大地から力をもらって生きた先生

小学校の教師として、私が和光小学校へ迎えていただいたとき、
学年主任としてご指導くださった先生が、平野正美先生でした。

一番はじめの行事は、入学式です。
体育館の壇上につくられたひな壇にすわる1年生たちを見ながら、
その愛らしさと、責任の重さに、私はぽろぽろと涙をこぼしていました。
隣に座っていた平野先生が、ご自分のハンカチをそっと渡してくださり、
そしてご自分もまた、鼻をすすって、目を赤くしているのでした。
先生にとっては、何十回目となる入学式でしたでしょうに、
私と一緒に、新鮮に感激を共感してくださったのでした。

真直ぐに目を見て、一生懸命に話をしてくださる先生から
学ばせていただくことが、たくさんありました。

からだのしなやかさは、心のしなやかさをつくる。

平野先生に教えていただいて、子どもたちと一緒に踊った
アイヌの踊り、虎舞、荒馬・・・。
子どもたちって、こんなにできるんだ。
子どもたちって、こんなに輝くんだ。

大地から力をもらって、跳ねる。

まみちゃんの太鼓大好き。
まみちゃんと踊るの大好き。
子どもたちが、そういってくれました。

平野先生から、教わって、手の皮がむけるほど練習をしました。

その平野先生が、お亡くなりになってしまうなんて、
誰が考えたでしょう。

今日は、お別れ会と、偲ぶ会です。
子どもたちと駆け回った体育館の壇上に、
先生の写真が、飾られていました。
そして、その前で、アイヌの踊り、
荒馬が踊られ、
先生が教えた保育士さんたちがうたを歌い、
一緒に研究をした先生方がお話をされ、
こんなにたくさんの方を、つなぎ、結び、
心を広げてきたのだということをあらためて知りました。



子どもたちのすてきな姿をたくさん教えていただいた先生に、
心から感謝しております。

そして、今日また、たくさんの懐かしい方々に
お会いすることができました。
懐かしい学校、人々。
帰りには、農大通り商店街で、
子どもたちとお世話になったパン屋さんともお会いしてきました。
農大とおいしいポンカンのジャムを作っていました。
時は過ぎ、人は年を重ね、
しかしまた新しいつながりが生まれていくのですね。

平野正美先生、本当にありがとうございました。
心から、心から、ご冥福をお祈りいたします。