リートリンの覚書

日本書紀 巻第三十 高天原廣野姫天皇 四十四 ・新羅王の訃報 ・日蝕 ・桑、紵、梨、栗、蕪菁の推奨



日本書紀 巻第三十
高天原廣野姫天皇 四十四

・新羅王の訃報
・日蝕
・桑、紵、梨、栗、蕪菁の推奨



二月三日、
新羅が、沙飡(ささん)の
金江南(きんこうなん)、

韓奈麻(かんなま)の
金陽元(きんようがん)等を遣わして、

來て赴き、
王の喪をしらせました。

十日、
造京司(ぞうきょうし)の
衣縫王(きぬぬいのおおきみ)等に、
詔して、

掘った尸(かばね)を収めさせました。

三十日、
流れて来た新羅人の
牟自毛礼(むじもれ)等・三十七人を、
憶徳(よくとく)等に付けて賜りました。

三月一日、
日蝕がありました。

五日、
大學博士の勤廣貳の
上村主百済(うえのすぐりくだら)に、
食封・三十戸を賜りました。

儒道(じゅどう)に優れていたからです。

六日、
吉野宮に幸しました。

十一日、
直大貳の
葛原朝臣大嶋
(ふじわらのあそみおおしま)に
賻物を賜りました。

十三日、
天皇は、吉野宮からもどりました。

十六日、
遣新羅使(けんしらぎし)に
擬(なぞら)えた、

直廣肆の息長真人老
(おきながのまひとおゆ)、

勤大貳の大伴宿禰子君
(おおとものすくねこきみ)等、

及び學問僧の弁通(べんつう)、
神叡(じんえい)等に、

絁(ふとぎぬ)、綿、布を賜りましたが、
各々差がありました。

また、
新羅王に賻物(ふもつ)を賜りました。

十七日、
詔して、天下に、
桑、紵(いちび)、
梨、栗、蕪菁(かぶら)等の
草木を勧め、殖えさせ、
五穀を助けました。



・沙飡(ささん)
新羅の官位のひとつ
・韓奈麻(かんなま)
新羅の官位のひとつ
・造京司(ぞうきょうし)
市街の整地,町割,道路造成などを行う、臨時の官司
・尸(かばね)
死んだ人の体。死体。亡骸
・憶徳(よくとく)
=朴憶徳
・儒道(じゅどう)
儒教の道。孔子、孟子の教え
・賻物(ふもつ)
古代において,位を有する者が死亡した際に支給される葬祭料
・遣新羅使(けんしらぎし)
日本古代の朝廷が新羅に派遣した使節
・紵(いちび)
アサの一種。 また、いちびの繊維で織った布。あさぬの



(感想)

(持統天皇7年)

2月3日、
新羅が、
沙飡の金江南、
韓奈麻の金陽元らを派遣して、

来日し、
王の喪をしらせました。

10日、
造京司の衣縫王らに、
詔して、
掘り出した死体を収めさせました。

30日、
漂流して来た新羅人の牟自毛礼ら37人を、
朴憶徳らに授け与えました。

3月1日、
日蝕がありました。

5日、
大学博士の勤広弍の上村主百済に、
食封・30戸を与えました。
儒教の道に優れていたからです。

6日、
吉野宮に行幸しました。

11日、
直大弍の葛原朝臣大嶋に賻物を与えました。

13日、
天皇は、吉野宮からもどりました。

16日、
遣新羅使に擬えた、
直広肆の息長真人老、
勤大貳の大伴宿禰子君たち、
および学問僧の弁通、神叡たちに、

絁、綿、布を与えましたが、
各々差がありました。

また、新羅王に賻物を与えました。

17日、
詔して、
天下に、
桑、紵、梨、栗、蕪菁などの草木を
植えるよう勧めました。
五穀の助けとしたのです。

明日に続きます。

読んでいただき
ありがとうございました。





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