
緑の魔法にかかちゃいました

いや~よくできたお話でした。
OZ歴長い私としましては、良い魔女、悪い魔女はじめ、おもなキャラクターの誕生秘話がぜーんぶわかって、積年の謎が解けた気がして、すっきりしました。
子ども向けのお話では、登場の仕方が唐突で「なんでやねん?」てこと多いですが、このWICKEDですべて解決です。
ありがとうWICKED!
エルファバの悲しみやグリンダとの友情、恋、そして使命感など様々なテーマが語られるなかで、ひとつ、ちょっとうがった見方になるかもしれないけど、これはもしや、アメリカ合衆国のの建国に絡む、アメリカの神話なのではということ。当のOZ大王も「信じれば歴史になる」って言ってたし。OZは、イギリスからの独立を、マンチキン国の不自由な妹ネッサローザを押しつぶすことで語り、善と悪の象徴を配置することによって国を治める。さらにできたての新興国に、ドロシーを使って、勇気・知性・情熱を取り込む必要があったのでは。エルファバはその賢さゆえにOZ国のスケープゴートにされ、プリミティブなものと一緒に無きものにされてしまう。これこそが近代化・アメリカ式合理化であり、近世の魔女迫害と酷似している。
おバカなキラキラグリンダに賢さが加わり、アメリカ合衆国の未来は輝かしく・・・今やアメリカも年をとり、かつてのネッサローザのように思い足枷をはめられているのだけど。