退院に向けて

明日、父と母が退院します。

今日は最後のリハビリです。
しっかりと立つこと。台座が上がるベッドを使い、支えてもらいながら、自分の足でしっかりと立つこと。
背中をまっすぐにして、ひざを伸ばしてまっすぐに立つことを練習しています。
リハビリのあった日は、父は元気でした。
お口のリハビリもしていただきました。
体全体に力がでてきて、飲み込む力が出てきました。
本当に、ありがとうございました。

ICUから始まり、酸素、点滴、お鼻からのけいかん栄養、きざみ食、リハビリ。
この２ヶ月、病院のみなさんには、本当にお世話になりました。

人数が少なくて、とてもきつい仕事だけれど、ナイチンゲールの魂を忘れない看護士さんたちには、
どれほどお世話いただいたことでしょう。

一人でいてころんではあぶないから、そして呆けてしまってもいけないから、
昼間はずっとナースステーションに連れてきて、お話をしてくださり、見守りをしてくださいました。
食事の後には、歯を洗い、口の中をぬぐって清潔にしてくださいました。
じょくそうができてはいけないから、夜中も３時間おきに、体の向きを変えてくださいました。
耳そうじをしてくださいました。
そとで咲いた紫陽花を摘んで、薬の容器に入れてきてくださいました。
笑顔で接してくださいました。
ずいぶん体が動かなくなった父だけれど、一人のおとなの人として、接してくださいました。
心から感謝をしています。

母までも入院となってしまったときに、「３人目はだめですよ」と、
気づかってくださった看護士さんの明るい笑顔に励まされました。
「あと２２年生きなくちゃなりませんからね」と、細かい栄養指導をして下さった栄養士さん。
大事なことをたくさん教えてくださいました。
心から感謝をしています。

そして、ドクター。
命を救ってくださって、ありがとうございます。
ほんとうに、ありがとうございます。

明日からは、ケアマネージャーさんやヘルパーさん方に、お世話になります。
皆さんに助けられて、皆さんとともに生きてゆきます。

そして、私にできることは、
命を救い、人間らしく生きてゆけるようにサポートしてくださる方々自身が、
より豊かに、より誇りを持って、より人間らしくお仕事ができるように、
制度を見直してゆくこと、国や自治体の方向を、人を大切にする方向へ変えてゆくことなんではないか、そう思っています。

浅草の焼肉が食べたいという父さん、きざみ食なので、当分、外では食べられないけれど、
おうちで一緒にご飯を食べようね。