案山子だより

菜園日記。日々の生活記録。

新しい年

2024-01-01 07:38:25 | 日記
だんだんお正月らしいことをやめている。
年賀状も書かないし、初詣も帰省も省略。

ただ、新年に読みたい詩がある。

    元旦に
           井上 靖

門松を立てることも、雑煮をたべる
       ことも、賀状を出す
ことも、実は、本当を言えば、なに
       を意味しているかよ
くは判らない。しかし、これだけは
       判っている、人間の
一生が少々長すぎるので、神さまが
        それを、三百六十      五日ずつに区切ったのだ。そして、
       その区切り、区切り
の階段で、人間がひと休みをすると
          いうことだ。
私は神さまが作ったその階段を、ず
       いぶんたくさん上が   って来た。今年はその五十段目だ。
       昭和三十ニ年の明るい陽の光を浴びて、私はいまひと休
       みしている。はるか
下の方の段で、私の四人の子供たち
       も、それぞれ新しい
着物を着て、いまひと休みしている。

 もう一篇
 昨年、セミナーで、黒田三郎さんの息子さんが、ピアノ弾き語りでメロディをつけていた。

     新 年
          黒田 三郎

息子たちよ娘たちよ
遠くにいる友人たちよ
何は無くとも心は豊かに
新年おめでとう
小さな暖炉の火のように
燃える怒りと悲しみを
お互いの胸に秘めて
今日一日はしずかに
新年おめでとう
世界中に無法や理不尽は
絶えない
死の商人やテロリスト
残虐や無道
利権は蜘蛛の巣のように
はびこっている
きらきらと輝く星のような
誇りと自信を
お互いの心に秘めて
今日一日はしずかに
新年おめでとう