221『岡山の今昔』岡山の農業(歴史的現代)
岡山県の農業は今どうなっているか、と問われるなら、県南部は平坦地が多く、中部は平坦地と傾斜地が混在、さらに北部は山あいの中で取り組まれている。中国山地を水源とする旭川、吉井川、高梁川の三大河川は良質で豊かな水を常にたたえている。
岡山県の農業は今どうなっているか、と問われるなら、県南部は平坦地が多く、中部は平坦地と傾斜地が混在、さらに北部は山あいの中で取り組まれている。中国山地を水源とする旭川、吉井川、高梁川の三大河川は良質で豊かな水を常にたたえている。
およその気候としては、月並みには次のように説明されているのではないだろうか、いわく、年間平均値(岡山市)は気温16.2度(摂氏)と、大方が気候温暖だと。年間の降水量は1105ミリメートル、日照時間2030時間と日照時間が長い、さらに台風や地震などの自然災害が少ないとされるなどと。
したがっての落としどころとしては、立地の良さから恵まれた気候までの大方が揃っていて、農作物の栽培に適した地ということになるだろう。しかしながら、以上はあくまで平均で見た場合の話であって、南部地域に偏っての評価なのかもしれない。例えば、美作の山間部で行われている農業の厳しさにあってはおよその状況はさにあらず、それゆえ別の算段や営農上の格別の工夫が必要な話となっているのを付記しておきたい。
その上で岡山県の農牧地を眺めると、耕地面積は約6.6万ヘクタール(2020 「農林業センサス」)だという。岡山県の面積は約7,114平方キロメートルなので、そのうち耕地面積は10分の1ほどに相当しよう。総農家数としては約6.3万戸(2020 「農林業センサス」)、総農家数戸は5万753戸(同)、耕地面積6万3600ha(同)だとされる。かたや工業立県と称されながらも、こうした岡山の地理的条件を加味すると、結論的には、岡山の農業はまだまだ伸びる余地あり、というところだろうか。
🔺🔺🔺
したがっての落としどころとしては、立地の良さから恵まれた気候までの大方が揃っていて、農作物の栽培に適した地ということになるだろう。しかしながら、以上はあくまで平均で見た場合の話であって、南部地域に偏っての評価なのかもしれない。例えば、美作の山間部で行われている農業の厳しさにあってはおよその状況はさにあらず、それゆえ別の算段や営農上の格別の工夫が必要な話となっているのを付記しておきたい。
その上で岡山県の農牧地を眺めると、耕地面積は約6.6万ヘクタール(2020 「農林業センサス」)だという。岡山県の面積は約7,114平方キロメートルなので、そのうち耕地面積は10分の1ほどに相当しよう。総農家数としては約6.3万戸(2020 「農林業センサス」)、総農家数戸は5万753戸(同)、耕地面積6万3600ha(同)だとされる。かたや工業立県と称されながらも、こうした岡山の地理的条件を加味すると、結論的には、岡山の農業はまだまだ伸びる余地あり、というところだろうか。
🔺🔺🔺
販売農家数(2022年2月初旬での県統計関連サイトなど、以下同じ)は、およそ2万8千戸で、全国で14番目、中国地方では1番とされている。品目別の農業産出額については、米320億円、鶏卵244億円、ぶどう170億円、生乳111億円など合計1401億円だという。
これにあるように、米作りも盛んな土地柄にて、銘柄では朝日米が全国1位、雄町/酒米がシェア90%で全国1位、ビール大麦が全国4位。
小麦については、特に津山地域を中心として、多収で製麺性に優れ、加工にも適した品種「ふくほのか」は「津山小麦」としてブランド化が進められている。稲を収穫した後には、黒大豆は全国2位。勝英地域の「作州黒」が全国でも有数の産地。小豆、ササゲも栽培しており、岡山県が開発した品種「夢大納言」という小豆も栽培している。
全国的に知られたフルーツ生産県であり、2014年でみると清水白桃全国1位でシェア64%で全国1位、マスカットはシェア95.0%で全国1位、ピオーネはシェア41%で全国1位、ほかにも、おかやま夢白桃などと。また、紫苑というのは花栽培にて、全国シェア100%。東アジア原産。 栽培の歴史は古い。平安時代の「今昔物語」にも 出てくる。 秋に、白か、うすピンク色の花を たくさん咲かせる。
