新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

『涼宮のハルヒの直観』 世界はハルヒを超えてしまった

2024年02月20日 | 読書
涼宮ハルヒシリーズの新刊、4年前に出ていたんですね。2020年11月初版ですから、正確にいえば3年3か月前ですが。先週末に取り寄せて、日曜日の晩、摩耶から帰ってから読み終えました。2020年7月7日には、七夕の短冊アプリに「ハルヒ三期」と願いごとを書いていた人を見かけ、このブログにハルヒに関するエントリを立てています。まだgooブログに引っ越してくる前ですね。私が気になったのは、アニメより原作の新 . . . 本文を読む

古代人と夢 夢みる権利

2024年01月03日 | 読書
初夢は、もともと大晦日から元日にかけて見る夢だったんだそうですね。それが、大晦日に神様を寝ずに迎える習慣が広まると、元日から一月二日にみる夢になったのだとか。この「初夢」の吉兆占いには、夢を聖なるものと考えた古代の名残が残っているのかもしれません。国文学者の西郷信綱は、こんな風に記しています。〈フロイトやユング以後の現代人は夢を、意識の底に沈んだ欲望や衝動、あるいは集団的無意識のあらわれと考える。 . . . 本文を読む

龍のはなし なぜ天皇は龍を忌避したのか

2024年01月01日 | 読書
年越しそばを食べながらお神酒をいただいて、目が覚めると、23時過ぎでした。年明けまでは積読だった荒川紘『龍の起源』(角川ソフィア文庫)を読んで過ごしました。日付が変わるのを待って、『マギアレコード』にログインしました。新春ログインストーリーにひめなちゃん登場。お、今年の新春キャラはひめなちゃん?……ではありませんでした。でも、この子だれ?『竜城明日香(たつきあすか) 新 . . . 本文を読む

ビブリア古書堂の事件手帖

2023年12月16日 | 読書
手帖といえば、この作品ですね。古書をめぐるミステリです。(この記事は、手帖について取り上げた前の記事のおまけでしたが、加筆のうえ、独立させました)私はトップ画像に使ったこの第二巻が、表紙イラストも合わせて大好きです。第一話のアントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫)をめぐる物語は、まさかの展開でした。オチが「萌え」なのです。うん。これは知られたくないなあ。しかし、いかにもあ . . . 本文を読む

空の名前

2023年11月27日 | 読書
昨日も摩耶山に登るため、西宮北口で各停に乗り換えました。運良く、進行方向左側、浜手側の席に座ることができました。六甲(むこ)の山を眺めながら行くのが至福の時間です。西宮北口を出て、夙川、芦屋川と、六甲(むこ)の山のそのまた向こうは、きれいな羊雲でした。「かわぃい羊雲…! 今日は秋らしい空の写真が撮れそうだね…!」と、愛娘もうれしそうでした。今年は、というか今年も、ようや . . . 本文を読む

本棚とクローゼット

2023年10月07日 | 読書
「クローゼットで眠っている服をどうしたらいいのか、困ることはありませんか? そんなとき、なぜ処分できないでいるのか、その理由を考えてみると、残すもの、処分するものの見定めがつきますよ」最近、ミドル世代の女性向けのおしゃれ手帖(レトロな響き)を手に取る機会がありました。仕事の必要上読んだのですが、クローゼットの服の収納整理の話は、個人的にも興味深く読みました。蔵書整理に通じるものがあったからです。こ . . . 本文を読む

(メモ)「らんまん」最終回史実と違う展開「ヒロインへの愛情、礼儀」

2023年09月29日 | 読書
「あの、先生はネ、ときどき、じいっと奥さんの写真を、このベッドの上からごらんになってましてネ、小さな声で、寿衛子(すえこ)、寿衛子って、呼びかけられるんですよ」池波正太郎「牧野富太郎」(新潮文庫『武士(おとこ)の本懐』所収)より、最晩年の牧野富太郎の入院先の付き添いの看護婦さんのことば。当時劇作家だった池波が牧野を訪ねたのは、牧野を主人公にした新国劇の芝居の取材のためだった。牧野は、「わしも、わし . . . 本文を読む

ウナギについて

2023年09月16日 | 読書
今ごろになって、夏休みの読書ノート。私は、ウナギという不思議な生物に対して、興味を抱いてきました。来年で開設20周年を迎えるこのブログの記事を振り返っても……『ウナギ 地球環境を語る魚』という本のレビューがあったり……イタリアのウナギ漁が出てくるというだけで、ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞した、『ローマ環状線 めぐりゆく人生たち』というドキ . . . 本文を読む

渡辺京二『逝きし世の面影』

2023年06月12日 | 読書
『逝きし世の面影』渡辺京二(平凡社)ある場所で、「ぜひあなたに読んでほしい」と、ある元経営者にご推薦いただいた本。私より20年以上年長の学園闘争世代。通った大学は早稲田で、私が若いころに属したC派の天敵である、K派のもと活動家。ただし、川口虐殺、海老原虐殺以前の、両派の対立が非和解的になる以前の世代で、三里塚にも行ったことがあるそうです。個人的には、困った人でした。勤務先の会社のオーナーに向かって . . . 本文を読む

鬼平犯科帳 新宿を渡る女

2023年04月25日 | 読書
「火付盗賊改方の女密偵・おまさが新宿(にいじゅく)の渡口(わたしぐち)へさしかかったのは、明け六つ(午前六時)ごろであったろう」(『鬼平犯科帳6 狐火』)新宿の渡しは、水戸街道の亀有と新宿を結んだ中川の渡し船。密偵のおまさは下総の佐倉に住んでいた叔母の葬儀の帰り。帰りは松戸の遠縁の者の家に一泊し、朝暗いうちに松戸を出発したらしい。季節は梅雨明け。東京都の梅雨明けは例年7月19日ごろ。2023年7月 . . . 本文を読む