風の強い、4月15日東京・新宿御苑で、芸能人や各界の著名人1万6500人を招待して、安倍首相は、「桜を見る会」を実施しました。「風雪に耐えて5年の八重桜」と自作の句を詠み、昭恵夫人が名誉校長を務めていた極右翼教育の森友学園の小学校開設に政治的便宜が図られた疑惑に耐える安倍政権を遅咲きの八重桜にたとえました。
新宿御苑のあいさつでは、「4年連続2%を超える賃上げを実現できた」と実質賃金ではなく名目賃金による虚構的な実績も強調し「ライフスタイルに応じて働き方を選べる時代がやってくる。皆さんが活躍できる社会を作りたい」と安倍内閣が現在取り組んでいる「働き方改革」への政治宣伝も忘れませんでした。
一方、去る4月13日の参議院外交防衛委員会ではとんでもない発言をして話題にもなりました。「北朝鮮はサリンをミサイルの弾頭に付けて着弾させる能力を、すでに保有している可能性がある」と安倍首相は、述べたのです。
(先の国際法違反のトランプ米大統領のシリアへの突然の攻撃について「化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を日本政府は支持いたします。」とも述べて、安倍首相はサリン疑惑のシリア攻撃を支持したのですから、突然、北朝鮮のサリン疑惑について述べたと言うことは、シリアと同様にトランプの北朝鮮への暴挙にも支持の態度を安倍首相がとるであろうことを暗に意味します。)
そして、松野文部科学相は4月14日の衆院文科委員会で、北朝鮮情勢の緊張の高まりを受け、 韓国の日本人学校に対し、今後の情報への注意を呼び掛ける文書をメールで送信したことを明らかにしました。
この、4月13日の防衛委員会での安倍発言に、多くの人々は、これは、トランプ米大統領が北朝鮮に対する攻撃を実行する場合の口実に「サリンとミサイル」疑惑をあげようとしていることについて、安倍首相が、口をすべらせたのではないかと推測する人もいるようです。
アメリカが北朝鮮を攻撃する場合、在日米軍基地が北朝鮮からの攻撃拠点になることが、想定されるため、日米間では、北朝鮮への戦争に対する事前協議が行われることになっています。トランプ米大統領は、4月6日に突然、シリアに59発のトマホーク攻撃を実施しましたが、その攻撃理由にシリア政府がサリンを使用した疑惑を口実にあげました。
また、4月13日トランプ米大統領は、過激派組織「イスラム国(IS)」が構築した地下施設があると言う名目で、突然アフガニスタンに通常兵器としては史上最強の爆弾「GBU43B」を実験投下しました。
アメリカ報道によれば、「GBU43B」爆弾とは、核兵器に準じる破壊力を持った、現在の米軍の保有する通常兵器では最強の破壊力のある新型兵器で「全ての爆弾の母」と呼ばれているもので、実戦で使用されたのは、今回のアフガンへの投下が初めのことでした。
そしてトランプ米大統領は、この「GBU43B」の4月13日のアフガンへ投下について「北朝鮮へのメッセージになったかどうかは分からない。ただ、北朝鮮は問題であり、対処する」と述べ、このアフガンへの突然の爆弾投下は、実は北朝鮮への恫喝を目的としたことについて暗に言及をしました。
これに対して、アフガンのカルザイ前大統領はツイッターでアメリカのアフガンへの「GBU43B」爆弾投下はアフガニスタンへの「主権の侵害だ」と指摘し「非人道的で残酷なやり方で、我々の国を危険な新兵器の実験場にしている」と非難しました。
(ブッシュのアフガン・イラク戦争もそうでしたが、今回のトランプのシリア攻撃やアフガンへの爆弾投下も、国連決議もない国際法違反であるというだけでなく、いわゆる「疑惑」だけで、他国の主権も無視し、宣戦布告さえもなしに、先制攻撃を実施すると言う卑劣な武力行使であり戦争行為です。その戦争行為を支持する安倍首相側にも道義的な政治責任が発生しており、それは、国際紛争の解決に武力行為を禁じる日本の平和憲法をも完全否定した安倍首相の外交態度であるともいえます。)
トランプ米大統領は、ツイッターで4月13日「中国が北朝鮮に対応するよう確信している」と、習近平氏への北朝鮮への対応を促すツイートと同時に「しないのならば、アメリカと同盟国がやる」と付け加えています。おそらくやることは軍事行動であろうと見られています。