🔺🔺🔺
それにしても、農業というのは、地味で、地道に取り組むしかない、というのが、長らくの間、この国での定番となっていた感があろう。
そんな「農業の次の一手」として注目されているものに、IOT(インターネットによる情報化)があるという。まだまだ試行錯誤もあるものの、米や野菜の栽培に力を発揮し始めているらしい。
まずは、一つ紹介したく、こんな記事が載っている。
「株式会社夢ファームがある西大寺地区は、JR岡山駅から東に20分の位置にある。同社では現在約140人の地主から農地を借り、農作業を受諾して米や麦を生産しており、圃場の数は550枚以上に上る。(中略)2007(平成19)年、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)が、GIS(地理情報システム)を利用し、圃場地図上で農作業を管理できるPMS(作業計画・管理支援システム)を開発し、ウェブ上で無償公開していた。奥山さんは早速使い始め、その後農研機構との共同開発にも携わるようになった。(中略)
PMSは、地理座標を持った電子圃場地図上で農作業に関わるさまざまな情報を管理するシステムである。(中略)国の事業に採択後、同社と株式会社ルークシステム(岡山市)はPMSを利用した資金管理システムを開発した。同社では、生産のほか、米や酒、肥料や農薬などの販売も行っている。」(企画・発行は中国電力地域共創本部「GIS互換のITシステムで生産・経営を効率化」、「碧い風」Vol91、2017.11)
同社の設立は2008年、小さな会社にして、これだけの意欲を持った取り組みができているのには、他にもいろんな創意工夫があるようだ。少し紹介すると、「畑状態の田んばに種を播き、苗が少し成長してから水を入れる乾田直播(かんでんちょくはん)と呼ばれる全国でもめすらしい方法」や、「稼働データを利用できるシステム」を他者と共有する道を模索するあたりは、特に興味深い。
(続く)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
それにしても、農業というのは、地味で、地道に取り組むしかない、というのが、長らくの間、この国での定番となっていた感があろう。
そんな「農業の次の一手」として注目されているものに、IOT(インターネットによる情報化)があるという。まだまだ試行錯誤もあるものの、米や野菜の栽培に力を発揮し始めているらしい。
まずは、一つ紹介したく、こんな記事が載っている。
「株式会社夢ファームがある西大寺地区は、JR岡山駅から東に20分の位置にある。同社では現在約140人の地主から農地を借り、農作業を受諾して米や麦を生産しており、圃場の数は550枚以上に上る。(中略)2007(平成19)年、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)が、GIS(地理情報システム)を利用し、圃場地図上で農作業を管理できるPMS(作業計画・管理支援システム)を開発し、ウェブ上で無償公開していた。奥山さんは早速使い始め、その後農研機構との共同開発にも携わるようになった。(中略)
PMSは、地理座標を持った電子圃場地図上で農作業に関わるさまざまな情報を管理するシステムである。(中略)国の事業に採択後、同社と株式会社ルークシステム(岡山市)はPMSを利用した資金管理システムを開発した。同社では、生産のほか、米や酒、肥料や農薬などの販売も行っている。」(企画・発行は中国電力地域共創本部「GIS互換のITシステムで生産・経営を効率化」、「碧い風」Vol91、2017.11)
同社の設立は2008年、小さな会社にして、これだけの意欲を持った取り組みができているのには、他にもいろんな創意工夫があるようだ。少し紹介すると、「畑状態の田んばに種を播き、苗が少し成長してから水を入れる乾田直播(かんでんちょくはん)と呼ばれる全国でもめすらしい方法」や、「稼働データを利用できるシステム」を他者と共有する道を模索するあたりは、特に興味深い。
(続く)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