ドク君の結婚

友人がベトナムの写真を送ってくれて、ほどなくして、
ドク君結婚のニュースが駆けめぐりました。
きっと、世界中の平和を願う人々が、幸せを分けてもらったことでしょう。

ベトナムのベトちゃんドクちゃんは、体を結合させたまま１９８１年に生まれました。
二人の故郷は、コンツム西方のサタイ県・サーギア自治区ホアンビン村。
６０年代末から７０年代初めにかけて、豊かな美しいこの村一帯に、
米軍は、枯葉剤を激しく散布し続けました。自分たちが戦争で勝つために。

そして、ベトナム戦争が終わった７５年から、この村には多くの住民が開拓に訪れ、
ベトちゃんドクちゃんのご両親も開拓団の一員として、ここへやってきたといいます。
枯葉剤作戦で、山の水が汚染され、人体に影響があるなどとは、
開拓団もベトナム政府も思いもせずに。

そして生まれた、ベトちゃんとドクちゃん。
あと少ししか生きられないと思われたその二人が、二人のもつ生命力の強さと、
世界中の人々に支えられて、１９８８年に分離手術をうけるまでになりました。

ツーヅー病院・平和村の施設で暮らしてきたドク君は、新婚家庭用のアパートを
探しているそうです。一社会人として生きること、それが彼の目標だといいます。

言葉も行動もその自由を奪われ、今もツーヅー病院で寝たきりであるベトくんの分も、
幸せになってほしい。
世界中の平和を願う人々とともに、私も願っています。

ご結婚、おめでとうございます。