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ビブリア古書堂の事件手帖

2023年12月16日 | 読書
手帖といえば、この作品ですね。古書をめぐるミステリです。

(この記事は、手帖について取り上げた前の記事のおまけでしたが、加筆のうえ、独立させました)

私はトップ画像に使ったこの第二巻が、表紙イラストも合わせて大好きです。第一話のアントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫)をめぐる物語は、まさかの展開でした。

オチが「萌え」なのです。うん。これは知られたくないなあ。しかし、いかにもありそうな結末だったのでした。

そう、ビブリア古書堂の主人の栞子さんは、黒髪ロングでふだんは眼鏡、美人で巨乳、コミュ障、いかにも男性オタクが好みそうな「萌え」設定のてんこ盛りです。『NEW GAME!』のひふみんこと滝本ひふみさんが、イメージとしては近いかもしれません。


もし『ビブリア』もアニメ化されていたら、ひふみん並みの人気を博したかもしれません。しかし、この作品は男性読者より女性読者のほうが多いそうです。


主人公で語り手の大輔は、古本屋で働いているのに、自身は本を読むことができないという活字恐怖症です。しかし本の虫の栞子さんの語る本の話を聞くのは大好きで、ある古書をめぐる事件が解決するたび、その本のあらすじを聞かせてもらうところで終わるのが、この物語のお約束です。


事件に巻き込まれた栞子さんを、盾になって守り続ける献身的な大輔は、姫に仕えるナイトそのものです。その報酬は、彼女の愛してやまない本に関する話を聞かせてもらうこと。このピュアな関係性が、女性の共感を集めたのかもしれません。

家庭でも職場でも、女の人は男の人の話を聞かされるばかりで、その逆は少ないように感じます(夫婦なら、そもそも会話さえなかったりする?)。会議や飲み会などでも、聞こえてくるのはおっさんのだみ声ばかりで、女性は笑って合いの手を入れているだけです。私もおっさんですが、あれは聞いていて不快ですね。ああはならないように気をつけてはいるものの、男女にかかわらず、若い人を前にするとついついテンションが上ってしまいますね。

さて、第一巻の第一話では、「夏目漱石」という署名入りの『それから』を通じて、なぜ大輔が活字恐怖症になったのかの謎、そして活字恐怖症の彼がビブリア古書堂で働くことになったかの経緯が明らかにされます。


この第一話の全文が、ここで読めます。お時間のあるとき、ご覧ください。


ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~ | メディアワークス文庫 1PAGE (biblia.jp)


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