ヴァイオリニストの加藤綾子さん。だいぶ前からTwitterで繋がっており、現代の音楽界の在り方についての考え方なんかもとても共感しており、いつかお会いしたいなぁとぼんやり思っておりました。
ようやくお会いできたのは去年。加藤さんがベルギーから戻ってからでした。合わせにお邪魔させてもらい初めて生で聴きました。シューベルトを聴いたのだけど、単純にすごく良い音色だったんですよね。いや、私はあまり良い悪いは分からんのだけど(笑)本当に一瞬で惹かれたのははっきり覚えてます。
今回はヴァインベルクとテレマン。テレマンはもちろん好きだったけど、ヴァインベルクをとても楽しみにしてました。この日までYouTubeでの配信を観てましたので、それが生のステージになるとどうなるのか…ドキドキしてました。
開演前、調弦を始めた時「あ、やっぱりこの音色だなぁ」と感じました。配信ではどうしても聴こえない響きです。そのまま拍手なく始まるヴァインベルク。学生時代、ヴァインベルクのピアノソナタをすごく気に入っていて、それから興味の尽きない作曲家でした。
今回は無伴奏。あまり生で聴くことのない作品です。正直難解で、ホイッと再生するような曲ではない気がします(笑)しかしながら、生だからこそのお客さんの聴く姿勢と演者の集中力と曲の緊張感が融合した瞬間だったように思いました。なかなか味わえない時間でした。そして、音色だけでなくテクニックも素晴らしかったです。根がしっかりしてるというのはこういうことなんだな、と改めて思いました。あれだけしっかりした根があるからこそヴァインベルクはもちろん、即興も素晴らしいし、そこからのテレマンも成り立つ。加藤綾子feat.テレマンの表記でしたが、withでも良いくらいの素晴らしさ。
なんと言うか、言語化がすごく難しい素晴らしさでした。ヴァインベルクの始まりから最後の最後まで一本の糸が切れない集中力。個人的には弓がマイクに当たった瞬間が唯一ホッと出来た瞬間でした(笑)
まぁ結局は聴いてみてよってしか言えんのよな。
だから、聴いてみてよ(笑)今まで言ってたことが何かしら引っかかるだろうから。
私の感想が演奏者の狙いとは異なるかもしれんけど、とにかく素晴らしいリサイタルでした。
じゃバイバイ(^O^)/