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経営法務(取締役会 part2)

今回も取締役会について学習します。

【取締役会とは】
取締役会は商法において規定された、株式会社に常設される業務意思決定機関です。
また取締役の全員をもって構成され、取締役の業務執行も監督します。
開催にあたっては、原則として各取締役に招集権が認められますが、定款や取締役の決議により一定の取締役を招集権者とすることもできます
監査役も一定の条件を満たせば招集権が認められます。
招集通知は開日の一週間前に全取締役、監査役に対してなされ、株主総会と違い議題の記載は不要です。

【取締役会の決議】
過半数が出席し、出席取締役の過半数をもって決議されます。
各取締役は1人1議決権を持ちますが、議決権を第三者に履行させることはできません
なお取締役の決議事項については下記のとおりですが余力のある方は覚えてください。
(一般的な法定決議事項)
・重要なる財産の処分及び譲受(商法260条2項1号)
・多額の借財(商法260条2項2号)
・支配人その他の重要なる使用人の選任及び解任(商法260条2項3号)
・支店その他の重要なる組織の設置、変更及び廃止(商法260条2項4号)
(具体的な法定決議事項)
・株主総会の招集(商法231条)
・代表取締役の選任及び共同代表の定め(商法261条1項)
・取締役による競業取引および利益相反取引の承認ならびに介入権の行使(商法264条、265条)
・新株発行とその内容の決定(商法280条ノ2)
・社債発行の決定(商法296条)
・株式分割(商法218条)
・準備金の資本組入れ(商法293条ノ3)   など

【取締役会の形骸化】
取締役会は小規模会社も大規模会社も形骸化が激しいといわれています。
小規模会社においては代表取締役(社長)が経営を独占し、他の取締役は家族親戚等から名目的に選ばれたのみで監督責任等全く機能していません。
また大規模会社では取締役会が大きくなりすぎ、機動的な意思決定ができないといわれています。
これらの形骸化に対応するため、【執行役員制度】や【重要財産委員会】が設けられました。

【執行役員制度】
従来、取締役会が果たしてきた役割を、戦略上の意思決定を行う取締役と個別事業・管理機能を担う執行役員に分離する制度です。
これにより機動性と柔軟性が高まります。なお、執行役員は商法上の取締役とは異なります。またここでいう執行役員は前述の委員会等設置会社の執行役とは異なります。
なお平成13年の商法改正により、会社は社外取締役の責任を特に軽減できるようになりました

【重要財産委員会】
監査特例法上の大会社またはみなし会社で取締役の人数が10人以上かつ1人以上が社外取締役の株式会社における取締役会の決議に基づいて、取締役会から委任された事項の決定を行う取締役会の内部機関のことです。
平成14年の商法改正により設置が認められました。
重要財産委員会は1人以上の社外取締役を含む3人以上の取締役で構成され、、重要財産の処分・譲受、および多額の借財の決定権限について取締役会の委任を受けて決定します。


次回は代表取締役です。


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