日本の神々と大麻
祭祀具として広く使われている大麻は、
神道とは切っても切れない関係にあります。
大麻は、
水でも塩でも祓えない穢れを
祓う力を持つと信じられています。
伊勢神宮で頒布されている
お神札(しんさつ)のことを
「神宮大麻」といいます。
神社で使用されるお神札の中で、
最も厳重なお祓いを行い、
授けられるものを、
特に「大麻」と呼びます。
ちなみに、
この神宮大麻には、
実際に大麻の繊維が入っていました。
大麻の光輝く繊維は、
天照大神の御印ともされています。
この神宮大麻の「大麻」は
もともと「おおぬさ」と読み、
神々への捧ものとして、
あるいはお祓いの際に用いられました。
素材はかつては
木綿(ゆう)や麻などが使われていました。
現在は、
「神宮大麻」(神札)の中心となる
「御真」に使われているのはスギ材です。
伐採されたスギ材は製材され、
約半年間ヤニを取り乾燥させた後、
長さ20cm、厚さ1㎜、幅1cmの
木地に加工し、
和紙を巻き付けて仕上げます。
神宮大麻は、
その材料から奉製に至るまで
一貫して神宮の中で取り扱いがされています。
材料は、神宮の山から伐り出し、
奉製するのは、専門の方です。
各地の神社にとどくまでの間には、
節目ごとに神宮の神職による
お祓いが行われています。
神宮大麻
出典:Wikipedia
ところで、
日本の神社は、
本来こんもりとした森の中に、
ひっそり鎮座していました。
神社のことを「社(やしろ)」
といいますが、
これは「杜(もり)」から来たといわれ、
神社は「神の杜」ともいえます。
古来日本人は、
木や森、山そのものに
神が降りると信じていました。
その自然崇拝の心を
今もそのまま継承しています。
もともと日本人の神は、
一神教に多く見られる実態を持つ神ではなく、
目に見えないものでした。
「御神体」といわれるものがありますが、
それは紙そのものではなく、
神が乗り移るための単なるモノです。
つまり、
「御霊代(みたましろ)」であり
「依代(よりしろ)」です。
神様ではないけれど、
神様と接する神聖なものである
「依代」の一つが
「大麻(おおぬさ)」でした。
大麻は「依代」として神社で使用され、
同時に日本人が精神的に
頼りにするものだったのです。
神社の成り立ち、日本の神様のお役目、
そして儀式に使うさまざまなものには
古い言い伝えがあり、
地方によっても違います。
でも、
その中で「大麻」が
共通して重要な素材に使われています。
出典:神宮HP
感想
大麻と杉どちらが
神の依代として相応しい植物なのでしょうか?
杉はというと、
日本書紀では、
「杉と樟は、船を造るのによい」
と素戔嗚尊が言っています。
上記の素戔嗚尊のお話はこちら
長い間、
大麻が使われていたということは
より相応しい植物は
大麻なのではないでしょうか。
江戸時代末期には全世帯の9割が
神宮大麻をお祀りしていたといわれています。
現在、
都道府県神社庁を経由して各神社を通し、
今日約900万世帯に配布されています。
第一生命の行ったアンケートでは
次のような結果が出ています。
20~39歳 | 40~54歳 | 55~69歳 | 70~84歳 | |
神棚がある | 19.5 | 25.3 | 32.0 | 39.1 |
仏壇・神棚に 手を合わせている | 39.6 | 44.1 | 55.7 | 70.4 |
2009年の神棚保有率は
37.0%が
2012年には29.8%とは。
いや~、この結果にはびっくりです。
自分の実家や親戚の家には
必ず神棚がありました。
ですから神棚があるのが
普通だと思っていました。
しかし、
相方の家には神棚が無いので、
おいおいと思っていたのですが…
自分の家や親戚のほうが
少数派だったのですね。
現在、
自分の家には神棚があります。
しかし、毎日拝礼しているのは自分だけ。
家族はたまにしか拝礼しません。
出典:神宮HP
ちなみに違う調査では
毎日拝礼する人は11.2%でした。
確実に神道は衰退していますね😔
先人の積み重ねてきた道。
神の元へと行く道。
このままでよいのでしょうか?
本日は、
「大麻ヒステリー 思考停止になる日本人」
武田邦彦先生の本と
「麁服(あらたえ)と繪服(にぎたえ)
天皇即位の秘儀 践祚大嘗祭と二つの布」
(著)中谷 比佐子・安間 信裕
監修 門家 茂樹と
ウィキペディアを参考に
記事を書かせていただきました。
武田先生の著書は
初めて読ませていただきました。
専門書は
素人には読みづらいところが多いのですが、
武田先生の文章は、
丁寧で説明も分かり易く
大変参考になりました。
正直な人柄が文章から伝わってきます😌
別な著書も読んでみたいと思いましたよ。
長生きして沢山、
本を書いていただきたい。
武田先生の本、オススメです。
最後まで読んで頂き
ありがとうございました。