「遠くの声に耳を澄ませて」 宮下奈都 まあまあかな・・・＾＾

コイノカオリの「日をつなぐ」が凄く良くて、次に「スコーレNo.4」を読み、宮下奈都さんという人をほぼ好き確定！
で、今年の３月に発売になった「遠くの声に耳を澄ませて」を手に取りました。図書館の順番待ち中、「王様のブランチ」で松田さんがお薦めしているのを見て、なおさら期待度が増しちゃいました。

この本、雑誌『旅』という本に掲載されていた短編をまとめて一冊の本にしたそうです。どうりで旅があちこちに出て来る訳なんだな～。

で、読んだ感想は？というと、う～ん、なかなか良かったんだけれど、それぞれ短いお話なので、それほどガツンと来ず・・・。絶賛されるほどには感動とかは無かったかも・・・。　
この本にも登場しますが、ミルクティーなど片手にほっと一息つきながらのんびり読む・・・って感じの本です。日をつなぐと、スコーレ～が、私的に４つ☆半～５つ☆という特にお気に入りだったせいか、この「遠くの声に耳を澄ませて」は面白くないって訳では無いんだけれど、前の２作品と比べると３つ☆くらいかな。
でも、宮下さんの次回作も楽しみにしています

「アンデスの声」「転がる小石」「どこにでも猫がいる」「秋の転校生」「うなぎを追いかけた男」「部屋から始まった」「初めての雪」「足の速いおじさん」「クックブックの五日間」「ミルクティー」「白い足袋」「夕焼けの犬」

この中で好きだったり印象に残ったお話は、「アンデスの声」かな。全く海外に行くこともなく祖父母が、南米のとあるラジオ局の放送を楽しみに聞いていて、そこで聞いてるよ、ってはがきを出すともらえるベリカードを大切に集めていた・・っていうエピソードが、凄く良いなと思いました。こういう自分が旅に出るわけじゃないけれど、遠い場所に思いをはせる・・・みたいなお話、いいですね

この小説で、はっ！とした文章は、「コーヒーは、これからのための飲み物、紅茶は振り返るための飲み物」って処かな。
宮下さんが福井出身ということで、もしかしたら、福井の田舎の町をイメージして書かれたお話もあるのかな・・・？って思いました。

内容（「BOOK」データベースより）(2009/03)
くすんでいた毎日が、少し色づいて回りはじめる。錆びついた缶の中に、おじいちゃんの宝物を見つけた。幼馴染の結婚式の日、泥だらけの道を走った。大好きな、ただひとりの人と、別れた。ただ、それだけのことなのに。看護婦、OL、大学生、母親。普通の人たちがひっそりと語りだす、ささやかだけど特別な物語。

宮下奈都　1967(昭和42)年、福井県生まれ
「スコーレNO.4」ネタバレ感想