自殺大国と言えば、日本と、韓国でしょう。P(大国ゆえの不幸は、命を捨てるほどの閉塞感は、実は社会の問題なのに、個人の問題として皆が苦しみもがいていることでしょうか。自分を失う程に自分を責める人ほど、周囲の愛には盲目です。人は皆一度は死んで行くのです。早いか遅いかの違いです。自殺も自然の摂理で本来、同情も後悔も不要です。事実や悲しみから逃げることなく、残された魂を孤独にした罪も許してあげ、恨から開放してあげましょう。死に急いだ人の分だけ生きる喜びが語れるような心のゆとりのある人生と社会を構築したいものです。)
日本では、趙成(チョ・ソンミン)元巨人投手の6日の自殺の報道が話題です。
高麗大学3年生の時、韓国代表チーム入りして1994年の世界選手権の銀メダルに貢献した、趙成は、1996年に巨人に入団し2002年まで活躍しました。
韓国の有名な女優チェ・ジンシルと結婚して、幸せそうだったのですが、2004年に、妻チェ・ジンシルに暴力を振るって、逮捕されました。そして、離婚しました。
その、元妻の女優のチェ・ジンシルは2008年に自殺しました。自殺の原因は金を貸していた友人のタレント(アン・ジェファン氏)が自殺しますが、そのことでインターネットで激しい誹謗中傷にさらされたためと言われました。そして、残された子供2人の世話をしていたチェ・ジンシルの弟のジンヨン氏も2年後に自殺します。うつ病と言われました。
その後、趙成は、テレビ解説者にもなり、昨年まで、韓国の斗山ベアーズの2軍コーチをしていました。報道によると、自殺した方法が、元妻と似ているとも言うのです。ベルトという道具は違ったものの、場所や方法、直前に酒を飲み、遺書を残さず身近な人にだけ謝罪のメッセージを送っていること、ジンヨン氏を含めて39歳で自殺という点も共通しているそうです。
有名人の自殺は一般人の自殺を誘発するようです。精神的な波及作用があるようです。趙成自殺報道に衝撃が広がるなか、翌日の釜山では、影響で一晩に8人が自殺したと報道されています。釜山市の健康増進課は「市として自殺予防施行計画を立て、韓国で初めて心理学的剖検を導入することを決めた」そうです。J
韓国の自殺率は近年、OECD加盟国統計ではエストニアや日本を抜き最高となり、世界統計でも自殺率世界一のトップをリトアニア等の旧共産圏と争うようにもなったと言われます。韓国は2004年から自殺予防対策5カ年計画が立てられましたが、それも失敗に終ったようで、目標は5年間で自殺率を20%低下させることでしたが2004年に人口10万人当たり23.7人だった自殺率は2009年に31人へと28%も上昇しました。
韓国の自殺増加の背景には、通貨危機以降の外資依存の経済の急速な悪化、苛酷な競争社会、格差社会、学歴社会、核家族化、年金の未整備、高利負債の激増などがあると言われます。2011年度の日本社会の年間労働時間平均が1,728時間に対して、韓国は日本を上回る2,193時間で韓国の正規雇用者の平均年収は日本の正規雇用者の平均年収を(購買力平価比較)もう追い越してしまいました。正規雇用者は働き過ぎだともいわれます。そして一方では、若年層を中心に約600万人にものぼると言われる非正規雇用者の貧困の増加と不況で商売がなり立たない零細業者の貧困の増加があり、韓国のジニ係数は、0.31で、日本0.33、米国の0.38、中国の0.44よりは従来良いとも言われてきましたが近年、階層間の経済的格差もひどくなったようです。所得があがらないのに物価は毎年2%以上も上昇を続け、庶民の生活は困窮するばかりです。1994年に世界でもトップレベルをだった家計貯蓄率(約20%)は、もう先進国のうちでも最低水準の3%台に落ちたと言われます。 盧武鉉大統領の悲劇の自殺もありました。(故盧武鉉大統領は釜山広域市に近い金海市の出身で釜山商業高校のOBだそうです。)
韓国政府は、全国民を対象に精神疾患の検診を実施するそうです。学校や職場などで厳しい競争にさらされ、ストレスから精神疾患にかかるケースが韓国では多いためで、検診によって早期の発見、治療を目指すのだそうです。
