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..... 高英姫 李雪主 金正恩
安倍総理大臣は、今日の防衛大学校の卒業式の訓示で、中国や北朝鮮を念頭に「挑発的な行動が続いている」と述べ、安全保障政策に力を入れる考えを強調しました。
(挑発的な行動と言うのは、中国の尖閣諸島問題でしょうか?.挑発の原因は日本側なのに?J)
北朝鮮については、朝鮮戦争(1950年~1953年)停戦協定締結から60年目の節目に、ついに朝鮮戦争の休戦協定の効力を3月11日から全面的に白紙にしたと北朝鮮側は発表しました。P
北朝鮮が先月行った核実験について、国連安全保障理事会としての制裁対応を協議していたアメリカと中国はついに3月4日、北朝鮮への制裁決議案について基本合意しました。
是に対して、北朝鮮軍の最高司令部は、米国と韓国が予定する共同軍事演習を停止しない場合、1953年に調印された和平合意(朝鮮戦争の休戦協定)を完全に白紙化することになるだろう。任意の時期に任意の対象へ正義の攻撃を加え、民族の宿願である祖国の一を達成する」とも述べ、アメリカと韓国の合同軍事演習計画を受け北朝鮮軍の最高司令部は3月5日、「朝鮮戦争の休戦協定の効力を3月11日から全面的に白紙化する」という声明を出しました。
中国の環球時報は、3月6日付で、「北朝鮮側は・・明らかに常軌を逸している」と批判しました。華春瑩さんも3月6日会見で、「停戦協定は朝鮮半島の平和と安定の維持に重要な役割を果たしている」「中国は、関係各国が朝鮮半島及び地域の平和と安定を維持する大局から出発し、自制と冷静を保ち、情勢のさらなるエスカレートを招く行動をとらないよう呼びかける」といいました。
しかし、北朝鮮外務省は3月7日、国連安全保障理事会の制裁決議採択の動きなどに反発し、「米国が核戦争の導火線に火をつけようとする以上、侵略者の本拠地に対し、核による先制攻撃の権利を行使することになる」との報道官声明を発表しました。
さらに、朝鮮労働党の機関紙のウェブサイトでは「アメリカが核兵器を振りかざすなら、ワシントンを火の海に」などとまで挑発して反発しています。もう北朝鮮には、米国と交渉する考えさえもないのでしょうか。
韓国軍も、北朝鮮が侵略的な行動を取った場合には報復攻撃を行う用意がある、と宣言しました。
米ニューヨーク・タイムズ紙の分析では、北朝鮮の核保有の隣国の暴走を止めるため、中国の習近平体制は、国連の制裁決議案に同調して制裁を強めるか、それとも、北朝鮮への石油パイプラインや北朝鮮投資さえストップするかという2つの選択肢に直面している。としています。どちらも北朝鮮を怒らせることになりますが、後者の選択は金正恩政権を完全崩壊させる道です。2012年の中国の北朝鮮との貿易額は約60億ドルでしたが、北朝鮮にとって中国は最大の貿易相手国であり、外貨も食料も不足する北朝鮮にとって、最後の生命線と見られています。
追い込まれる北朝鮮は、「核による先制攻撃の権利を行使」を日本(アメリカ軍基地)にも向けるのでしょうか?窮鼠は猫をも殺そうとします。自暴自虐に行動してきた歴史をまた繰り返す可能性は大きいと思います。
(日本は、拉致問題もあり北朝鮮に経済制裁を真っ先に実行した国で、植民地支配の清算もせず、中国や韓国との領土対立も深刻化しており、しかもアメリカ軍基地や54の原発など致命的に狙われる可能性さえあると思いますが、かつて日本海に盛んにミサイルを撃ち込んだころにも、日本を敵視する威嚇報道がありました。かつて、2007年頃の朝鮮労働党関係者の講演では「原発をミサイル攻撃することで、日本国を地球上から消し去れる」とまで言っていたのです。・・・P)
