僕は名もない凡人でいたい

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読みました 『夜が運ばれてくるまでに』

2016年03月10日 | 本と雑誌
『夜が運ばれてくるまでに』は時雨沢恵一さんの詩集であり、黒星紅白さんの水彩画も印象的です。
命の大切さを説く文章は数多くありますが、この本の中では、〝あなたの命は他人にとっては価値がないかもしれない″と言います。
確かにそうです。
自分以外の命に価値がないから、簡単に人をいじめたり殺したり、世界中で戦争が止まらないのです。
人は古代より、争いを繰り広げてきました。
人の歴史は戦争の歴史でもあり、今の日本の平和は奇跡みたいなものだと思います。
しかしそれも、かなり雲行きが怪しくなってきました。

『お茶が運ばれてくるまでに』も同時に読みました。
人生に前向きだったり後ろ向きだったり、迷い揺れるわたしを励ましてくれる1冊となりました。
「まほうつかい」という詩を読んでうれしくなりました。
ある1人の人間を思うように動かし、経験や感動を自分のものにできる方法、その答えが載っていました。
すぐに洗面所へ行き、少し、勇気が湧きました。



わたしは、時雨沢恵一さんの本を、小説『キノの旅』で知りました。

『キノの旅』は、可愛らしいイラストを伴って、柔らかく淡いファンタジーの世界観を醸しています。
しかし、主人公含む多くの登場人物は現実主義であり、生きていくことは闘争と逃走の連続であり、時には他人の犠牲の上に成り立っているものである。それが自然の摂理なのだ……

というような、強いメッセージをわたしは受け取ったのでした。
偽善のない、誠実な本でした。

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