韓国の保健福祉省の2011年の実態調査によると、18歳以上の韓国国民の14.4%(7人に一人)にあたる519万人が、過去に精神疾患にかかった経験もあるのだそうです。また、従来から韓国女性は、火病または鬱火病と言われる(怒りの抑制を繰り返すことで発生する)ストレス性障害が、多いことも知られています。(怒りの正体は、恐れや不安であったり妬みであったり、自己が傷つくことを避けようとする自己中心の感情であり、その感情表現が受け入れられないと言う未熟なコミニュケーションに原因の多くはあるともいわれます。)
そして気になるのが韓国で2002年の消費者金融業合法化以後、日本から先を争って日系サラ金が韓国に進出し、今はもう韓国市場の過半を超えて、日系サラ金の独占状態になったことでしょうか。クレジットの普及もあいまってこれまでの10年で韓国の個人消費負債は倍近くに増えたといわれます。そして、韓国男性が抱える歪んだストレスも深刻で、青少年2003年を起点とすると2009年に性犯罪数が90%増加しその被害者の40%が児童という性犯罪の低年齢化も進んでいます。(背景には、イラク戦争に従事した韓国男性の心の病もあるのでしょうか)
自殺といえば、中国では農村女性の自殺が多いため、男性より女性の自殺が多いと従来言われてきましたが、もうストレスの多い都市部の男性の自殺が女性を追い越したともいわれます。正式統計は不明ですが、2011年の中国の自殺率は世界平均の2.3倍で、年間自殺者数は約28万7000人との報道もあり、2分に1人が自殺している大変不幸な社会です。率でなく人数でみれば中国の自殺者数が世界一であり、世界の自殺者の3人に1人は中国人で、中国は世界一の自殺大国とも言えます
。
吉林省2011年5月17日結婚式のドレスの22歳の女性の飛び降り自殺救出劇
広東省2012年8月14日湛江市飛び降り中年女性の救出劇
また、中国では、チベット族自治区の僧侶らの焼身自殺が有名ですが、これも相変わらず増えており、昨年11月から12月にかけ30人が焼身死亡したと報道されています。当局は僧侶の自殺防止に事前通報すれば10万元自殺計画者の密告に5万元現場で自殺を阻止すれば20万元を支払うとされていますが、拘束した自殺未遂者は、どうするのでしょうか?労働教育でもするのでしょうか?まさか死刑にはしないでしょうね。P
抗議の焼身自殺を阻止するため、当局は軍も使って黄南チベット族自治州にある300の仏教寺院が所有するテレビを没収し、使用されていた衛星放送受信機器を破壊したということです。また、自殺者の家族に対する生活保障受給などの行政サービスを取り消すことも通知しているそうです。そんな乱暴な行政では、チベットの自殺はむしろ増えるような気もします。しかし、宗教弾圧への抗議とは言え、戒律を犯してまで自殺する僧侶が増えているのは不思議なことです。
チベット行政の改善が習近平体制に期待されています。また、都市部と違い、貧しいとはいえ、自然の豊かな中国農村の女性の自殺が多いのも不思議な話です。
中国では貧しい農村の男達は都市に出稼ぎに行きます。残された妻は、自分と夫の両親と子供の世話をしながら、一生貧しい農村で自由も愛する夫も遠く、生活に縛られ、一家の重労働の担い手の中心とされるので、自殺や離婚も多いのです。それと身近な農薬の誘惑もあります。農村の貧困は農民工の出稼ぎを恒常化させ、近年、農村では留守児童の自殺や失踪も増加していると言われます。J
韓国大統領選後、負けた文候補の支持者の自殺が相次いでいるのも不思議ですね。P
自殺している多くの文候補の支持者は労働者です。今後の労組弾圧などを悲観して自殺しているそうです。現代重工業社内下請労組のイ・ウン ナム初代組織部長は、その相次ぐ労働者の自殺に衝撃を受けて自らも投身自殺しました。ソウル民権連帯のチェ・ギョンナム青年活動家も着火炭を吸い命を絶ちました。労働者の闘争が激しいのです。そして芸能人自殺でもそうですが、韓国では有名人や有力者の自殺報道が多く、報道に後を追う自殺がまたあるという不幸の連鎖があるようです。そして、貧しい老人の自殺が多いようです。立場の弱い老人がどう扱われるかでその社会の健全さが問われるものです。J
中国でも、病気や貧乏や借金を苦にして自殺する人が多いのに、経済的に遥かに恵まれて豊かな日本で自殺率が高いのはもっと不思議です。J