しかし、日本では、北朝鮮が核実験を実施した現在の状況などを考慮し、朝鮮学校の援助の予算執行までもを凍結などさせていますが、韓国民の感情は、反北朝鮮ではなく、むしろ、北朝鮮を追い詰める日本の側に批判が強まっていることを日本人は理解できていません。
アメリカが北朝鮮を攻撃した場合、アメリカの基地がある同盟国日本こそが、韓国民の真の敵であり、拉致問題で北朝鮮強硬路線をとる、日本人がアメリカを炊きつけたのだから。韓国人は北朝鮮と共に日本とこそ戦うべきと言う、一見ジョークのような、屈折した若者の意見が意外にも多いのです。
中国にも同じような意見があります。日本はアメリカを使って沖縄いじめているとか、中国領土・釣魚島に軍事侵略しようとしているとか・・最初は竹島に関連した韓国民のジュークかとも思いましたが、2009年の韓国内で行われたアンケートで「アメリカが韓国政府の同意無しに北朝鮮を攻撃したら?」という問いに「北朝鮮を助ける」が47.6パーセントと過半数近くも占めて、「日本を攻撃する」という意見が21.2パーセントにもなっているのです。
(また、韓国人の小学生のアンケート(2009年)で「嫌いな国はどの国でしょうか」との質問に、「1番嫌いな国は日本だ」との回答者が67%で、2番目に嫌いなアメリカの回答(12%)を大きく引き離しました。2011年06月の韓国国内の400校以上の中高校生を対象に実施した調査では、44.5%の中高校生が「現在の1番の敵は日本」と回答しており、2番目に敵とされた北朝鮮(22.1%)の回答を大きく引き離しました。)
(2009年の韓国政府の白書では、朝鮮戦争後の北朝鮮との軍事緊張等で、死亡した韓国側の犠牲者は310人以上で、北朝鮮に拉致された韓国人は3,811人だそうです。拉致された人々は連絡が途絶え、北朝鮮飢餓のニュースさえ身近に伝わってくる状況の韓国なのに?アメリカが北朝鮮を攻撃すれば、北朝鮮と一緒になって「日本」と戦うとは?。私はまったく理解に苦しみます。アフガンやイラクでアメリカが軍事行動を取ったのは、アメリカの利益のためで、日本のためではありません。しかも戦後に平和国家となった日本は、もう、どの様な国とも戦いません! P)
これは、金正恩の母が元日本人(母親は戦後1962年に両親と共に北朝鮮に移住した高英姫さんです。大阪の在日朝鮮人夫婦の子供として生野区で日本人として生まれ、日本語をしゃべり、日本文化で育った元日本人(在日二世)で、大阪の生野区北鶴橋小学校に学びました。彼女の父親は、1930年代当時は、日本軍の制服を製造する廣田縫工所で働いていていました。)だからでもありません。(父の金正日が大の日本好きで、日本映画好きで、専属料理人に日本人を使用していたことなども有名ですが、金正日の父は金日成ではなく実は日本人(日本軍が残した残置諜者)だったと言う有力説さえあります。また、金正日は、2002年には文鮮明の80歳を祝って、祝賀メッセージとプレゼントを贈るなど統一教会との繋がりも最近あり、その統一教会と日本の岸信介元首相との繋がりなども有名です。)
韓国の太陽政策の影響が大きくあるのでしょうか ? 。
実際に 北朝鮮が崩壊すれば、2,400万人の同胞が難民化し、実際、飢える北朝鮮の人民の面倒を見なくてはいけないのは、韓国です。ドイツの時とは全く違い、北朝鮮の実態経済は平壌を別にすれば、悲惨な状況です。
北朝鮮の核開発問題解決のための周辺関係6各国協議とは核問題だけでなくアメリカ、韓国、中国、ロシア、日本が協同で北朝鮮の崩壊・難民化防止のための経済援助を行うスキームでもありました。
