日本帝国の軍事力、とくに航空母艦を世界で最初に就役させた海軍とその人員の高い技術、練度は、米軍にとって太平洋を挟んで向かい合う脅威だった。海軍航空の先駆者となっていた日本海軍は、真珠湾のアメリカ艦隊攻撃に空母を使用し、このとき以降、航空母艦の果たす役割が両国海軍戦略の要となる。太平洋戦争緒戦の日米航空母艦が装備した航空機と強力な艦上備砲、さらに敵手として戦った両国海軍航空搭乗員・砲術員の育成システムを紹介。米海軍退役情報士官が「米軍の視点で」1942年の日米空母“対決”―珊瑚海/ミッドウェー/第二次ソロモン海戦を分析する。
三菱A6M2 零式艦上戦闘機
乗員1名
兵装;7.7mm機銃2挺、20mm機銃2挺
最高速度;高度4,550mで533.4km/h
航続距離;増加燃料タンク付で3,520km
愛知D3A1 九九式艦上爆撃機
日本海軍では、自軍の急降下爆撃機を「艦上爆撃機」または「艦爆」と呼称していた。
乗員2名
兵装;胴体下に250kg爆弾1発、翼下に60kg爆弾2発
機首固定7.7mm機銃2挺、後方旋回機銃7.7mm1挺
最高速度;高度2,320mで381km
航続距離;1,472km
中島B5N2 九七式艦上攻撃機
日本海軍が飛行機隊を構成したもうひとつのカテゴリーは、「艦上攻撃機」または「艦攻」と呼んだものである。この航空機種は、目的に応じて電撃機あるいは水平爆撃機として運用できる機能を有していた。
乗員3名
兵装;魚雷1本または800kgまでの爆弾、後部7.7mm旋回機銃1挺。
航続距離;978km
空母「赤城」
排水量;36,500トン
全長260m、全幅31m 喫水8.7m
最大速力;57.78km
搭載気数;91機(常用63機)
航続距離;15,190km
乗員;2,000名