びぼーろぐ

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荒子観音 円空仏

2011-11-12 | お出かけ
僧坊にて、ひと月に一度公開される荒子観音所蔵の円空仏を拝観しました。
当寺には大小合わせ1240体余りの円空仏が残されています。
愛染明王を始め、完成度の高い20体ほどと、木端から作られたという無数の仏。
どれも荒削りのようでいて、作為的であり、力強さと温かみのある仏像たちでした。





遊行の僧であった円空は、全国を巡る中で目にする苦悩に満ちた人々を救いたいという一心で、木像を彫ったとのこと。ひたすらに掘り続けることこそが行であったらしい。(「造仏作善」)円空仏の微笑みは、災害や病に苦しむ人々にとって確かに一筋の光を与えただろうと思います。

木端の会制作の円空仏をいただいてきました。


木彫り体験 マイ円空仏公開です。

君たちはどう生きるか

2011-11-12 | レビュー
吉野源三郎 岩波文庫


1937年 日本少国民文庫の一巻として出版される。
この年には盧溝橋事件があり、軍部が台頭し、日本はまさに軍国主義へ一直線という時代である。
このような時代にあっても、偏狭な国粋主義や反動的な思想を越えた、自由で豊かな文化があることを伝えたいという思いと、未来を担う子どもたちの中に、人類の進歩についての信念を養い、ヒューマニズムの精神を守るという使命感から山本有三らの呼びかけで、編纂されたものである。

15歳の男子中学生コぺル君が、成長の過程でぶつかるさまざまな社会的矛盾や悩み事に、伯父さんが書簡を通じて応え、心の成長を助ける。

友情・英雄的精神・勇気・立派であることなど、思春期の若者に、いかに生きるべきかをわかりやすく指し示す良書である。哲学や宗教の難解な言葉で煙にまかれることもなく、伯父さんの言葉の数々は、読む者の胸にストンと落ちる。
地中の深いところからでも、ひたすら太陽を目指す水仙の芽のごとく、伸びてゆかずにいられないのが子どもたちなのだろうと思う。