バイク・キャンプ・ツーリング

NERIMA爺、遅咲きバイクで人生救われる

1996年 東北ツーリング 8日目

2024年10月23日 | 1996年 東北ツーリング
9月3日(8日目)
八戸~奥入瀬~十和田湖~八甲田~むつ市




 午前8時5分。八戸のホテルを奥入瀬に向けて出発。相変わらずの曇り空で、ぱらぱらと弱く降っている。テレビの気象番組によると、昨夜は八戸を含めた三八地方は局地的集中豪雨に襲われたようだ。
 結局、東京を出発してから、まだ青空の広がる下は走っていない。
 ブルーといえばブルーな気持ちだが、嵐で走れないわけではない。どこまでも走れるんだという逸る気持ちのほうが強い。

 午前9時ごろ、十和田市内を通過。国道102号を奥入瀬方面に向かう。
 30分ほど走って十和田湖温泉郷付近、奥入瀬川を横に見ながら走る。昨日の豪雨のせいか、水嵩が増して濁っている。と、久々に青空が広がってくる。気持ちいい。やっぱり、同じ走るなら青空だ、と気持ちも変わってくる。奥入瀬に入ると、緑が気持ちいい。秋には紅葉が素晴らしいらしいが、この緑のトンネルもなかなかのもの。今日まで曇り空と雨の下ばかり走ってきたせいか、よけいにそう感じる。ビデオをタンクバッグに固定して撮影したりする。ただ、奥入瀬川はやはり上流も濁っている。と思っていたら、最上流部はさすがに水が澄んでいる。

 午前10時。十和田湖畔到着。初めての十和田湖。意外に湖畔の水が澄んでいる。へえという感じだ。そういえば、十和田湖を舞台にした松本清張の初期の短編があった。ボートで湖畔を渡ったという結末だったか──。右回りで十和田湖を周り、カンコ台でもバイクを停めて十和田湖を眺める。

 さらに国道454号から滝ノ沢垰から国道102号、454号併用の〈十和田いで湯ライン〉を黒石温泉郷の板留温泉まで走り、そこから酸ヶ湯温泉方面に右折する。国道394号の分岐で信号待ちのため停車すると、強引に真後ろのトラックがぐいんと右車線変更して追い抜いていく。ぎりぎりバイクの横を過ぎていくので、ちょっと怖い思いをしたりする。

 1時間ほど前、自分と同じCB400バージョンSの白に乗っている所沢のライダーと会う。昨日は十和田湖畔に泊まり、これから竜飛・大間崎に向かい北海道に渡るのだという。それを聞いて、なんとなく北海道いいなと思う。函館まで渡るだけなら、OKではないか。一瞬、本気で考える。

 午後12時過ぎ。
 国道394号を走っていると、橋の途中で車が停まっている。車から降りて橋の上からの展望を楽しんでいるようだ。城ヶ倉大橋というらしい。自分もバイクを停めて下を見てみる。ひゃあ、高い。マップルによると、谷底からの高さ122メートルもあり、支間の長さは国内最長で255メートルもあるようだ。圧倒される。これは実際に見ないと、カメラなどでは実感できない。そう思いながらも、ビデオカメラを回す。と、ちらりと写っている自分のグローブは、イボイボ付きの軍手だ。こんなものをして、運転していたのか!

 そういえば、このときはレイングローブなど持っていなかった。
 雨が降ると、軍手をしていたのだ。
(翌年、カミさんとタンデムで北海道を走ったときには、さすがに自分はレイングローブをしていたが、カミさんは軍手だった。それでも、当時のレイングローブは雨の中を走るとすぐに漏れてくるような代物だった。雨の中、オロロンラインを走り、稚内の宿についたときには、中までぐっしょり濡れていたものだ。テレビの発熱部分の上やランプシェードの上にグローブを置いて乾かしたも懐かしい)。

 城ヶ倉大橋から、さらに394号を酸ヶ湯温泉まで走り、八甲田山を左手に谷地温泉を過ぎたところで394号を道なりに左折。よほど途中の酸ヶ湯温泉に入ろうかと思ったが、停まっている観光バスの多さに閉口してパス。このころ酸ヶ湯温泉の読み方を知らずに、ビデオではサンガユ温泉などと言っている。ただ、千人風呂で有名だというのは知っていた。その先の地獄沼でもビデオを撮っている。沼から湯煙が上がっていて、なかなかのものだ。その先の傘松垰を越えるときも、タンクバッグにビデオカメラを固定して撮影などしている。

 午後1時過ぎ。国道394号から県道40号に入り、そのまま青森方面を目指して走る。
 久しぶりの青空、気持ちよく走る。
 田代平付近で、ちょっと休憩。どのあたりを雪中行軍したのだろうと、八甲田山の山々を見ながら想像する。九州生まれの自分には、真冬の雪に覆われた山々を想像するのはなかなか難しい。マップルによると、この先に「雪中行軍遭難者銅像」があるようだ。さらにその近くには田代元湯があると記載されている。「あー ダムに沈んでしまう」とある。ちなみに、2008年のツーリングマップルを開いてみると、田代元湯と田代平温泉の文字が消えている。

 だが、ダム湖らしきものがあるようには見えない。
 調べてみると、どうやら田代元湯には「やまだ館」という宿泊施設があったらしく、現在では廃業して施設も廃墟となっているようだ。温泉も廃湯となっているが、今でも湯量は豊富なようで、訪ねようと思ったら自己責任でケモノ道同然の山道を行くしかないと紹介されている。「あー ダムに沈んでしまう」とあったのは、今(2018年)も現在進行形なんだろうか?

 そのあとは県道40号を下り、県道44号を右折して、国道4号を野辺地まで走り、そこから国道279号を北上してむつ市に向かう。
 むつ市到着は、6時近い。今日もビジネスホテルに泊まることにする。天気のせいもあるが、ビジネスホテル泊も悪くないなという感じだ。今日はむつグリーンホテル(318号室)でバス・トイレ付き5500円。夕食は缶ビール(ホテルの販売機で500ミリリットル500円)、昨日の残りのレーズンスティックパンとコンビーフですませる。結局、今日の食事はホテルで朝飯を食べて、昼は昨夜の残りのレーズンスティックパンを一本かじっただけだ。

 走っていると、腹は減らない。今夜も適当に飲んで、適当に寝る。


八戸出発。相変わらずの曇り空だ。


十和田市内 ちらほらと青空が見えてくる。

左側の奥入瀬川。連日の雨で濁っている。


初めての奥入瀬。久々の青空で緑のトンネルが気持ちいい。



上流部はわりと澄んだ流れだ。


十和田湖。波は荒いが、青空がいい感じだ。


かんこ台より十和田湖を望む。


城ヶ倉大橋


大橋の上から


田代平。やっぱり青空はいい!



青森市を眼下に見る。



むつ市のホテル。むつグリーンホテル(318号室)
バス・トイレ付き5500円。

ここでも、なつかしきコイン式テレビ。100円コインで、1時間だったか?
途中で視聴を中断するときには、コイン箱の電源を抜いていたりしていたものだ。


レーズンスティック。2袋で98円。昨日のものが、もう1袋残っていたので、夕食とする。夕食はこれと、ビールだけ。



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