また、お金も権力もある現職政治家が汚職で逮捕もされていないのに、愛人報道ぐらいで自殺するのも日本の不思議です。J
日本の自殺率は従来から伝統的に高かったのですが、高度経済成長の好景気で改善しバブル景気でさらによくなりましたが、平成不況期に入り1998年から、また急増し、2万人台前半から一挙に3万人を超えました。1997年の消費税の5%引き上げ増税で始まる平成不況の下、失業者と非正規雇用の増加が背景にありました。そして、もう14年も連続で3万人台の自殺が続いていましたが、民主党政権下でようやく2万台後半に収まりました。
かつては、中国は農村女性の自殺率が高いため、日本の自殺率をはるかに上回っていたのですが、バブル崩壊後の景気回復策や構造改革の犠牲も大きかったのでしょうか。近年、日本は自殺率で中国を逆転して、もう14年以上も自殺大国の不幸は続いているのです。
自殺率がアジアでトップの不名誉な日本の地位は最近韓国に抜かれましたが、まだ、日本は依然として自殺大国です。しかも、日本では未来のある若者や子供の自殺が多いのが特徴です。立場の弱い子供がどう扱われるかでその社会の未来も決まるものです。
( 韓国、日本、中国、はともに、自殺率がとても高いのですが、実はいずれの3国も他殺率は低く、アフリカや南米や北朝鮮などでは、犯罪も多く、他殺率のほうが自殺率より高いのです。また、旧共産圏は、ロシアの自殺率が少し収まりましたが、依然自殺率は日本より高く、他殺率も自殺率と同様に非常に高いのが特徴です。その背景には、共産特権階層の崩壊とチェルノブイリ汚染の影響があると言うひともいます。)
日本の自殺は伝統的なものでしょうか、武家社会では切腹で武士の罪は清算され、心中で庶民は現実逃避しました。戦中・戦後の自決行為は有名で自爆の特攻も自殺の範疇でしょうか?.近代も政治家や芥川龍之介、太宰治、川端康成や三島由紀夫等の著名作家が自殺しました。戦中の特攻はイスラム自爆テロ顔負けに美化される傾向さえあります。
最近は、高度経済成長で収まってきましたが日本の自殺率が再増加した平成不況の1998年は小渕政権でした。不動産バブル崩壊後の日本経済はデフレ不況で1995年に阪神大震災でさらに打撃をうけます。1997年秋の三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券と立て続けの大型金融破綻事件がきっかけとなり、1998年の5月にかけて失業者は急増します。しかし、小渕政権での合計約42兆円の経済対策は、公共事業が約4割を占め、減税や金融対策などが拡充し、地域振興券が国民に配布されました。景気は比較的好調に回復し始め、「ITバブル」さえも発生しました。今日の安倍政権にも類似した状況でした。株価も上がり日経平均株価も2万円台にまで回復し景気は上向きました。しかし1998年に4.1%に急増(1990年代前半までは2%台)した失業率は、1999年は4.7%とさらに上昇していきます。
景気は当時少しよくなりました。実体経済が回復したとは言えず、景気とは逆に企業は賃金抑制を図りリストラをしました。そして1999年労働者派遣法を改正した結果、派遣業種が大幅に拡大し、非正規雇用が一気に増え、その結果終身雇用制が崩壊し、日本は格差社会になりました。格差社会は、雇用を不安定にしただけでなく、家族を不安定にし、社会保障も不安定な社会としました。当時、日本経済の景気はすこし向上しましたが、その反面で、日本国民の実態生活はとても不幸になりました。
その後、小泉政権による規制緩和と構造改革による経済再建策は、欧米型の競争社会への日本社会の転換を促進し、景気が回復しても失業率水準はさらに上昇を続けました。2002年の5.4%をピークに2003年、2004年、2005年と5.3%、4.7%、4.4%と失業率は次第に低下に転じますが、自殺率は下がりませんでした。
それまで日本経済は長期停滞にあえぎ、さらに職を失ったり転職した労働者が続出し「就職氷河期」で新規の正規雇用数も減り、国民は疲弊していました。それに追い討ちをかけるように非正規職の労働者増加による格差社会は、若者を中心にワーキングプア層(働いても働いても豊かになれない未来に展望のない階層)を生み出し、人口構成の男女差の広がりを背景に、若者の未婚率が急上昇します。ワーキングプア層はその後も年々増え続けて行きました。また、日本では、過重労働や死亡時のローン不払いに生命保険が掛けられていることなども自殺をあおると言われますが、かつて平等を重んじた日本社会は格差社会において、従来からの過重・長時間労働も継続し続ける中で、うつ病が急増しました。
