年々ますます深くなり、複雑化する都市の地下鉄。川を凍らせ地上から巨大トンネルを埋める工法やシールドトンネルによる大深度地下鉄の建設など不可能を可能にする、驚きの技術を大解剖。乗客誘導のためのエレベーターの配置やデザイン、サインの改良、費用削減への駅の努力も紹介する。東京メトロ・都営地下鉄を中心に全国の地下鉄の駅の仕組みと進化に迫る!
シールド工法は、シールドマシン;掘削機を地中に埋め込み、掘り進めていく工法で1日10m進む。掘削機を投入する部分は地上から掘削するが、その後は地中を移動しながら掘り進むので、地上の構造物や交通にあまり影響を与えないで済む。
掘削機は円筒形で、円の直径は、そのまま完成した時のトンネルの大きさになる。
単線用3.9m、複線用9.8m
地下鉄博物館
昭和2年、東洋初の地下鉄駅
浅草駅~上野駅間(2.2km)は現在の東京メトロ銀座線の原型である。
運賃は10銭
東京メトロ一の深さ
千代田線の「国会議事堂前駅」
千代田線のホームは丸の内線よりさらに深い位置に建設され、地上から38mにも及ぶ。
皇居の下を走らないわけ?
ちょうど皇居の周りの内堀あたりを綺麗にかわすようにトンネルが掘られている。
これは地下を走る鉄道ならではの問題にある。
地下鉄の建設に必要なものの1つとして、「換気口」がある。
空気が通るということは、人の出入りも考えられるので、この換気口がテロ犯罪につながりかねないためだ。警備を強化してまで換気口を通すより、初めから皇居の下を走らなければ、そのようなことを懸念しなくても良いのだ。ほかにも、電車の運行しない深夜帯での犯罪に利用されないためでもある。
皇居の下を地下鉄が通らない代わりに、皇居周辺には
大手町、竹橋駅、半蔵門駅、永田町駅など、多数存在する。
~~土地の買収:地権者との交渉~~
地下鉄の建設には、地上の鉄道と同じように土地の権利が発生する。
「区分地上権」;その土地の地下や空間でも、工作物を所有するために、その土地を使用する権利のこと。他人の土地の真下に建設する場合、地主の承諾が必要になる。
地下鉄の運営は、行政が主体となった「交通局」;東京都交通局や横浜市交通局のようなもの;であることが多い。
トンネル建設を道路下で行うことで、区分地上権を発生させることなく運営をしていけるからである。高度成長期、地下鉄建設ラッシュを呈した営団地下鉄が、東京都と政府の出資で作られた特殊法人だったのも理解できる。
「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」
地下40m以下の大深度で建設される公共構造物は、国土交通大臣の許可を受けていれば、土地所有者への補償をしなくてもよい、というものである。
~~日本一長い大江戸線~~
~~1日、758万人をさばく工夫~~
現在、東京メトロに導入されている発車標は、日本信号㈱が開発した、薄型液晶パネルを使用したものである。