のぶのぶの音楽雑記

演奏会のお知らせだけでなく、色々なことを書いていこうと思います。

実家のピアノ発表会

2024-12-09 14:17:31 | 日記





毎年恒例、実家のピアノ教室の発表会。
今年はいつもと違う会場でした。フルコンのスタインウェイに500人も入る大きなホール。実家の教室の生徒さんの中にはこのピアノに触れるのを楽しみにしていた子もいたそう。そりゃたしかに、フルコンどころか家にピアノがあること自体普通ではないのですよね。

私が東京で教えている生徒さんも3人、わざわざ郡山まで来て出演してくださいました。ありがたいです。3人は先月開催した私の発表会にも出てくださったのですが、3人ともその時よりずっと素晴らしい演奏をしてくださいました。長い移動などで疲れもあったことと思いますが、そんなことを感じさせない演奏でした。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第28番の1.2楽章
ショパン:ノクターンOp.55-1
リスト:伝説2番

レッスンでは少し口うるさかったかもしれません。しかし、皆さん喰らいついてくださいます。そのような方にレッスンをさせていただけるというのは本当に幸せなことなのだと思います。

1人の作曲家を深めるのは本当に大変ですね。その人の数十年を数時間本を読んだり曲を見ても何にもなりません。今日、「分析」というものは曲の形式や和声について費やされているように思います。しかしそれは単なる「譜読み」にすぎません。つまり「分析」というものがあまりにも浅く空虚なものになっているように感じるのです。

レッスンをするにあたり、上記の曲の譜読みをしていくとそれぞれに大変な問題が浮かび上がりました。ベートーヴェンもショパンも晩年と言われる年代に差し掛かっていますし、リストは宗教的な面が強くなりつつある時代です。しかしその思想や哲学、宗教観を知るだけではやはり音楽にはなりません。ではどうやって音楽としていくのか。そこが問題でレッスンで伝えていくところだと思っています。譜読みや分析は教えるための根拠なので、わざわざそれを説くことはしませんが、質問などがあればお話します。

しかし、結局のところそれを超えた響きを目指してほしいのですよね。もちろんそれはとてもとても難しいことなのですけれど。意見が合わないことや反論なんかはもちろんあって構いませんし当然のことと思っています。それならもちろんその方向で一緒に考えます。

演奏なんてものはものすごく時間をかけて練習したものがあっという間に終わってしまうものですが、好きで弾いている方には演奏者本人も心に残る演奏が出来るようにしてあげたいなといつも思っています。もちろんその過程もたのしんでもらいたいですが、やはり人前で弾くことの感覚というのは新鮮であってもらいたいです。慣れは良いですが、それが麻痺にならないように。

発表会を終えると「先生のおかげで…」という流れがありますが、それは何より本人が頑張ったからそのような結果が生まれたのだといつも思います。
ピアノはその鍵盤を押せばその音が出ますよね。なので楽譜が読めるようになり、ある程度の理論なんかが分かれば独学でも出来るものなのだと思います。ですので私は、独学では到達出来ない演奏が出来るようにしてあげられなければいけません。やり甲斐はありますが、同時に責任を改めて感じた発表会になりました。その人にとって何が楽しみで幸せに繋がるか、これからもしっかり考えて生徒さんたちに接していきたいです。

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