リートリンの覚書

日本書紀 巻第三十 高天原廣野姫天皇 四十三 ・百姓に黄色の衣、奴に皁衣を着させる ・80歳以上の者に布を与える



日本書紀 巻第三十
高天原廣野姫天皇 四十三

・百姓に黄色の衣、奴に皁衣を着させる
・80歳以上の者に布を与える



七年春正月二日、
淨廣壹を皇子高市に授けました。
淨廣貳を皇子長と皇子弓削に授けました。

この日、
詔して、
天下の百姓に、黃色の衣を、
奴には、皁衣(くりぞめのきぬ)を
きさせました。

七日、
公卿、大夫等を饗(もてな)しました。

十三日、
京師(みやこ)、及び畿內で位があり、
年が八十以上に、

人ごとに、
衾(ふすま)・一領、
絁(ふとぎぬ)・二匹、
綿・二屯、
布・四端を賜りました。

十五日、
正廣參を
百濟王の善光(ぜんこう)に贈りました。
あわせて賻物(ふもつ)を賜りました。

十六日、
京師(みやこ)の男女で年が八十以上、
及び困乏(こんぼう)している、
窮者(きゅうしゃ)に、

布を賜りましたが、
各々差がありました。

船瀬(ふなせ)の沙門の
法鏡(ほうきょう)に、
水田・三町を賜りました。

この日、
漢人等が蹈歌(とうか)を奏じました。



・皁衣(くりぞめのきぬ
橡(とち)や栗などタンニンを含んだ,いちばん手に入りやすい灌木の樹皮などで染めた焦茶色の衣と思われる
・賻物(ふもつ)
古代において,位を有する者が死亡した際に支給される葬祭料
・困乏(こんぼう)
金銭や物資に乏しくて困ること。貧乏に苦しむこと。 まずしいこと。 窮乏
・窮者(きゅうしゃ)
生活に困窮している人。貧乏人。窮者。窮民
・船瀬(ふなせ)
船舶が波風を避けるために寄航するところ
・蹈歌(とうか)
中国から伝来した上代歌舞の一つ



(感想)

持統天皇7年春1月2日、
淨広壱を高市皇子に授けました。
淨広弍を長皇子と弓削皇子に授けました。

この日、
詔して、
天下の百姓に、黄色の衣を、
奴には、黒衣をきさせました。

・庶民の黄色衣は、黄色の染料で染めたというよりは、その繊維素材が麻であったため、真っ白にさらさない状態を意味していると思われます

7日、
公卿、大夫たちを饗応しました。

13日、
京師(みやこ)、および畿内で位があり、
年が80歳以上の者に、

人ごとに、
衾・1領、
絁・2匹、
綿・2屯、
布・4端を与えました。

15日、
正広参を百済王の善光に贈りました。
あわせて賻物を与えました。

16日、
京師(みやこ)の男女で、年が80歳以上、

および、
貧乏に苦しみ、
生活に困窮している者に、

布を与えましたが、
各々差がありました。

船瀬の僧の法鏡に、
水田・3町を与えました。

この日、
漢人たちが踏歌を演奏しました。

明日に続きます。

読んでいただき
ありがとうございました。





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