データ少佐のひとりごと

最近起きたイベント、考えたことについて記事にしていきます。

ハーバード白熱教室 が確かに面白い。

2010-05-10 | 雑談
NHKで毎週日曜の午後6時からやっている番組



 あまりの人気とハーバードの学生を増やす事から、
 授業公開に踏み切ったらしい。

 しかし、理由はなんであれ、見てみるとさすがに人気がある授業だけあって。
 実に面白い。

 政治哲学の取っ付きやすさなんだろうなぁ。
 と思った。
 哲学は誰でも考えたり思ったりした事を語れば、
 それが一つの解答になるところが、
 どんな人でも参加できてしまうところに、人気の要因があるんだと思う。
 
 これが電子工学の電子回路。。なんて授業だったら、
 やっぱりそれにどっぷり興味があり、あらかじめ勉強して来た、
 または趣味で回路をたくさん見て作ってよく知っている人が
 その情報の多さから、”すっげぇ~良く知ってるなぁ”
 ってことで、サクサク回路を描け、実験ができちゃって
 みんなからあがめられる。
 初めて取り組む人間には、とんとわからん話が多すぎるのである。
 なので、初めて見た人はなんじゃらほい?になる。

 ところがこの哲学っていうのは、
 タイトルの番組をちらとみた私ですら、すんなり参加できる
 非常にハードルが低く、しかも参考例がとっても分かりやすく、楽しめる。

第1回で議論されたのが ”殺人に正義はあるか”
 というもので、
 
 あなたは電車の運転手。
 軌道の先には5人の作業員がいて、気付いてブレーキを掛けたが遅くてそのままでは5人を轢いてしまう。
 そこで、退避軌道があり、ハンドルを切るとそっちへ進めるので5人は助かる。
 ところが、退避軌道の先には1人の作業員がいて、轢いてしまう。

 あなたはどうするか。また、その理由を述べよ。というのである。
 
 これはかなりの学生がハンドルを切ると答えている。(私もだ)

 あなたは医者である。
 別々の臓器が悪い5人の患者が居て、そのままでは死んでしまう。
 ところが健康な人が病院にやって来て検査を受けている。
 。。。その人から臓器を取り出せば、他の5人が助かる。
 さて、どうする。

 学生のほとんどが、5人を助けない。(私も)
 何の罪も無い健康な人の命を奪ってまでと話していたかな。。

 確かにこれは面白いうまい例題で、
 どちらも5人の生命を1人の生命と置き換えるかどうかという命題なんだが。
 その状況によって人の判断が変わってしまうのである。
 
 授業ではそれがどこからそうなるのか、どうしてそうなるのか。それを考えるというものである。
 
 この講義、先に述べたように受講するハードルは確かにとっても低いが、
 もちろんその恩恵にあずかるには、
 ハーバード大学合格レベルの学力が必要というのが
 難点なんだなぁ。

ハーバード白熱教室(英語)
ハーバード白熱教室(日本語)


ちょっと思ったのが、
 最初の議論で、5人が身寄りの無い人間。退避軌道の1人が、大統領だったら。
 どうなったかな。
 あ、授業で、ハンドルを切らないという学生が居た。
 サンデル教授は、では5人じゃなくて500人だったらどうするか。
 と尋ねていた。

ま、それも哲学か。


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