(うつ病は几帳面な人や責任感の強い性格に多く、女性は産後や更年期に多いと言われてきました。強いストレスや、不規則な生活などが引金で、ノルアドレナリンやセロトニンの乱れによる不眠などが関っていると従来言われてきました。しかし、近年では、数々の社会や倫理に潜むマイナスの暗示が無意識に膨張した結果やイメージ脳の右脳の暴走(右脳・左脳のバランスの乱れ)に起因する自立神経失調ではないかとも言われています。レム睡眠時の右脳優位状態を制御する治療等も試みられているそうです。
仮に無意識脳や右脳の暴走が関っているとすれば、音楽などが効果があるのもそのせいかもしれません。そして、認知療法など理性で直そうとする努力は大きな効果があることが知られていますが、理性だけで治そうと努力するには相当な意志と根気と覚悟が必要です。欧米のようなカウンセラー治療に保険が効かないため、日本ではもっぱら薬ずけが横行している様子です。しかし、その原因を解明しようとする自己努力はある意味では無意味な自己満足(レム夢の世界や無意識の暗示は実は論理的には無意味です。)でもあります。負の感情のイメージから、そのもたらす不安の暴走に支配されないためには、ありのままに感情を受け入れ、無条件で自愛すること、あるがままの自分を肯定して、たとえ哀れであっても愛すべき自分の個性として自身で受け入れて、その感情に慣れることが、とりあえず興奮や無意識のマイナス暗示を静めるのには効果的とも思われます。
日常では、自己否定の思いに腹を立てて、本音を溜め込んで、泣いて、怒って、言いたいことも我慢し、生存維持のための経済的理由だけで、過労や不眠で働き続けると、人生の変化にも臆病になって、他人の真似や他者の評価や些細なこだわりばかりに囚われると、いつの間にか、自然に笑って生きるすべも忘れてしまうものです。歪んだ競争社会や世間の影響で点数や他者から評価ばかりされた結果、感情までが自立的なコントロールを失ってしまうのです。家族や社会の期待に応えるよりも、他者の評価を気にするより、まず自分らしく、したたかにも自然の動物のように肯定的に生きることが大事なのだと思います。評価とは本来、自分自身でする肯定的な自己満足であり、自分自身に誇るものです。無意識の中にあるマイナスの否定的他律の感情を乗り越え、意識した自律した自我によるプラスの自己肯定の感情の積み重ねこそが生きる行為です。
そして、アルコールや睡眠不足の相互作用は無意識のマイナスの暗示をさらに高めるようです。マイナスの暗示と不安の思い込みやストレスに弱い人間は、本来は逆にプラスの暗示や思い込みもある自信家でもあり、本来一般よりは立派な仕事ができる人間でもあるはずなのですが、どこかでボタンの掛け違いが起きているのだと思います。人間の心・脳は本来1つのことしか考えらないと言われています。しかし、多くの仕事が複数のことを同時に要求し、それを瞬時に切り替えて無理にこなす優秀な人の脳は疲労していて、ストレスの物質で溢れていると言われます。
人によって様々ですが、共通する事は自然に生きる動物は、自殺などしないと言う事実です。自殺もやはり人間的行為のようです。それは、まるでこの世に存在したという最後の証として、他人へのあてつけとして、自分が存在していることを誰かに認めてもらいたいのかもしれません。しかし、それは、大きな勘違であるようです。死後の世界は自分にとっては受け入れるしかない永久の孤独ですが、残された者に多くの負担迷惑をかけるだけでなく、残された者には一刻も忘れさりたい負の記憶にもなってしまうと言う事実です。 実は誰にも認めてもらえない行為です。したたかにも生きた者が過去の歴史評価や自分史の記憶さえも塗り替えるのです。)
(政権交代の成果のひとつともいわれた、労働契約法改正が(雇い止め法定化は昨年8月)ようやく、自民党復帰後に完全適用となる日本ですが、若者のワーキングプアの解消につながるのでしょうか?)