このところ、北朝鮮当局も、日本海に向けたミサイル実験や、第6次核実験を示唆し、アメリカとその同盟国に対する「臨戦態勢」を強調しています。
NBCテレビは4月13日、複数の米情報機関高官の話として、北朝鮮が6回目の核実験を実行するとの確証を得た時点で、アメリカ軍は、通常兵器による先制攻撃を行う準備を整えていると報じています。NBCによると、米軍は巡航ミサイルを搭載した駆逐艦2隻を朝鮮半島の周辺海域に展開し、うち1隻は北朝鮮の核実験場から約480キロの海上にあり、グアムにも重爆撃機を配置し、いつでも北朝鮮を攻撃できる態勢が整っているそうです。
4月14日のAP通信の取材に答えた北朝鮮政府外務次官は「最高指導部が判断した時、いつでも核実験を行うことができる」と答えました。アメリカ空軍のゴールドフィン参謀総長は4月14日、ツイッターで、米空軍嘉手納基地(沖縄県)の滑走路にF15戦闘機などが整列した写真を掲載し、これは「戦闘態勢だ!」と強調しました。
アメリカ軍は、原子力空母カールビンソンを中核とした空母打撃群を朝鮮半島近海に派遣して、極東最大のアメリカ空軍基地である嘉手納基地に戦闘機などを結集し、既に戦闘態勢を準備しているようです。(朝鮮半島で、韓国軍とアメリカ軍は3月1日から4月末まで、昨年同様に合同の野外機動訓練「フォールイーグル」を現在展開中なので、その一環であるとも観られています。)
(しかし、離散家族や拉致者や親戚を北に抱える韓国民の大多数は、アメリカの先制攻撃方針には大反対です。5月9日の大統領選への立候補者達ももちろんこぞって反対を表明しています。トランプ米大統領の強硬方針に諂い支持を表明する安倍首相とは真逆の態度です。)
中国の王毅外相は4月14日、アメリカとの間で戦争の緊張が高まる北朝鮮について、軍事衝突は「いつでも」起こり得るとの見解も示しつつ、どんな戦争にも「勝者はいない。」衝突を誘発する側がどちらであっても「歴史的責任を負うことになり、相応の代償を払うことになるだろう」と述べ「対話こそが唯一可能な解決策だ」とトランプ政権と金正恩政権の双方に対して戦争挑発行為への批難をしています。
4月15日の太陽節(故金日成主席の生誕105年)で金正恩は珍しくスーツ姿で国営テレビに映され、労働党の崔竜海党副委員長は演説で、「米国の全面戦争には全面戦争で、核戦争には核攻撃で対応する」とトランプ米大統領の北朝鮮への戦争挑発発言を強くけん制しました。平壌で実施した軍事パレード(閲兵式)では、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられるミサイルを初めて公開しました。朝鮮人民軍の総参謀部の4月14日声明では「日本本土や沖縄の米軍基地、アメリカ本土まで照準内にある」との恫喝をしています。一方、中国政府は太陽節の式典にも平壌の軍事パレードにも政府高官を派遣しなかったようです。
カリフォルニアに大雪が襲った2月18日、前もって宿泊の予約を入れていたコリア系アメリカ人のダイン・ソさんら一行が到着3分前にトランプ支持者の宿のホストに突然キャンセルされたと訴えて話題になった映像です。公開チャットで宿のホストは「このハイシーズンの時期に大人4人と犬2匹で1泊50ドルなんて、あなた狂ってるわ」「通報すれば?あなたが地球最後の人間であっても絶対に部屋は貸さないから。アジア人だからね。タダで何でも貰おうとする。こんなんだから私たちにはトランプ大統領がいるのよ。」と言っているようです。
4月9日シカゴのオヘア国際空港で4月9日、ケンタッキー州ルイビル行きのユナイテッド航空3411便の機内で、オーバーブッキングを理由に飛行機から降りるよう求められた乗客4名は何れもアジア人でした。拒んだ男性については、警察官が無理やり引きずり出し、前歯2本と鼻骨折の暴行も加えられていたようです。(アメリカでは、イラク戦争の前にイスラムバッシングが大衆に煽られたように、アジアパッシングが起こされなけばいいのですが・・)