のぶのぶの音楽雑記

演奏会のお知らせだけでなく、色々なことを書いていこうと思います。

本年も大変お世話になりました。

2024-12-31 21:15:19 | 日記
2024年も残りわずかとなりました。
直接お会いした方も、ネット上だけの方も1年間ありがとうございました。

来年はすでにいくつか演奏会が決まっており(情報解禁次第お知らせいたします)、ソロにも力を入れたいと思っております。

さて、私はバッハ以前の音楽(チェンバロ、クラヴィコード、オルガンのための音楽)をモダンピアノで演奏する、という活動をしています。ありがたいことにブクステフーデ、パッヘルベル、ラインケンのCDを出させていただくなど細々ながらも活動出来ていること、本当にありがたく思っています。

昔から「人前で何かをする」というのがあまり好きではない自分ですが、ブクステフーデを中心にモダンピアノでのプレ・バッハを聴いてもらいたいという一心で続けてきました。
先日、ふと立ち止まって色々考えてみました。ここ数年、古楽器の奏者の方にも聴いてもらいたい、と考えていたように思います。しかし、元々は「ピアノ弾き」に聴いてもらいたいというところがスタートでした。

なぜピアノ科の一番古い作曲家はバッハなのか?というのが音大に入った時一番感じたことです。入試課題にはどの学校も平均律。しかしその根拠が分からなかったものです。バッハはたしかに様々なスタイルで作曲しました。イタリア(風)、フランス(風)、イギリス(風)...だからといってバッハを弾けば全てを掴めるわけではありません。バッハ以前を弾こうとした時、周りからは「いや、その時ピアノは無かったから」と言われました。いやいや...バッハもじゃろがい。もっと言えばその理屈ならショパンだって今のピアノじゃダメじゃろ。偏屈かもしれませんが、私にとってそれは納得のいく理由ではありませんでした。

私に居場所を最初に与えてくれたのはResonanCe(レゾナンス)でした。ご存知ない方がほとんどでしょうけれども(笑)ピアノ×ソプラノ×ピアノという変なグループです。YouTubeぜひ見てね。ResonanCeは最初、古い音楽と新しい音楽でコンサートをやりたい、と私のワガママを叶えてくれたグループです。私が勝手に恩を感じているグループであり、なんだかんだもうすぐ結成7年になります。このグループが無ければ今のソロ活動は無かったでしょう。よほどのことがない限り、私は他のグループに加入したり結成することは無いです。まぁ逆に言えば、何か組んだらよほど心が動くことがあったってことで(笑)巡り巡ってレゾのおかげでCDを出すことも出来ました。レゾには感謝でいっぱいです。

本当に弾きたい曲を弾いてきているんですよね。しかし、ピアノで演奏できるかどうかは吟味しています。やはりモダンピアノとの相性と言いますか、その曲のポテンシャルを最大限に発揮出来るのはオリジナル楽器だけでは?と感じるものも少なからずあります。また、自分の演奏の軸となる「ゲマトリア」が反映されるかどうかも曲を選ぶポイントとなっています。聴いた方がこれらの中でどこかに共感してもらえれば、それ以上嬉しいことはないですね。ぜひ一度はその耳で体感してください!とは思うけれども、全ての人に受け入れられるとは毛頭思っていません。ただ「お、ブクステフーデ良いじゃん」だったり「バッハより前の曲もピアノで弾けるんだ」だったり「え、ゲマトリアってなに?」と思ってくれる人が少しでも増えてくれたらありがたいです。

ちょっと長くなりました。なぜピアノの一番古い作曲家はバッハなのか?という疑問を持った初心に帰って活動していきたいと思います。同時に生徒さん達と一緒により音楽を深めていけるよう、音楽活動とレッスンをもう一度見直して2025年を歩めればと思います。
どうぞ良いお年をお迎えください。
また来年もよろしくお願いいたします。
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実家のピアノ発表会

2024-12-09 14:17:31 | 日記





毎年恒例、実家のピアノ教室の発表会。
今年はいつもと違う会場でした。フルコンのスタインウェイに500人も入る大きなホール。実家の教室の生徒さんの中にはこのピアノに触れるのを楽しみにしていた子もいたそう。そりゃたしかに、フルコンどころか家にピアノがあること自体普通ではないのですよね。

私が東京で教えている生徒さんも3人、わざわざ郡山まで来て出演してくださいました。ありがたいです。3人は先月開催した私の発表会にも出てくださったのですが、3人ともその時よりずっと素晴らしい演奏をしてくださいました。長い移動などで疲れもあったことと思いますが、そんなことを感じさせない演奏でした。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第28番の1.2楽章
ショパン:ノクターンOp.55-1
リスト:伝説2番

レッスンでは少し口うるさかったかもしれません。しかし、皆さん喰らいついてくださいます。そのような方にレッスンをさせていただけるというのは本当に幸せなことなのだと思います。

1人の作曲家を深めるのは本当に大変ですね。その人の数十年を数時間本を読んだり曲を見ても何にもなりません。今日、「分析」というものは曲の形式や和声について費やされているように思います。しかしそれは単なる「譜読み」にすぎません。つまり「分析」というものがあまりにも浅く空虚なものになっているように感じるのです。

レッスンをするにあたり、上記の曲の譜読みをしていくとそれぞれに大変な問題が浮かび上がりました。ベートーヴェンもショパンも晩年と言われる年代に差し掛かっていますし、リストは宗教的な面が強くなりつつある時代です。しかしその思想や哲学、宗教観を知るだけではやはり音楽にはなりません。ではどうやって音楽としていくのか。そこが問題でレッスンで伝えていくところだと思っています。譜読みや分析は教えるための根拠なので、わざわざそれを説くことはしませんが、質問などがあればお話します。

しかし、結局のところそれを超えた響きを目指してほしいのですよね。もちろんそれはとてもとても難しいことなのですけれど。意見が合わないことや反論なんかはもちろんあって構いませんし当然のことと思っています。それならもちろんその方向で一緒に考えます。

演奏なんてものはものすごく時間をかけて練習したものがあっという間に終わってしまうものですが、好きで弾いている方には演奏者本人も心に残る演奏が出来るようにしてあげたいなといつも思っています。もちろんその過程もたのしんでもらいたいですが、やはり人前で弾くことの感覚というのは新鮮であってもらいたいです。慣れは良いですが、それが麻痺にならないように。

発表会を終えると「先生のおかげで…」という流れがありますが、それは何より本人が頑張ったからそのような結果が生まれたのだといつも思います。
ピアノはその鍵盤を押せばその音が出ますよね。なので楽譜が読めるようになり、ある程度の理論なんかが分かれば独学でも出来るものなのだと思います。ですので私は、独学では到達出来ない演奏が出来るようにしてあげられなければいけません。やり甲斐はありますが、同時に責任を改めて感じた発表会になりました。その人にとって何が楽しみで幸せに繋がるか、これからもしっかり考えて生徒さんたちに接していきたいです。
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