ゆきやなぎ

楚々としたNさん、
悲しいことが長く続き、突発性難聴になってしまいました。
治すには、最初の３ヶ月が勝負だといわれています。
折角、お勤め始めたところも、やめなくてはならなくなりました。
これまでのつらさを乗り越えて、新しい道に踏み出そうとした矢先でした。
それで、ご相談に見えたのです。

彼女は、病気を治して、一時も早く仕事をしたいと思っています。
なんとか生活保護に頼らずにと彼女は思ってがんばってきましたが、
もう、限界です。
いいんです。今は頼ってください。そして、できるだけ耳を治しましょうね。

生活保護の相談窓口で、対応してくださった女性が、
「あなたは何も悪くない。こんなにきちんと計画を立てて暮らしてきたのだから。
だから、今は生活保護を受けて、安心して病院にもかかってくださいね」
と言ってくれるのを聞きながら、
私も一緒に泣いちゃいました。

つらいときにかけてもらう優しい言葉は、
不安で凍りついていた心を融かします。
そうして、涙になって出てくるんだって思います。



歩道のところで、50センチくらいのユキヤナギの小ちゃな木をみつけました。
ユキヤナギは、枝を挿し木すると、次の年にはお花が咲くそうですね。

ユキヤナギの枝のようにか細いようでも、土と水と光があれば、来年には花が咲きます。
Nさんも、たくさんの人に見守られ、きっと可愛らしいお花を咲かせられます。