17歳へ。電話待ってるからね。

17歳へ。
親のありがたみを知ろうとして、外に出て、公園で寝泊まりをする。そして、親のありがたみを知ったと言う。

君たちが、親のありがたみを知ろうとすることは、えらいことだと思う。

でもね、親のありがたみは、もっと後になってからでも、ちゃんとわかるものだよ。

ほんとうに親のことを思うなら、親を悲しませないこと、が大事なんじゃないのかい。

嘘をつかない。卒業に向けて学校へ行く。人をおとしいれるような悪い人とはつきあわない。

君たちには、そのことをこそ、わかってほしい。

いいかい、もう一度言うよ。
今、やるべきことは、公園に寝泊まりして、親のありがたみを知ろうとすることではない。
親を悲しませないこと。親の気持ちをわかろうとすること。そして、ほんとうの自立に向かうこと。

政府の今年の「子ども・若者白書」というのが、きょう決定されたそうだよ。そのなかではね、「自分自身に満足している」と答えた13歳から29歳は、日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの7か国で、日本が一番低いそうだ。

「自分の将来に希望を持っている」と答えた若者も、日本が一番低かったそうだよ。

自分を肯定できない若者を育てている今の社会をつくっているおとなの一人として、本当に申し訳ないと思う。

でもね、17歳。君たちは、今とっても素敵な時間を持っているんだ。それを無駄にしないで。
少しだけ先におとなになっているから、そして、たくさんのたくさんのご相談を受けているから、君たちに伝えたいんだ。親兄弟とも会えなくなるような人生を送ってほしくはない。

私からは電話をしないよ。かけてくれるって言ったから、待ってる。
待ってるからね。