たまたまDVDがまわってきたので、『るろうに剣心─京都大火編/伝説の最期編』を見た。
殺陣のいままでの時代劇にはないスピード感、体を張ってのアクロバティックな動きに、思わず見入ってしまった。
剣心役の佐藤健がいい。
美しく、ちょっとなまめかしくて、しなやか。
剣豪の迫力みたいなものをチラつかせない分、瑞々しい。
明治政府を脅かし日本征服をたくらむ志々雄役の藤原竜也は、やや存在感が弱いという印象がある。
代わりに市川海老蔵あたり、凄みがあっていいと思うけど、そうすると、志々雄の先輩格という設定の剣心・佐藤健が迫力負けしそうなので、この年代だとやっぱり藤原竜也かな。
剣心の師匠の役で、福山雅治が出ているが、なかなか渋くて素敵である。
俳優も、年を重ねて顔が良くなる人と、ただ老けて行く人がいる。
何が違うのだろう?
師匠役の福山雅治が剣心に奥義を伝授するときの言葉がいい。
命を捨ててもいいと思って勝負するのと、生きようと思って勝負するのでは強さが違う。
剣心に欠けているのは生きようとする気持ちだ。
人を生かすためには、自分が生きなければならない。
大雑把だけど、そのようなことを言っていた。
なるほど、名作には名言ありということだ。
監督は大友啓史。
原作は1994年から99年にかけて、集英社の『週刊ジャンプ』に連載された、和月信宏のコミック『るろうに剣心─明治剣客浪漫譚』。
海外では、アニメの劇場版は、剣心の頬の傷にちなんで『Samurai X』として発表されているらしい。なかなか気が利いている。