現状で北朝鮮が崩壊すれば、韓国の国民一人あたりのGDPもいっきに低下するとみられているのです。しかも、北朝鮮の同胞の血を流すだけでなく、朝鮮戦争の時のように、地理的に近いソウル近郊をはじめとした韓国や中国にも大きな犠牲が出ることが推定されます。そして、難民は韓国・中国に(一部日本にも)向かいます。
そんな、戦争のイニシアチブを、アメリカが取るのは同盟国の日本の意思でもあると考える人がイラク戦争後には、意外と多いのです。朝鮮戦争の二の舞はごめんなのが本音でしょうか?どのような挑発があろうとも、度重なるテロや犠牲があろうとも、北朝鮮への攻撃には、多くの韓国民が反対(2009年アンケートでは、北朝鮮を助けると日本と戦うとの合計は68.8%)していることは事実のようです。
(朝鮮戦争時は日本は朝鮮特需に沸いて景気高揚しました。朝鮮戦争に関して、日本には戦争の実体験がないのが現実です。一時は韓国の9割までが北側に占拠されますが、アメリカ軍は38度腺まで押し返しました。本土での地上戦闘が3年間も続き戦線が絶えず移動を続けたことにより、地上戦が数度に渡り行われた都市も多く、最終的な民間人の犠牲者の数は200万人とも言われ、半島全体で約400万人~500万人の犠牲者が出たとも言われます。北朝鮮側の死者250万人、韓国側は133万人で大多数が一般市民で、その後の南北の国家分断で家族が離れ離れになった約1000万人の離散家族が発生しました(離散家族再会事業で一部には面会が実現したものの、未だに離散家族は分かれて暮らし、行方不明者が多くいます。)中国の犠牲も大きく80~90万人の死者(志願軍約40万人と人民解放軍が約50万人)が出たと言われます。
戦前の植民地政策だけでなく、戦後も朝鮮戦争(朝鮮半島の人々の血と汗)のおかげで、日本は復興・繁栄できたという人もいます。最終的には、朝鮮戦争はアメリカとソ連の代理戦争でもありました。中国の参戦でアメリカは休戦を選択しますが、もし休戦せずに朝鮮戦争が継続していれば、日本民族まで分断された可能性も否定はできません。実際、ベトナムではアメリカは、反戦世論の力もありましたが、結果的には敗退しました。(ベトナムでも韓国兵は血が流され、朝鮮戦争後の冷戦時代には日本などの自由主義陣営の防波堤にさえなり、民族同胞は未だに引き裂かれたままです。確かに、朝鮮戦争の兵站部として日本は分断の被害を免れ逆に特需で繁栄し、ベトナム戦争でも兵站部となり、イラク戦争では英国と同様にアメリカを最初に炊き付けたのも日本で、拉致問題を契機に北朝鮮に真っ先に経済制裁を実施したのも日本でした・・・しかし、結果責任は全て免れています。
アメリカの戦争の兵站基地を演じる日本だけが平和で繁栄していることに批判もあるようです。
仮に北朝鮮による核兵器使用の兆候をつかんだ段階で先制攻撃する抑止戦略をとるアメリカ軍を止める力は6カ国協議に参加する周辺諸国でしかなく、その中でも、唯一の平和国家の日本こそが(拉致問題解決のためにも)中心的役割が果たせるはずなのですが。安倍首相は第二のカーターに、果たしてなれるでしょうか。P
昨年の報道
挑発大国の北朝鮮の暴走は、今に始まったことではありません。歴史はまた繰り返すものです。
朝鮮戦争後も北朝鮮政府は対南工作ともいう「暴力革命推進」戦略で韓国内で幾つものテロを実施し韓国要人の暗殺を実施しています。 主なものでは朴正煕元大統領を狙った1968年の1・21青瓦台事件、1970年の国立墓地顕忠門爆破事件、1974年の陸英修狙撃事件等がありました。
1980年10月中央軍事委員会書記に就任した金正日は公式に金日成の後継者として活動を開始し、1982年2月には最高人民会議代議員に選出されました。1981年9月、オリンピックの開催地ソウルが決定されます。当初、北朝鮮側はソウルオリンピックに共催を要求しました。結局、その後交渉は破綻し韓国側の単独開催とされます。金正日体制でテロは活発化しました。
