先日実家に帰省した時、2年前初めてソロリサイタルをした時の音源が出てきました(笑)実は一度も聴いたことなかったんですよね。福島県の二本松でのコンサートでした。ここは子供の頃から発表会でずっと出ているホールで思い入れがありましたので、初めてのコンサートはここ、と決めていました。
テーマは「バッハへの道 そして バッハからの道」でした。前半はバッハへ影響を与えた作曲家、後半はバッハの影響を受けた作曲家でまとめました。
その時のプログラムは
ヴィヴァルディ=大内編曲:2本のヴァイオリンのための協奏曲
バッハ=ストラダル編曲:オルガンソナタ
パッヘルベル:シャコンヌ ヘ短調
ブクステフーデ:シャコンヌ ホ短調
モーツァルト:幻想曲 ニ短調
シューベルト:即興曲 D899-3
ベートーヴェン:ピアノソナタ第32番
という、まぁまぁ重めなプログラムでした。
前半については今も弾いてる曲がいますね。
まぁ、今まで聴かなかったというのは聴かなかったなりの理由があるわけですよね(笑)
ヴィヴァルディなんかは今と全然違う弾き方で、まるで私ではないような演奏です。(レゾのメンバーに聴かせたい笑)
何度も弾いているパッヘルベルのシャコンヌすら緊張している😂
初めて約1時間半独りで弾くんですから、そりゃ緊張もしますよ(笑)加えてコンクールも出たことない、仲間と何かやることもほとんどないときた。ずっと緊張してた気がするんですよねぇ(笑)
さて、取り上げた曲は全て大切にしてきたし、もちろん何よりも「好き」な曲たちです。中でもパッヘルベルやブクステフーデは自分の軸となる作曲家です。一般的にはマイナーな作曲家かもしれませんが、だからこそ地元では弾きたかったりするもんです。
中でも思い入れ具合が一番強いのはベートーヴェンでした。ベートーヴェンの32番は…衝撃的な出会い!とか何かがあったわけでもないのに思い入れが強いという謎(笑)大学の卒業試験でも弾きました。初めて聴いたのは小学生の頃でしたでしょうか。ミケランジェリのBBC音源でした。その頃の私は「どうやら悲愴、月光、熱情以外にも最後の3つも3大ソナタと呼ばれるらしい。そしてそれらはとても難しいらしい。」くらいのことしか知りませんでした(笑)ただ、この録音で一聴惚れしてしまったんですよね。
ようやく弾くことが出来たのは大学4年でした。その時は色々な資料を読んだり沢山の演奏を聴きましたねぇ。大学の図書館にあったCDは全部借りました。今でもウォークマンに68種類の32番が入ってます。良い演奏はいっぱいありましたが、あー!これ!ってものには出会えませんでした。そんな中、学校外で受講していた講義の先生にお借りした音源と、先生の書かれた32番についての論文を読みました。当時は今よりもおバカだったので、何が書いてあったかちんぷんかんぷんでしたね(笑)ただ、音源は素晴らしかった…というより衝撃的だった。(音楽のスタイルは)これ!って思った。極めて私的な録音なのでお名前などは出せないのですが。
話を戻しまして…コンサートで32番を弾くにあたり、その先生のレッスンを受けたりもしましてね。それもあってか2楽章の最後の5ページは悪くないんですよ。ただ、最後の長いトリルから自我が芽生えちまいましてね。そこからは失速してるし酷いんです(笑)
何はともあれ2年空いてようやく聴いた音源でした。
さて、その録音を聴いて、この32番にもう一度改めて取り組もうと思いました。先日、件の先生に頭を下げてきました。生きてるうちにこの曲をまともに弾きたい、という想いのみですね。しかも私が唯一「これだ!」と思わせてくれた演奏を創られた方がいるのだから、レッスンを受けられるのなら受けておかねば、と。
本日初レッスンでした。聴講される方もいらっしゃいますが、先生の言われることを噛み砕くので手一杯。そして改めて目からウロコ。先生にも「時間のかかることだから」と言われておりますし、腰を据えて頑張りましょう。
ではまた。