7月13日(月) 知床自然村~羅臼(熊の湯キャンプ場)
今日も朝から霧雨。
昼過ぎには出発したいのだが、どうなることか。今日の最高気温は気温は9度とラジオ。
午前10時過ぎに事件発生。寒いのでテントの中でインスタント・ラーメンをつくって、麺をちょっとすすったところで、「そうだ。納豆があったんだよな」と栄養補給のためにも、1個食べなくちゃ、と納豆を取り出して備え付けの醤油をかける。その空袋をテントの足元にあるビニールのゴミ袋に放りこもうと手を伸ばしたとたん、ラーメンをコンロごと両足首のあたりにモロに倒してしまう。
ぐおおおお。
すぐに靴下越しに熱さが広がってくる。ペットボトルに汲んであった水をすぐにかければよかったのだが、とにかく焦って靴下を脱ごうと、もたもた。そのあいだにも、肌に貼りついたような痛みが広がってくる。ようやく靴下を脱いで、テントの外に足を投げ出して水を掛ける。ヤケドの箇所がしびれるように痛い。
だが、この寒さで靴下を二枚履いていたのが幸いした。もし、一枚だけか、素足のままだったらどうなっていたことか、想像するだけでぞっとする。靴下の横に走っているシワに沿って、水泡が三列くらいできている。とくに左足がひどい。
とにかく、それから1時間以上、ヤケドに水をかけ続ける。炊事場にいき、蛇口下に直接足を置いて左右を交互に冷やす。水が冷たいので助かる。冷やしてないと、じーんと痛みがぶり返してくる。
冷たさで足の感覚がなくなってきたので、大型のペットボトルに水を汲んでテントに引っこむ。足だけテントの外にだし、ヤケドの箇所にティッシュを載せ、その上から水をそっとかけ続ける。足先が外気の寒さに冷たい。3時間ほどそうやりながら、水汲みのために炊事場とテントを往復する。
ラジオではオホーツク海周辺は終日、霧雨だという。
午後1時半前後になり、ようやく霧雨が上がる。もう、ここにいるのは限界だと思ったので、撤収開始。
キャンプ場の残っていたもう一人の徒歩の人も、今日中には撤収するという。友だち(車)と合流して、サロマ湖方面に向かうらしい。こういう天気だと気が滅入るという話などをする。足のヤケドはブーツを履くと、しびれるように痛い。足首を動かすとやばいので、シフトアップはブーツごと引き上げるようにして、シフトダウンは踵で蹴るようにする。
午後3時過ぎに羅臼に到着。幸いにも雨は降っていない。だが、知床峠は霧雨で、視界は20メートルくらい。羅臼の町では、喫茶店のようなところでカツカレー(800円)。店内には「羅臼・SIRETOKO・クラブ(?)」とインターネットのロゴのある旗が張ってある。店内の奥に、パソコンが置いてある。
相泊という羅臼側の道の突端まで往復してから、一旦は羅臼の町を見下ろすキャンプ場にいくが、やはり温泉が魅力的で、クマの湯のある羅臼キャンプ場に決定。ミヤザキという化粧品や酒類、本まで扱っている店で、缶ビール2本、サバミソ缶詰2缶。文庫本1冊を購入。
キャンプ場は、ほぼ満杯。昨日までの「知床自然村」とは、えらい違いだ。キャンプ使用料無料、温泉も無料。当然か。あとでキャンパーに聞いたところによると、夏休みの最盛期は、トイレの建物周辺までぎっしりとテントで埋まるらしい。駐車場には、不当な行為をするなという立て札が立っている。どうやら去年、居続けのライダーが、あとからくるライダーに駐車料および入場料と称して、ビールなどをたかっていたらしい。今もバイクが何十台と停車しているが、見たところ、そんなことをやっているライダーはいないようだ。貧乏ライダー相手に、悪ふざけにもならない。
サイトは大きく分けて上下二つに別れているが、どうにか山側の最上段付近にテントを張る。隣は毎年、やってくるという秋田のライダーで、知床以外でキャンプはしないという。知床命のライダーのようだ。知床の山々はかなり登っている様子で、折り畳みイスや、大きなタープまで張っている。いったいどうやってこれだけの荷物を持ってきたのだろうと訝っていると、羅臼の宅配営業所宛に荷物を送るのだという。テントだけもってキャンプ場入りして、テントを張ってから荷物を取りにいくようだ。帰りはその逆。一カ所に限定してテントを張るなら、この方法は楽だ。
夕方6時頃、温泉にはいりにいくが、かなり熱い。地元の人が多い。左足はとても湯に浸けられないので、変な格好で湯船から足を出して入浴。だが慣れると、この熱さもなかなかいい。9時過ぎまで隣の人と飲む。ワインなどを飲ませてもらう。