1983年ミャンマーを訪問した全斗煥大統領を狙った北朝鮮のテロでは韓国の17人の官僚が殺害されました。北朝鮮による謀略行為であると明らかになると、ミャンマーは北朝鮮政権との国交を断交しました。
1986年ソウルでのアジア競技大会直前の金浦空港で爆発の北朝鮮テロが発生し5人が犠牲になりました。
しかも、韓国では民主化デモが起こり、1987年6月29日には民主化宣言がされ、民主化した韓国がソウルオリンピックを実施することになり、国際社会はこれを評価しました。
是に対して1988年のソウルオリンピック阻止を目的に北朝鮮は、1987年11月29日に大韓航空機爆破事件のテロを実施します。乗客・乗務員115人が犠牲になりました。
1993年北朝鮮は、準中距離弾道ミサイル「ノドン1」を日本海に向けて発射実験します。これは、イランと石油の取引を狙う北朝鮮が、イランに対して北朝鮮のノドンミサイルの売り込みを行うための宣伝実験といわれました。そして、北朝鮮は黒鉛減速炉の原発を開発し、核弾頭の原料となる高純度のプルトニウムを生成するようになったため、アメリカ政府は北朝鮮政府に対し核開発の放棄を要求します。1994年に北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)を脱退して1次北核危機が発生しました。
核開発を推進してテロ国家に武力を提供する北朝鮮の動きに対してアメリカは、ついに北朝鮮を爆撃攻撃して強行阻止することさえ検討し始め、ソウルでは実際に市民の大規模な避難が行われるなど、朝鮮半島では朝鮮戦争以来の戦争の危機が迫りました。
当時、アメリカは寧辺爆撃まで具体的に検討していることが公表され、韓国政府は準戦時体制をとりました。
しかし、ジミーカーター(アメリカ元民主党大統領)の訪朝で、米朝間のジュネーブ合意が成立します。
しかし、挑発は続きました。
1996年に韓国の江原道国体の際にテロ目的に江陵潜水艦武装共匪事件を起こし、民間人を含む15人が犠牲になりました。
1998年北朝鮮は、準中距離弾道「テポドン1号」を日本上空に向けて発射しました。
2002年1月にアメリカのブッシュ大統領は一般教書演説において、テロ支援国家として北朝鮮を含む数カ国を「悪の枢軸」国と呼んで非難します。そして、アメリカは、9.11同時多発テロの犯人隠蔽疑惑を口実としてアフガニスタンに軍事侵攻し、タリバン・アフガニスタン政府を滅亡させます。
2002年6月、韓日ワールドカップ(W杯)決勝戦が行われた際に、北朝鮮軍は、2次延坪海戦で韓国軍の高速艇を沈没させ6人が犠牲になります。
また、アメリカは2003年3月19日、イラクに対して大量破壊兵器保有疑惑を口実として、トマホーク(コンプピュータ誘導の小型低空ミサイル)を大量使用した奇襲・先制の軍事攻撃をバクダットに実施してイラク戦争を開始します。そしてフセイン・イラク政府を滅亡させました。
悪の枢軸国とアメリカに名指しされた、北朝鮮は、アメリカの(アフガン・イラクの)次の行動の恐怖に怯えました。
その後、2006年7月に日本海にミサイル7発を発射し、北朝鮮は2006年に最初の核実験を実施しました。2009年には2度目の核実験を実施し、2009年の核実験直後に大青海戦で北朝鮮軍は韓国軍を挑発しました。
2010年3月、金正恩デビュー時代になっても北朝鮮軍は、白リョン島沖で韓国軍艦を爆沈させ、韓国海軍46人が犠牲(内6人は行方不明)となります。2010年11月には長距離ミサイルで延坪島を砲撃し、韓国海兵隊2人と民間人2人が犠牲になりました。