個人的な考えは、人口減少を日本だけで食い止めようとは思わぬ方がよいでしょう。
ドバイをみると、外国人の人口の方が圧倒的に多く、ちゃんと経済が成り立っているからです。
極端な事例かもしれませんが、日本はもっと移住又は出稼ぎ労働者を、制限を設けながらも
もっと受け入れることを考えるべきだと思います。
私が考える制限とは、一部の「間違った教育を受けた国民」を受け入れないということなので、
反対される方も多いのではないかと考えますが、それであっても日本の文化に馴染める人たちは
うけいれても構わないと思っています。
いろんな考えがりますが、日本政府は成長と豊かさを継続するためには、早く手立てを考えねば
いけないのではないでしょうか?
下記のようなコメントを見つけましたので、紹介いたします。
人口減少が諸悪の根源のように言われるが、経済学の歴史で見ると、人口増加こそ諸悪の根源だった。
古くはマルサスである。産業革命以前でも人類が豊かになる兆しはあった。農耕の発明、国家統一による
社会秩序の安定、大帝国の成立による交易の利益などなどである。狩猟採集で暮らすことのできる人口は
100平方キロメートル(10キロ四方)あたり数人である。江戸時代、1町歩(100メートル四方)あれば立派に
家族が養えた。土地生産性は1万倍に上がっている。人手で耕さなければならないので、労働生産性が1万倍
になることはできないが、それでも少しは上がるだろう。人類は豊かになっても良かったのだが、少しでも
豊かになれば子供が生まれ、人口が増加し、一人当たり耕地面積が低下して、人類は貧しいままだった。
社会秩序の安定や交易から生まれる利益は、すべて人口増加に吸収され、一人当たりで豊かになることはなかった。
これが、マルサス人口論の教えである。
その後の開発された経済成長理論でも、人口増加は一人当たりの資本を減少させて人類を貧しくする要因である。
実際に、長期の一人当たり実質GDPの成長率と人口増加率を見ると、人口増加率の高い国ほど一人当たり実質GDPの
成長率が低いという関係がある。これは韓国や中国のような人口成長率の低い国の一人当たりGDPの成長率が高く、
フィリピンやインドのような人口成長率の高い国で一人当たりGDPの成長率が相対的には低いことから納得して
いただけるだろう。
人口減少論は責任逃れのため
ではなぜ人口減少が諸悪の根源というような議論が日本で盛んなのだろうか。
第1は、人口減少がトレンドとして続いていけば、日本という国がなくなってしまうから大変だということ
なのかもしれない。このままの人口成長率が続けば、後1000年たたないうちに最後の日本人が生まれることになる。
第2は、高齢化の負担がとんでもないことになるからだ。本欄(原田泰「無責任な増税議論 社会保障は削るしかない
税と社会保障の一体改革に欠けている論点」2011年12月06日)で書いたように、現在のレベルの高齢者の社会保障を
維持するためには、60%の消費税増税が必要になる。しかし、これは人口減少の問題ではなくて、高齢化の問題だ。
現役世代に対して高齢世代が増えすぎたから起こっている問題である。
第3に、人口減少は、とりあえず誰かのせいにすることが難しいので、責任逃れには都合が良いという理由がある。
現役世代に対して高齢世代が増えすぎたから社会保障会計の赤字が生じていると認識すれば、高齢世代の社会保障支出を
減らすしかないと議論することになるが、人口が減少しているせいだとなれば、人口を増やせばよいとなる。デフレは
人口減少によるとしておけば、日銀のせいではなくなる。経済成長率が低いのは人口減少のせいだとしておけば、
とりあえず誰のせいでもなくなる。
戦前は人口増加が問題だった
一方、戦前の日本は、人口圧力に人々は真剣に悩んでいた。日本は人口過多の国だから、男は兵隊になって海外領土を
確保しなければならないと思い込んでいた。植民地や海外領土を得ることに一生懸命になっていた。満州事変で満州国を
成立させたとき、日本人が熱狂したのも、広大な領土が手に入って、日本が人口圧力から逃れられると思ったからだ。
ところが実際には、人々は満州には行きたがらなかった。移住者の多くは朝鮮籍日本人で、日本人移住者の多くは軍関係者、
満州鉄道及びその関係企業の日本人だった。30歳の東京地裁判事、武藤富男は、満州国に赴任するにあたって、
年棒6500円を支給されたと書いている。当時の大審院長(最高裁長官にあたる)の俸給と同じである(武藤『私と満州国』
16-17頁、文芸春秋社、1998年)。軍関係者も満鉄関係者も満州国赴任官吏も、皆、日本の俸給の数倍になる手当を
もらわなければ行かなかった。農民を呼び寄せる手段は、地主になれるという触れ込みだった。実際に満州国に来たのは
中国人だった。満州国の人口は1930年から40年代の初期にかけて3000万人から4500万人に増えていたが、日本人はその5%も
いなかった。昭和恐慌から急速に回復した日本はもはや人手不足になっており、満州国に行く必要がなかったからだ。
空想の人口圧力論で満州国を奪ったのだが、いざ奪ってみると人口圧力はすでに解決されていた。本来、人口が
減少することは、生産性を高めることだ。人口が減れば、少なくとも土地生産性は高まるはずだ。江戸時代と異なって、
少ない人数で広大な農地を耕す様々な方法がある。なんでも人口のせいにするのは止めた方がよい。