動き出す瞬間

　とあるPR誌で読んだヘアメイクアーティストの藤原美智子さんのお言葉。超一流のクリエイターは、いうことがちがうね。

　「雑誌のメイクページでは私の所にも色校正がまわってきて、『もう少しこういう色を出してください』と細かくチェックを入れたりするんですが、広告ではヘアメイクがそこまで口出しすることはほとんどありません。ですから、ときには、印刷物を見てちょっと自分のイメージとは違うなと思うこともあります。でもね、自分がメイクしたモデルさんがカメラマンの前に立って、シューティングが始まると、いろいろな表情をつくるじゃないですか。そのときの美しさやキュートさ、それを見るだけでいいのね、私の場合。自分の作品が表情を持って動き出す瞬間を生で見届けるために一生懸命やっているって感じかな」

　そうそう、別にモデル撮影の仕事でなくても、老いも若きも、男も女もそれ以外の発することばやビジュアルに、生命の輝き喜びを感じさせる瞬間がある。それを見ることができるのが、制作ディレクターの最大の喜びである。　

　いち、にー、さん、しー、ごー、ろくー、前進するのが大事よ？（MISA）。今日はいろいろあって疲れた。しかし、スカーレットもいう。明日という日はまた別の日なのだ。