11月17日に安倍夫人も引き連れペルーでのアジア太平洋経済協力会議首脳会議に出席するためアルゼンチン訪問に出発した安倍首相ですが、途上でアメリカドナルド・トランプ次期米大統領をニューヨークの自宅に訪ね、現職首相と次期大統領予定者との会談という歴史的にも異例の外交を実施しました。その結果なのかは分りませんが、ペルーでのオバマ現大統領との会談は見送られた様子です。
これを日本のマスコミは各国首脳に先駆けた「一番乗り」と持ち上げましたが??、今のところ、安倍首相に追随する世界主要国の首脳はいない様子です。
(アメリカ大統領選の真っ最中の投開票日の2カ月前9月に安倍首相は、クリントン候補とニューヨークで面談し 「再びお目にかかれてうれしい。私の政権が進めている『女性が輝く社会』にいち早く賛同の意を表明していただいたことにお礼を申し上げたい」と発言し、選挙期間中、クリントン候補の側に実質加担した軽率行為を臆病にも謝罪した土下座外交なのかとも勘ぐってしまいます。)
クリントン候補が得票数の約61%を集め、反トランプの世論が圧倒的なカルフォルニアを初めとして、アメリカ各地では、まだ反トランプデモが続くなか、オバマ政権の頭越しにも行った安倍首相のトランプ氏詣とは、もう勝ち馬に乗ることしか考えないコウモリ的な日本外交であり、媚を売うる無節操な卑屈外交でもあり、安倍首相がこれまで築いたアメリカの民主党関係やアメリカンロイヤー関係者らの信頼やアメリカ市民感情さえも大きく損なう恥さらしと批判もされているようです。(トランプの台頭はアメリカの「選挙人制度」による間接選挙のマジックで共和党の選挙人が多い州を獲得することが出来た結果に過ぎず、投票に足を運んだアメリカ市民の一般投票数はクリントン氏の方が多かったのが事実で、投票市民の半数以上が「反トランプ」を宣言したとも言えます。トランプ氏だけは大統領にしてはいけないと、民主党内では対立もあったクリントン候補をオバマ大統領は応援するにいたりました。大統領選結果を直接民主制で評価すれば、得票数・得票率で反トランプ票が上回った勝利であり、実質的にはアメリカ市民の良心の勝利でもあります。)
「メキシコは問題のある人間を(米国に)送り込んでいる。彼らは強姦犯だ」「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込む」「アメリカにいる違法移民を一気に強制送還すべき」「イスラム教徒はその信仰のみを理由にアメリカ入国を禁止するべき」など移民蔑視のヘイトスピーチで人気を稼いでのし上がった実業家のトランプ氏ですが・・・・。
「日本の科学者は車やVTRを作り、アメリカの科学者は日本を守るためのミサイルを作っている」 「日本人はウォール街でアメリカの会社を買い、ニューヨークで不動産を買っている。」「日本は米国に何百万台もの車を送ってくるが、東京でシボレーを見たことがありますか?」「中国、日本、メキシコから米国に雇用を取り戻す」
「日本が攻撃されたらアメリカは直ちに駆けつけなければならない。 しかし、アメリカが攻撃を受けても日本は助ける必要が無い。」などと日本に対しても過激な反日スピーチを繰り返しています。そして、ロシアのプーチン大統領の側近ジリノフスキー氏は、「大統領選でトランプ氏に投票すれば地球の平和に一票を投じることとなり、クリントン氏に投票すれば戦争になる。いたるところでヒロシマやナガサキが再現されるだろう」とも述べて何故かトランプ氏を応援しました。
(2005年の米NBC番組収録前に司会者とトランプ氏が交わした会話の録音には「既婚女性とセックスしたい」「スターなら何でもできる」「女性器をわしづかみすればいい」などとあり、女性を侮辱し蔑視する発言も暴露されるなど下品なだけでなく、差別主義者とも批判され続けてきた人物です。フランスのオランド大統領は、イラク戦争で戦死したイスラム教徒の米兵士の両親を侮辱したトランプ氏に「吐き気がする」との非難もしました。)
しかし、安倍首相はそんなトランプ氏について選挙結果がでると、手のひらを返したように訪米して「信頼できる指導者だと」と持ち上げたのです。ファシストに迎合してヒトラーと同盟を結んだ戦前の日本政治も彷彿させる卑劣行為と批判する人もいるようです。(排外主義者で独善的でマスメディアを利用した大衆マインドコントロールを多様すると言う点で、ヒトラーとトランプ氏と安倍首相の政治手法は、何故か共通していると指摘するひともいるようです。)
瀋陽市のショッピングセンターに展示された世界首脳のろう人形の安倍首相も何故かヒトラーに似ているとネットで話題になっているようです。