N ’ DA ”

なかなか勝てない馬がいる。今日もその馬が走る。
がんばれ、と声が出る。
まなざしは、ゴールの先を見つめている。

パンターvs T-34 ウクライナ1943

2021年03月28日 12時09分16秒 | 読書・戦争兵器


パンター戦車とT‐34、独ソ両軍を代表するこの主力戦車について、その戦闘力や弱点、運用法や戦術、そして乗員の訓練まで、あらゆる角度から徹底分析!第2次世界大戦最大の地上戦、その行方を決めたクルスク戦以降の戦いに焦点を当て、両軍の戦車兵の目線も重視しながら本書は鋭い分析を加えている。詳細な戦闘序列を元にしたデータにも注目。臨場感ふれる写真とイラストは、巨人の激突と呼ぶにふさわしい、呵責なき死闘となった数々の激戦をありのままの姿で、その目に焼き付けるだろう。

T-34
★生産期間
T34/76 1940年9月~1944年3月
1943年型T34/76 1943年10月~1944年3月
★生産台数
T34/76;34,902両
1943年型;10,760両
★戦闘重量;30.9トン
★乗員4名;車長、装填手、操縦手、無線手
★諸元;全長6.75m・車幅3.0m・全高2.6m
★装甲
車体前面45mm(垂直面から60度)
車体側面40mm(40度)
車体背面40mm(48度)
車体上面16mm
砲塔正面52mm(60度)
砲塔側面52m(30度)
砲塔背面52m(30度)
砲塔上面15mm
★弾薬
主砲;100発
機関銃弾;3,600発
★機関
エンジン;V-2 12気筒ディーゼル・エンジン
燃料;610リッター
★機動性能
路上最高速度;55km
不整地最高速度;40km
航続距離;432km:路上
燃費:路上;1.41リッター・不整地;1.65リッター
★武装
主砲;76.2mm戦車砲F-34
副武装;7.62mmDT機関銃×2
主砲射撃速度4~8発/分

パンター

★生産期間・台数
D型 1943年1月~9月;842両
A型 1943年8月~1944年7月;2,200両

★戦闘重量;44.8トン
★乗員5名;車長、装填手、操縦手、無線手・砲手
★諸元;全長8.86m・車幅3.42m・全高2.95m
★装甲
車体前面80mm(垂直面から55度)
車体側面40mm(50度)
車体背面40mm(30度)
車体上面16mm
砲塔正面100mm(12度)
砲塔側面45m(30度)
砲塔背面45m(30度)
砲塔上面16mm
★弾薬
主砲;79発
機関銃弾;4,200発
★機関
エンジン;V-2 12気筒ガソリン・エンジン
燃料;720リッター
★機動性能
路上最高速度;55km
不整地最高速度;30km
航続距離;路上250km・不整地100km
燃費:路上;2.8リッター・不整地;7.3リッター
費用;51,600ドル
★パンターの砲塔
75mm戦車砲
7.92mmM34 車体機関銃×2
マズルブレーキ;複穴式砲口制退器
主砲発射速度3~5発/分

傾斜装甲

ディーゼル・エンジンを開発したのは、ドイツ人技師のルドルフ・ディーゼルであったが、彼は普及を見ないまま1913年に事故死している。
ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンよりも熱効率に優れ、同じガソリンエンジンに比べても1.5倍の航続距離が期待できるうえ、燃料の融通性も高く、引火しにくい特性があった。
実際、Uボートはディーゼル・エンジンを採用して成功を収めていたため、本腰を入れれば戦車用のディーゼル・エンジンも開発できたはずだが、当時ディーゼルを戦車の主力エンジンに採用していたのは、ソ連と日本だった。

フランス戦役までは、ドイツ軍戦車部隊は現地のガソリンスタンド捕獲物資から燃料を得られたが、モータリゼーションが進んでいなかったソ連ではガソリンの現地調達は難しく、捕獲した燃料物資も軽油が多かったため、戦車には使い物にならなかった。

ソ連軍の補給組織は非常にお粗末で、「バアさんの野戦食」--すなわち、現地徴発に頼る他はなかったのである。そうでありながら、アルコールだけは豊富で、戦闘前になると、ソ連軍指揮官は兵士の飲酒を寛大に認めるようになった。
戦車兵たちは、車体が炎上するか主砲が射撃不能になるまでは、戦車を放棄することは許されなかった。これに違反すると懲罰大隊送りになる。このように、敵に対するよりも、むしろ内務人民委員部(NKVD)に対する恐怖から、戦車兵は最後まで戦車から離れようとしなかった。

ソ連の分析では、T-34に対する命中弾のうち81%は車体に命中し、砲塔への命中は19%に過ぎない。命中のうち貫通弾は半数を下回っている。
戦車同士の遭遇戦のうち60%は200~600mの間で発生し、10%は100m以内となっている。
ディーゼル・エンジンによって火災に強いはずだったT-34であるが、それでも25%の車両は火災を起こしている。
ソ連軍戦車兵の損害は酷く、乗車が破壊された場合に生き残れる戦車兵は25~30%だった。




読者登録

読者登録