新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

ウミガメの浜にて

2022年08月05日 | 習作
文学少女の三題噺、最近の新作です。

文学少女「kuromacくん、今日のお題は『ウミガメ』『墓』『素数』よ!」



「ウミガメは29.5℃より高いとメス、低いとオスが生まれます。今は温暖化でメスばかり増え、絶滅の危機です」
乙姫様の祠を掃除しながら、私は記者に答えた。
「その話ヨソも書いてるんだよね。素数ゼミみたいに素数ウミガメがいるとか何か面白い話ないの?」
あるものか!これだからブンヤは!



浦島伝説の伝わるウミガメの浜で、地元のボランティアのウミガメ保護活動家のところに、新聞記者が訪ねてきたというシチュエーションですね。

地球温暖化による気温の上昇に伴い、卵の孵化する温度で性別が決まる生物ではメスの比率が高まっているとのことです。なかでもオーストラリアに生息するアオウミガメの幼体では、メスが99パーセント以上を占めているといわれます。

「素数ゼミがいるなら素数ウミガメも」は思いつきのデタラメですが、「そうじゃなくて、私はこういう記事を書きたいので、こういう話をしてください」と人の話にダメ出しする記者は過去に二人いました。一部の新聞記者の非常識、非見識、非礼には呆れることも少なくありませんでした。

それはともかく、児童書編集者時代の心の残りは、ウミガメ図鑑が企画倒れに終わったことです。






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