江戸川区議会議員 間宮由美のblog * ひとりじゃないよ。プロジェクト*

希望を届けることが私の仕事です。
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湯沸かし器

2006-12-21 | すてきなひとたち
夜もすっかり遅くなってうかがったお店のママさんから、いい話をうかがいました。
ママさんは、お店を始める前は、ある会社に長く勤めていました。
勤める人一人ひとりが大切にされるようにと、
まだ若い彼女が、社長に何度も直談判をしたそうです。

勝ち取ったものの初めは、トイレそうじのためのブラシとバケツ。
とても汚くて、外に入りにいくようなトイレを、掃除することから始めるために、
ブラシとバケツを買ってもらったそうです。
毎日毎日磨いているうちに、トイレはピカピカ。清潔になりました。
社員の顔も明るくなってきました。

勝ち取ったもののもうひとつは、湯沸かし器。
冬の寒い中、帰ってくる現場の人たちの手は真っ黒。冷たい水で洗うのだけれど、落ちない。
それを見ていた彼女が、何度も何度もかけあって、「いらない」と言っていた社長に
「あったかい場所で働く社長が、社長でいられるのも、寒い外で働く社員がいるからです。
その人たちを大事にしないでどうするんですか。社長が買わないなら、
私が自分のお給料で買います!」
彼女の正当な言い分と、勢いに、とうとう社長は「うん」と言い、
湯沸かし器ゲットとなったそうです。

そのあともすごい。彼女は、自分が言ってあげたよと言うのではなく、
社長がみんなのために買ってくれたよと、社員の人たちに言ったそうです。
そのことで、ぎくしゃくしていた職場は、社長を信頼するようになり、
一挙に変わっていったというのです。

ママがまだ、20代のころのお話です。

   *

一日めいっぱい働いて、とても疲れていたけれど、
いい話を聞いて、疲れがとんでいきました。
今であれば、ひとりで入れる組合もでき、力を合わせて労働条件の改善のために
がんばることができるようになりました。
その草分けともいうべき彼女の行動。
一人一人が大事にされるようになれば、職場の雰囲気はよくなり、
仕事だってもっとできるようになる。
そして、職場から帰ってから家庭でも優しくなれる。
今の日本にもっとも必要なことのひとつだと思います。


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