心境は複雑

先日いや正確には先夜だが、
久しく記憶にない徹夜をした。

珍しく息子がつりに行こうと誘ってきた。
リタイア後はつりにも行くつもりでいたが、実現はしていない。
２０数年来つりとは縁が切れていた。

本格的にやったことはないし、素人同然。
しかしながら自慢ではないが、つりには少々自信がある。
何しろ船づり、磯づり、川、湖、渓流などのどのパターンでも
たいてい釣果は常に1,2番の成績を上げていた。

二つ返事で勇躍出かけることにした。
夜１０時過ぎ出発、千葉の房総沖、勝浦、御宿に向かう。
途中釣具店でえさを買い求めながら情報収集もし、
１時ごろには目的の場所に着いた。


既に多くの釣り人たちが集まっていた。
中には深夜にもかかわらず、小さな子供連れの家族がいたのには驚きだ。
ようやくのところでつり場所を確保して準備にかかる。

釣具の店主の話とはうって変わって
竿出しから１時間たってもピクリともしない。
それとなく周りの人たちの様子を見ても、
まったくと言っていいほど釣れてはいない。
何しろ前日その店主が同じ場所でアジが20数匹つれた
との情報をくれたのだが、
無慈悲にも１ぴきもつれないで時間だけが過ぎてゆく。

やがて市場の開場準備が始まり、場所を移動させられる。
３０分ほど粘ったがやはり音沙汰はない。

業を煮やして近くの御宿に移動することにした。
雨模様のせいか、釣り場に着くとほとんど人がいない。
半信半疑で糸を垂れる。
すぐに当たりがやってきた。
小さなふぐだ。残念。

息子はさびきでアジを吊り上げはじめた。
連続して釣れている。
１０数匹を吊り上げ少し上機嫌になっている。

こちらは大物狙いとばかり、意地になってイソメを餌にがんばったが、
食いつくのはふぐばかり。しかも小さい。

針をはずそうとするとふくれっつらで刃向かう。
ふくれっつらをしたいのはこちらの方だとばかりリリースする。
結局食味できる魚は得ることが出来なかった。
残念。

かくして孫たちには自慢の腕前を披露も出来ず、
父親を盛り立てる役目を担う羽目と相成った。

何やらもやもやと複雑な心境だ。
それにしても疲れた。
歳かな？