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サラ☆の物語な毎日とハル文庫

ヴェニスの商人

シェークスピアって、人間性をデフォルメして人物造形をし、機関銃のように続く会話でもって、ギュギュギュッと意表をつくお芝居を展開していくという印象があります。
そのせっかくシェークスピア流に抽象化されたお芝居を、もう一度分解し光を当てなおした、というイメージの映画。

いや、面白いんです。
アル・パチーノの超演技。
なんだか、アル・パチーノ演じる高利貸しのシャイロックが被害者のような説得力。
すごいです。

ついつい、他の役者が詭弁を弄しているように思えてきます

「血を一滴も流してはならぬ」「肉が一ポンドを少しでも上回ったり、下回ったりしたら死刑」なんて、若き裁判官がシャイロックに宣言するところ。
つまり芝居の大団円ですが、普通なら心から拍手喝采、「ブラボーっ、そうこなくっちゃ」と思うはず。ところが、これが何だか後味悪い判決に感じられて…。
そこまでシャイロックからむしり取らなければいけないか?
ちょっと待て、シャイロックにそんなに同情していいのかい? 
と自問自答してしまう映画です。

シェークスピアが、ふふんっと苦笑いしているかもしれません。
しかし、情景描写といい、衣装といい、また芝居のテンポといい、面白い映画でした。

コメント一覧

marupippo
メジャーじゃないかも
>さかさん



東京でも、「ヴェニスの商人」を上映しているのは、新宿の高島屋テアトルタイムズスクウェアのみ。いわゆる単館上映というやつです。

監督は「イル・ポスチーノ」という評価は高いけれど渋い、つまり地味な映画をつくったマイケル・ラドフォードという人です。エンターテインメントというよりも、もっと違った視点で映画作りをしたかったのかも。

ユダヤ人という人種問題を絡めているために、シェークスピアがなんだかよくわからないことになっています。

チラシの「異国情緒あふれるルネサンス期の美しい水の都ヴェニスを舞台に繰り広げられる鮮やかな人間模様」というコピーどおりの映画で面白いのですが、大手配給会社のお眼鏡にはかなわなかったようです。

映画は心から共感できたり、拍手できたり、笑えたり、というのがいいと思うのですが、

共感ということからすると、誰に共感していいものやら。おかげで、なんだか煮え切らない気持ちが残る映画でした。

さか
ふーん
なるほど、そこまでやるか

・・・・といいたくなる

まあ、ものごとには何でも二面性があるってことかね。



アメリカでは、この映画の広告あまり見ない。

っていうか、テレビの広告にも地域性があるらしいので、一概には言えないけど。
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