いような。
 私は見ていて嫌悪感よりは「あぁ、こういうのいかにも日本人だよなぁ。」と納得できたし、全体的に重厚感ある良い映画だと思った。

 


「Life of PI」
 ☆☆☆★

 ある家族が動物園の動物たちと航海をすることになるが、途中嵐に見舞われ、最後は小さな救命ボートで虎と漂流する羽目になる青年の物語。
 これが次第に虎と心を通わせていくということはなるといかにもありがちな映画となってしまうが、この物語はそうではない。
 しかし最後はどちらも生き延びていく。

 ダイナミックな嵐や動物たちの動きなど映像が素晴らしい。

 


「GODZILLA」
 ☆★

 ハリウッド版第二弾?前作はスピード感溢れるアロサウルスで「あんなのはゴジラではない!」と散々叩かれたものだが、今回は造形としては合格。 
 ただ内容としてはいかがなものか。相方juqcho氏は高評価だったようだが、自分としてはそうでもなかった。
 ビキニの水爆実験?の映像などオープニングでリアルな内容を期待させられたが、その後出てきたヤゴ(トンボの幼虫)のオバケみたいなのにはガックリ。ここはゴジラ一本で勝負してほしかった。渡辺謙さん演じる博士も何だか中途半端。あまり必要性が感じられなかったような。
 本作ではGODZILLAを「GOD=守護神」として描いたのだろうが、私としては地球環境を破壊し続ける人類を戒める1954年版・元祖ゴジラを踏襲してほしかった。
 でもウチの下の息子はjuqcho氏同様「良かった」と言っていたから、結局、私が怪獣映画に対して辛口なだけなのかもしれない。

 


「TRACKS」
(邦題「奇跡の2000マイル」)☆☆☆☆

 オーストラリアの砂漠をラクダと共に横断の旅に出る女性の物語。
 奇しくもその後に観た「私に会うまでの1600キロ」と舞台が砂漠とロングトレイルで違うが、内容的には女性の単独冒険行で似ている。
 「TRACKS」の方が内容も主人公もWILDで良かった。

 

風に立つライオン」 ☆☆☆★
 さだまさし原作、大沢たかお主演
 ケニアの小さな診療所で奮闘する若い日本人医師の物語。昨年ケニアへ行ったし、石原さとみが出ているので一応チェック。
 ストーリーとしてはよくあるパターンだが、まぁ面白かった。
 さとみ嬢は英会話教室のCMに出ているだけあって英語が上手く、また私の好きな石橋蓮司さんがイイ味出してた。