新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

ライオンのめがね

2024年03月08日 | 日記
「えっ! 黒さんも老眼鏡持っているんですか!」

あれは5年前か、6年前か。

職場で老眼鏡も話題になったとき、たまたまその場にいたオーナー一族のお嬢さんに驚かれたことがあります。

今の職場に中途入社当時、私もいちおう20代でした。

彼女のなかでは、自分が小さなころ面倒を見てくれた「お兄ちゃん」たちが、今やすべからく老眼鏡を必要とする「おっさん」であることに、いたくショックを受けたようでした。

まあ、今や一児の母となった彼女だって、私のなかでは学生時代、ヤンキーと付き合い、おじいちゃんやお父さんを心配させた「じゃじゃ馬」のままなのですが。

そんな私も両親が老眼鏡を使っていることには、驚くと同時にショックも受けたものでした。

関西に渡ることになったとき、父と会う機会がありました。父の職場に近いフレンチに連れて行かれたのですが、メニューが読めないのですね。内ポケットから老眼鏡を取り出していました。

あのメニューは、紙も上質で、活版印刷だったと思います。日本語メニューは14ポイントほどで、フランス語も12ポイントはありました。こんな大きな文字が読めないのか。当時20代の私はショックを受けた記憶があります。

今は当時の父より年上です。幸い、今のところ、12ポイントの文字は普通に読めます。

母が50歳を手前に死んだとき、枕頭には、死の直前まで読んでいたらしい、網野善彦『日本社会の歴史』(岩波新書)の上巻があり、栞代わりに赤を貴重にした母好みの民藝風の老眼鏡が置かれていました。本の三分の一ほどで、桓武帝が登場したあたりでした。

母は網野史学に大いに影響を受けた隆慶一郎の弟子でした。私が網野史学について言及した論文も、どこかで読んでいたようでした。

今日見た夢に、久しぶりに亡母が出てきて、何か話を交わした気がするのですが、残念ながら覚えていません。あの老眼鏡どこに売っているのかとか、そんな話かな。

ん? れんちゃん、老眼鏡といえば、この絵本?


どうぶつみんなに愛される王さまのおじいさんライオンが、目が見えにくくなって、困ってしまうお話だったね。悪いトラの大臣が王の座を狙っているよ。



お父さんが読んだのは、この本だったかな?
ん? でも1977年刊行か。




たぶん、こっちだね。新潟の従姉のおーちゃんのお下がりだったんだ。

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