(何時の時代も未来は若者のものであって欲しいものです。)
(個人的な経験では、昔ですがたまたま、身近に話していた人が2~3日後に自殺したことを知って非常にショックを受けた経験が2回もあります。どちらも真面目な中年男性で、一人は新婚中でしたがうまくいかず相談に我が家に来たのですが父が留守で私が一人でさびしそうだと知ると果物を買いに出てきてくれていっしょに食べた人でした。一人は商売に失敗した人で散々身の上話を聞かされたあげくでした。思いかえせば、2人とも自殺直前に、人生を悟ったようにも非常に優しかったです。しかし自殺は周囲にショックと後悔しか残しません、自分勝手とも思います。残された友人や遺族はあてつけかと思い悩み、時には途方もない借金や損害金を背負いうことさえあります。・・・・)
(人生は無常です。この瞬間でさえ、明日にあなたにメールできる保証は誰にもできないでしょう。どんな人間も平等に46億年の地球の歴史と人類の進化を受けついで生まれ、いずれ孤独に死んでいくのでしょうか?・・・。
生命はやはり宝です、命の遺伝子には何億もの命のバトンを伝えた愛の結果が潜んでいます。孤独な生命などありませんし、どんな命にも、生と死があり、生きた時間があります。この時間は不逆で奇跡の価値を持ちます。
しかも、人間の命は社会性を持ちます。出産も埋葬も生存も取り巻く人々や経済や文化に助けられもし、迷惑もかけます。人間の命は、自分だけの命ではないのです。
「自分史」(人生)は自分だけのものですからできれば誇りたいものです。明日死刑で断たれる命でも病で絶望する命でも、人間としての意識がある間は、消せない「人生」(自分史)を刻み誇れもします。自殺は「他者を救う身代わり自殺」や「絶望を乗り越えたさとりの安楽死」等以外は、自分の人生の誇りさえを失うものです。抗議の焼身自殺でも御国を救う特攻隊でも、アラーに捧げるイスラム自爆も、実は誰も救っていません。決して誇れるものではありません。自分を愛せないほどに追い詰められた人間は他人を愛する余裕もなくなります。刹那的で自暴自棄な心は愛を忘れます。自殺は動物にはない人間的行為ですが生命活動からの逃避行為です。後戻りできない卑怯な逃避です。その多くは責任や苦痛からの逃避行為です。生きることは自分の人生の使命でありある種の責任なのです。自分だけが責任を取るという身勝手は逆に無責任に自分の人生の責任から逃避しています。責任は決して死では清算されないのです。どのような遺書も自殺も残された他者に予想外に不合理な責任を負わせてしまう結果となる明日の社会や他人には無責任です。命の大切さからの観点では、殺人同様に本来非難されなくてはいけない行為なのでしょうか??。アラバマ州やオクラホマ州やインドでは自殺を犯罪として法律で規定します。
悩む人を励ますことは難しく、絶望する人に語る言葉も、私は知りません。しかし、個人的経験では、結論の出ない悩みは切り替えが必要ですイメージを切ることです。自分も他者も否定しないことです。複数の感情や思考をしないことです。パソコンでも結論の出ないループばかりでメモリを占有するとすぐに固まるでしょう?。それら取り戻せない昨日の記憶に縛られるより、明日をどう生きるかが重要です。過去のマイナスの記憶は早く、プラスの評価に変えて記憶を塗り替えることも必要です。
そして明日のために今できることを、行動を探すことに集中し、自己肯定することです。ひとつの打ち込めることに集中することです。それは、いつもの仕事であったり、単調な生活であったり、自分の役割であったり、平凡な社会的使命であったり、時には他人の励みになったりしますが評価はもとめないことです。自分も他者も常に肯定するような言葉を選び、全ての否定的な言葉と行動を自分自身で自制して消すことが重要です。生きる気力も出ないと思われるようなダメージを受けた日は、まず休養して気分転換することです。