なんだか、妙にあやしいピックアップを当方所有のピックアップとのせかえ、
WADIA6の音は文句なしになったのですが・・・。
送られてきた抵抗で実奏する作業です。
定評のある抵抗を装着できる簡易アダプターをこしらえて
いよいよ、聴き比べとなったのですが・・・。
なんのことはない。
もともとついている抵抗のほうが勝っているという結果になってしまいました。
ある抵抗にかえると確かに音域が広がったり
的確に音をわけるのですが・・
恐ろしいもんです。
きれいで正確で分離もよく、まさに向上してきこえます。
が・・・
ふくらみというか、ウェーブというか、艶というか
こういうのが、すっぱり消え去っているのです。
表現が悪いのですが、もともとの抵抗のほうがある意味、にごりがあり
それは一瞬、きれいに分離できていないのかと錯覚させます。
きれいで整った品行方正な佳人と
ちょっとコケティッシュで愛嬌のあるおねえちゃんwwと
どっちが味があり、どっちが心に入り込んでくるか?
この先どっちと過ごすほうが楽しいか(大笑)
微妙なざらつきが同じ機器の音をこうもかえてしまうかと
人格ならぬ機格の豹変ぶりにおどろきつつ
さらに細かな部分においても、聴き比べてみましたが・・・。
WADIAがチョイスした抵抗が一番ベストという結果になりました。
それ相当に設計者が手を尽くしているものを触る必要はない。
と、いう考え方は当然あることですが、
今回、こうやって、やってみて、
「考え方」でなく「根拠」としてもつことができたのが大きな収穫です。
この抵抗を860LTDにも、試してみることにしました。
ところが、電圧が違う・・とかで、抵抗をもうすこし大きなものにかえて調べることになりました。
結果、やはり、ことごとくの抵抗をもってきても、元の抵抗のほうが良い。
の、です。
大きな違いは低音が入り込まないということでした。
常々、代理も高音をささえるのは低音であるといっていますが
別の抵抗はどれもこれも、「良くなる」のですが、
低音がフラットになってしまいます。
良くなっているように聞こえるので、世間さまはだいぶだまされてるなあとおもわぬでもない。
定評以上の好評のある抵抗でさえ、この程度か?とおもわぬでもないわけです。
つまり、設計者のセンス・チョイスがいかほどのものかということですね。
それは、べつだん、設計者というものばかりでなく
たとえば、親が子供に対して、こういうことをやらせるといいなあとかいう性分を見極めているというのと同じかな?と思うわけです。
一つの機器にたいして、この抵抗を選ぶということは
機器設計者ならではの引き出したい音やら
機器の欠点やら長所やらという性分をみきわめて「抵抗」を投入しているということになります。
そして、その個性(短所・長所・機構)についても、
たとえば、どうしても、860より、WADIA6LTDの音のほうがよいわけです。
では、WADIA6 の抵抗を860につけられるかというと、(オーム数をかえて・・)
いろんな機構により・長所・短所により
同じ結果は得られないと予測できます。
トータルバランスが崩れるのでしょうね。
あくまでも、音を良くすることが目的ですし
高橋の耳を信じている方ですので
好評のある抵抗を
「良くなったように」に錯覚させられる「つまらない(あるいは感動が薄い)」抵抗だと判断する高橋の耳については
異論はないと思えます。
今回の抵抗の比較でさらに思うことはWADIA6LTD・WADIA850のすごさですね。
今の抵抗が限りなく良いといえるのは、LTDまでもっていってからでのことです。
LTD以前の状態では、その抵抗の持ち味が出ていなかったと言えます。
そして、6LTDにおいては、WADIA9とほぼ変わらぬ機構をもっていて
WADIA9の値段を考えたとき
それは、850でも860でもおいつけないわけですから
WADIA6(後期型)をLTDにまでもっていったら、
破格の値段でWADIA9・850・860・をこしてしまうというのが事実だ思えるわけです。
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乗せ換えてみた抵抗は、かなり良いもので有名な品物です。
が、
多分、アンプに乗せて、良い結果が得られたものだと思うのです。
つまり、高橋が16Aを改造した概念にちかい、
雑味をとり、癖のない音・・・=自然な音
と、いうものをめざすには良い抵抗だったのだと思うのです。
ところが、
CDPという「音を作る・・抽出・再現」という任務を帯びている機器に
アンプという「伝達された情報を増幅する」という任務を帯びた機器の特性を
引きあげる抵抗をつけても、合わない。
実際、CDPを(きちんと)触れる人は、数少ないのです。
それくらい、アンプとは、違う部分を持っているという事になるのですが
同じAUDIO族なので、
アンプで良かったから
CDPでも通じる・・というわけにはいかないと思いました。
ところが、どうしても、その違いが判らないというところで、
アンプで良かったから・・・と
抵抗に対しての評価が、変わらないのですね。
同じ、はめるものでも、同じに指が5本あるからと
手袋を足にはめられないのです。
眼に見えない、実像のない音世界ですから、
手袋を足にはめられないと認識できないわけですから、
実際に装着して聞き比べるしかなかったわけです。
結局、依頼者さまは、アンプ(真空管アンプですが)しか、判っていないので
CDPの役目が、回路や電気的にどう作られるか想像できない。と、いうところがあったのでしょう。
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