予備知識全然無く、タイトルに惹かれて読んでみました。
92歳でお亡くなりになられたお父様や、ご家族、祖父母の事、取り壊す事になった実家等のエッセイ集です。
彼女の実家が岡山県の倉敷なので、倉敷に関した内容が多く、以前より行ってみたいと思っている場所だけに興味深く参考になりました。
倉敷の美観地区で有名なお店「旅館くらしき」についての歴史や、わずかに残っている貴重な書の写しなども紹介されていました。
私が印象に残ったお話はタイトル作の「父のビスコ」
晩年3年間介護施設で暮らしていた父に、たまに目新しい物をと差し入れしたところ、父はそれほど喜んでいない様子で「ここの生活には目新しいものはないほうがいいと思っている」と言った。お気に入りの小さめの羊羹とか普段のいつも決まった同じ食材を取る方が落ち着く様子だった。
というところを読んで、先日読んだ「イン・マイ・ライフ」 70代の吉本由美さんも、同じ様な事を奇しくも書かれていたのです。
お父様が最後に食べたがって少し食べられたのがビスコだったそうな。
「民芸ととんかつ」
洋子さんが実家に30代の頃、子連れで行った際、東京に大学に通う為に実家を離れる前には無かった新しい器が増えていたことに気がつく。その後も、とっておきの食事の際に母はそれを使う事が多かった。
その器を何時どこで買ったのか?を数十年ぶりに聞いてみたら、母は娘が受験だ引っ越しだなんだで慌ただしく家を出て行った後、ほっとしつつ、ぽっかり胸に穴が開いた様な状態になって、お茶を習いはじめたり、知り合いに連れられて酒津焼を見に行ったりして、そこで知人の息子さんが焼いているという器が気に入って(1皿当時2000円と高価だったが)数枚買ってしまったとのこと。
ここのお母様は、「ようこ子さん」と娘をさん付けで呼んでいるんですね。
その他、大原美術館や、クラボウ、クラレの大原財閥、大原總一郎さんらが倉敷にもたらした功績は凄いものがあるということ、倉敷市真備地区2018年豪雨による水害被害についてもリアルな状況が書かれていました。トータル3つ★~3つ★半
ちなみに本の表紙のイラストがとても印象に残ったので、ちょっと調べてみました。
堀江栞さんという若い女性の作品で、彼女は絵画を本格的に学ぼうとした矢先、有機溶剤のアレルギーがあることが判明。以後、岩絵具と顔料、和紙と膠で作品を生み出し続けているそうです。
父のビスコ 2021/10/26 平松洋子
・・・・・・
イン・マイ・ライフ 2021/7/14 吉本由美
18歳で始めた東京暮らし。初めて就職した『スクリーン』編集部での映画三昧の毎日。
大橋歩さんのアシスタントを経て、70~80's『アンアン』『オリーブ』『クロワッサン』の草創期を駆け抜けた半生と、熊本ではじめた62歳からの仕事と暮らし。
華やでお洒落な第一線でご活躍されていた方の故郷に戻られて一人暮らしされている現在。
フリーランスの方の老後についてのお話、物凄く稼いでいらっしゃったと思うのですが、こういうお仕事されていると、住むお家も素敵なお家で、当然家賃が高額だったそうです。
60を過ぎて、これからのお金や仕事に不安が出て来て、不安から体に不調が起こる様になり、実家に戻ることを決意。
現在は、なんと熊本の実家をリバースモゲージにして、シンプルに暮らしているとのこと・・・。
このところ、自ら選んでこういった老後等についての本を読んでいるわけではなく、だいぶ前にリクエストしていた本が次々回って来て、たまたまなのですが
偶然、このところ自分の老後の資金とか将来を考えている処だったので、色々と考えさせられたのでした。
92歳でお亡くなりになられたお父様や、ご家族、祖父母の事、取り壊す事になった実家等のエッセイ集です。
彼女の実家が岡山県の倉敷なので、倉敷に関した内容が多く、以前より行ってみたいと思っている場所だけに興味深く参考になりました。
倉敷の美観地区で有名なお店「旅館くらしき」についての歴史や、わずかに残っている貴重な書の写しなども紹介されていました。
私が印象に残ったお話はタイトル作の「父のビスコ」
晩年3年間介護施設で暮らしていた父に、たまに目新しい物をと差し入れしたところ、父はそれほど喜んでいない様子で「ここの生活には目新しいものはないほうがいいと思っている」と言った。お気に入りの小さめの羊羹とか普段のいつも決まった同じ食材を取る方が落ち着く様子だった。
というところを読んで、先日読んだ「イン・マイ・ライフ」 70代の吉本由美さんも、同じ様な事を奇しくも書かれていたのです。
お父様が最後に食べたがって少し食べられたのがビスコだったそうな。
「民芸ととんかつ」
洋子さんが実家に30代の頃、子連れで行った際、東京に大学に通う為に実家を離れる前には無かった新しい器が増えていたことに気がつく。その後も、とっておきの食事の際に母はそれを使う事が多かった。
その器を何時どこで買ったのか?を数十年ぶりに聞いてみたら、母は娘が受験だ引っ越しだなんだで慌ただしく家を出て行った後、ほっとしつつ、ぽっかり胸に穴が開いた様な状態になって、お茶を習いはじめたり、知り合いに連れられて酒津焼を見に行ったりして、そこで知人の息子さんが焼いているという器が気に入って(1皿当時2000円と高価だったが)数枚買ってしまったとのこと。
ここのお母様は、「ようこ子さん」と娘をさん付けで呼んでいるんですね。
その他、大原美術館や、クラボウ、クラレの大原財閥、大原總一郎さんらが倉敷にもたらした功績は凄いものがあるということ、倉敷市真備地区2018年豪雨による水害被害についてもリアルな状況が書かれていました。トータル3つ★~3つ★半
ちなみに本の表紙のイラストがとても印象に残ったので、ちょっと調べてみました。
堀江栞さんという若い女性の作品で、彼女は絵画を本格的に学ぼうとした矢先、有機溶剤のアレルギーがあることが判明。以後、岩絵具と顔料、和紙と膠で作品を生み出し続けているそうです。
父のビスコ 2021/10/26 平松洋子
・・・・・・
イン・マイ・ライフ 2021/7/14 吉本由美
18歳で始めた東京暮らし。初めて就職した『スクリーン』編集部での映画三昧の毎日。
大橋歩さんのアシスタントを経て、70~80's『アンアン』『オリーブ』『クロワッサン』の草創期を駆け抜けた半生と、熊本ではじめた62歳からの仕事と暮らし。
華やでお洒落な第一線でご活躍されていた方の故郷に戻られて一人暮らしされている現在。
フリーランスの方の老後についてのお話、物凄く稼いでいらっしゃったと思うのですが、こういうお仕事されていると、住むお家も素敵なお家で、当然家賃が高額だったそうです。
60を過ぎて、これからのお金や仕事に不安が出て来て、不安から体に不調が起こる様になり、実家に戻ることを決意。
現在は、なんと熊本の実家をリバースモゲージにして、シンプルに暮らしているとのこと・・・。
このところ、自ら選んでこういった老後等についての本を読んでいるわけではなく、だいぶ前にリクエストしていた本が次々回って来て、たまたまなのですが
偶然、このところ自分の老後の資金とか将来を考えている処だったので、色々と考えさせられたのでした。
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