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なかなか勝てない馬がいる。今日もその馬が走る。
がんばれ、と声が出る。
まなざしは、ゴールの先を見つめている。

P-51マスタングvsフォッケウルフFw190   ヨーロッパ上空の戦い1943-1945

2021年03月26日 06時27分55秒 | 読書・戦争兵器


第二次大戦のライバルとなった歴史的な戦闘マシンを比較!ヨーロッパ上空の攻防戦において、熾烈な死闘を演じたことで真っ先にその名が挙がるのは、アメリカが最優秀戦闘機として誇り、今や存在そのものが伝説と化しているP‐51マスタングと、これもドイツがピストンエンジン迎撃機の最高峰として提示したフォッケウルフFw190Aの取り合わせだろう。敵味方双方の代表的マシンをとらえ、その開発、乗員の訓練、戦術、戦闘記録から双方にアプローチ。スペックだけではない、歴史上の戦場での運用と実際を写真、イラストと文章記録で分析・比較する英国OSPREY社DUEL(決闘)シリーズ日本語版。

P-51マスタング・・・アメリカ製の機体と、イギリス製エンジンとの「国際結婚」。

K-14ジャイロ内臓射撃照準器

計器板の中央真上に据えられた照準器本体の上には、透明ガラスが手前に傾けて取り付けられていて、パイロットはこれを真正面に見ることになる。スイッチを入れると、ガラスパネルの中央に黄色い光点が浮かび上がる。これは「ピッパー」と呼ばれていた。パイロットはスロットル・ハンドルに付いた調整グリップで、この直径を拡大または縮小し、目標を「囲い込む」。この作業が完了すると、照準器が射撃に必要な見越し角度を自動的に算出・表示してくれるので、パイロットには撃墜のチャンスがそれだけ増えるとされていた。


P-51Dが第8航空軍に配備され、前線投入されたのは、ノルマンディ上陸Dデイ直前だった。
スピードと機動性の両面でドイツ空軍を圧倒し、無敵の高高度戦闘機・護衛機としての地位を瞬く間に確立した。また、本機の機動性を最大限活用すべく、パイロットたちには、初の試みとして抗Gスーツが支給された。
急激な旋回やダイブからの引き起こしをおこなうと、ふくらはぎ、大腿、体幹下部を圧し包むように自動的に膨らむ機能を備えた飛行服であり、頭から瞬時に血が下がってブラックアウトを起こすのを防ぐ狙いがあった。戦闘を終えて帰還してくるマスタングを見れば、決まって翼が歪んでいたり、リヴェットがあちこち弾け飛んでいたりするのだった。
P-51Dは1945年8月に生産終了となったが、マスタング系列の総生産数は、15,484機にのぼった。

P-51D/Kは、ブローニング製の.50インチ機銃×6挺を搭載。
給弾不良の問題は解決、信頼性が高まった。

フォッケウルフFw190
ダイムラー=ベンツ社の星型空冷エンジンを搭載

フォッケウルフFw190 A-7機首武装
口径13mmのMG131機銃×2挺を装備
主翼武装;両翼に2問ずつ搭載された口径20mmのMG151/20機関砲×4である。

2,080マイルというマスタングのずば抜けた後続距離は、当時の戦闘機としては類を見ない。
これは内部タンクと、外装のドロップ・タンクとの組み合わせで実現したものだ。
翼内燃料タンクの容量は92ガロン×2、
翼下面には75ガロンのドロップ・タンクが左右各1個装着され、
さらに胴体内コックピット背後にも85ガロン入りが追加された。
■4.546 09 リットル

85ガロンの胴体内タンクを満杯にした状態で、きつい旋回をすると、重心が後退している関係で、操縦桿が反対側に逃げ、これを戻そうとしなくても機体は勝手に急旋回する。
その様子ときたらまるで「妊娠した豚」を見ているようだったーーー
とは、よく引用されるパイロットたちのP-51評である。

標準的な手順では、離陸したら真っ先に胴体内タンクの30ガロンを消費し、それから外部タンクに切り替える。
燃料タンクの切り替えは、盤面に5個のタンクを表示したセレクターで実行する。
これはコックピットの計器板の真下、操縦桿のすぐ前方に位置している。

燃料遮断バルブ
燃料タンク選択バルブ
後方レーダー警告ランプ
旋回計
上昇率指示器
エンジン温度計
積層ガラス


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