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ほっとした途端に、不安だった緊張の糸がほどけて、あふれ出る涙。
何度その涙を見てきただろう。生きているあったかいその涙を見てきたから、私、がんばってこれたのかもしれない。
61歳の男性は、奥さんを病気で亡くされてから、一人暮らし。糖尿病から認知症になったと言われた。
私の前ではきちんと普通にお話もできる。でも、道がわからなくなったり、約束の時間や場所がわからなかったりすると言う。
一人で暮らすのは心配なので、施設に入れないだろうかと。
95歳のお母さんや70を越えたお兄さん達もとても心配して、今日はみんなで集まってお話をした。
ある人に相談したら、施設は高いから、お母さんたちが少しずつお金を出し合えばいいと言われたと。でも、そんなお金がどこにあるでしょうかとお母さんは言う。
そう。出せるお金があるなら出しているでしょう。そうできないから相談しているのに。
私はね、あらゆるつてを頼って連絡を取りました。
そうして、見つかったのです。うちにおいでくださいと言ってくださるところがあったのです。金額も折り合えるところでした。明後日見学にも行く算段ができました。
そうしたときに、ご本人の目から、はらはらはらとこぼれおちたのが、あたたかい涙、だったのです。
「ようやく安心できました。」
よかった。前が見えることで、希望が見えたのですね。ほんとうによかった。
…冷たいものをどうぞ。
95歳のお母さんが出してくれたのは、エンシュアリキッド。
お母さん、これは私はいただけません。これはね、総合栄養の缶なの。お母さんがご飯を食べられない時に、代わりに飲むものだから、どうぞお母さんが飲んでくださいね。
東日本大震災のあったときに、これを作る茨城の缶の工場が被災して、いっとき作ることができず、多くの人が困ったことがあったんですよ。何があるかわからないから、どうぞ大事になさってね。
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