考えすきないで行動や運動で少しずつよりベターなイメージに変えるのです。昨日の記憶が忘れられない場合は塗り替える努力をすることです。どんなマイナスの経験も必ずプラスの側面を少しは持ちますから、嫌な過去も貴重な経験として人生の肥やしにしてしまうのです。そして、現実の目の前の問題に対処することのみに集中し、心にゆとりができれば、無自覚にマイナスの気分をもたらす根拠や理由を、例えこじつけでも理性的にも納得させ、嫌なことのマイナス面の中に潜むかすかな希望やプラス面を見つけ、何度もそのプラスの言葉を繰り返し、少しでもイメージの向上を自覚さえできれば、嫌な気分はだんだん消えていきます。
そして、明日にでも、自分を必要とする何かがあると、誰かがいると気づくとき、もっと自分らしく生きてみようと思うとき、人間は絶望を突き抜け希望を見出します。生命的存在として生きることは、食べて寝て排泄し泣いて笑い自分の所有する有限な時間と富を消費していく生態でしかありませんが、人間は主体的に生きること(自分が自分らしい自身になること)、社会的に生きること(人間になること、他人に貢献すること)で真に幸福になると言われます。その人間の生きた瞬間も時間「人生」(自分史)も永遠に無くなりませんし、過ごした事実は誰にも奪えません。 また、めげそうになったら、思い出して、 あなたに励まされた人がいたことも・・。どのような境遇でも苦から逃げないで・・まず自愛することです。この世はまだまだ生きるに値します。人の言うにもまかせ、命の時間の流れにまず身をまかせ普通の生活をさらにもう一度と日々の朝日を迎えて見てください。)
中国などに比べれば、まだ、はるかに物質的には豊かでも、格差社会では、もはや自己実現できなくなった日本社会です。経済面の貧困というより、巧妙に自分や世間に嘘をついて見栄で生きる精神的な貧困を抱える者が増え、連帯して助け合う社会から弱者に冷たい個人主義社会にもなりました。大人社会を鏡とする日本の子供社会には、陰湿ないじめが増えました。
経済的に貧困な発展途上国にあっても、仮に自由のない国に住んでも「自分に嘘をつかない生き方ができて、毎日食事ができさえすれば」精神生活は、むしろ今日の日本より豊かだろうと思います。P
政治家の自殺についてはやはり日本人は、伝統的に恥に弱く真面目すぎるのだとも思います。2012年9月に死亡した松下金融担当大臣は、愛人の記事で取材も受け、これを苦にしたとも言われました。「週刊新潮」の取材に応じた大臣は「二人は友人関係、いや確かに男女関係ですが、彼女を裏切ったということは毛頭ない」と、誠実に語っていたそうですが、政治家の記事はスキャンダラスに虚飾され、誇大化した見出し記事が電車のつり革広告に載り、恥さらしとなることも少なくありません。P
しかし、やはり日本の生活水準や文化的ゆとりは、中国や韓国よりはるかに恵まれています。世界一の平和国家で、世界トップクラスの経済大国で、世界一の長寿国(平均寿命)なのに。自殺なんて贅沢です。正直なところ、羊のようにおとなしく、暴動も起こさないで、こころを病む弱い人や変態が多いのは働き過ぎなのと人口密度などの社会のストレスからかなと以前は思っていました。日本は自殺大国と言うより過労死大国のイメージです。でも最近の中国では病んでいる人が都市部でも日本より遥かに多くなったように思います。それは、日本とは違いやはり中国の絶望的な貧しさからだと思います。韓国は貧しさや経済破綻からと社会のストレス(門地や学歴や競争激化)からと両方あり、さらに過酷な社会のような気がします。J
終戦の時代(日本の統計では意図的に排除されていますが)おそらく世界の歴史上でも実質的な自殺(玉砕・自決・捕虜拒絶餓死)では世界一であったのは、まぎれもなく日本です。その不名誉な伝統の呪縛から、日本は未だに脱していないのです。P
今日までの大国:日本と、これからの大国:中国をテーマに論じてみましょう。