豆猫日記 すべてはうまく行っている♪♪

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『ぐるりの事。』

2008-08-17 14:25:36 | 映画
ずっと気になっていた『ぐるりのこと。』
胸が締め付けられました



木村多江とリリー・フフランキーが主演と言う
絵的には限りなく地味だけど
かなり心惹かれるキャスティング。

そして作品のキャッチコピー

「めんどくさいけど、いとおしい。
 いろいろあるけど、一緒にいたい。」

既に観る前から期待大で
絶対感動する!!
そんな想いで映画館に行きました。



ところが・・・


この夫婦役の二人にどっぷり感情移入
感動どころか痛くて痛くて・・・



生真面目な性格の妻・翔子(木村多江)と
ちょっと軽~い性格の夫・カナオ(リリー・フフランキー)
初っ端の夫婦喧嘩から笑わせてくれるこの二人。
全編通して、すごく自然体で
まるでどこかの誰かさん達を観ている思い。

初めての子供を亡くし鬱になって苦しむ翔子。
翔子が苦しみのあまり号泣するシーンでは
もう、感情が入り込んで入り込んでしまい
翔子の痛みと悲しみに同化して
本当に苦しかった。


そこまで入り込んでしまった自分にも驚き
動揺してしまったほど。


普段はいい加減男のカナオは
そのいい(良い)加減さで持って
翔子から逃げ出さずに淡々と寄り添っている。

おちゃらけた事をよく言うカナオが
時々もらす、静かだけれど深い心のぼやき。
それもまた、じ~んと心を揺さぶる。


「泣いたら本当に悲しんでるなんて思わない」


カナオはカナオで心に深い傷を背負っている。
カナオはカナオの愛と優しさでもって
しっかり翔子を受け止めてくれるのです。



お互い、感情も考えた方も違う他人。
だから喧嘩もするし
相手がなんでそんな所でつまづくのか
よくわからなくても
いろいろあってめんどくさくても
逃げ出さず、一緒にいる。

夫婦で色んな事を乗り越えていくと言うのは
つまり、何が起きてもお互いから
逃げ出さない事なのかもしれない。


まさしく、キャッチコピーの

「めんどくさいけど、いとおしい。
 いろいろあるけど、一緒にいたい。」

です。


いろんな事を乗り越えた10年。
最初は「本当にこの人でいいの?」と
言っていた翔子の母親が
「この子をよろしくお願いします」と
深々とカナオに向かって頭を下げる。
泣けました~



この作品には二人の他に
すごいキャストや法廷など
紹介したい事がたくさんあります。
でも、それはあえて今回はパスします。



他人同士が一緒にいる事の難しさ
それ以上に「ふたり」一緒にいる事の素晴らしさ。
それをこれでもか!!
って程、感じさせてくれた作品です


パートナーがいる人もいない人も
ぜひ観て欲しいです



それにしても、リリーさんの演技
あまりの自然体さがすごくいい~
気は早いけど今年の日本アカデミー賞
主演男優賞と女優賞はぜひこのお二人にあげたい