
3年間の薬物依存で変わり果てたこの姿!!
◆青少年の薬物汚染の実態
薬物乱用防止教育にあたる皆さんへ
現在、青少年の薬物汚染の問題は、大きな社会問題となり、教育の現場においても避けて通ることのできない問題となっています。いくつかの中学生や高校生に対するアンケート調査の結果を見ても、多くの青少年が薬物の魔の手が身近に迫ってきていることをはっきりと認識しています。たとえば、1998年に桜美林大学の小宮山 要先生が、東京都内で中高生を対象として行った調査では、実に30%におよぶ高校生、10%におよぶ中学生が、友人に薬物を乱用しているものがいると解答しております。また、神奈川県藤沢市が1998年に実施した調査でも、高校生の10.2%、中学生の2.6%、小学校5・6年生の0.9%が、友人に薬物を乱用するものがいると答えています。しかし、その一方で、社会のこの問題に対する意識は希薄であり、多くの人たちが、一部の地域の一部の若者たちの問題としてしか捉えていません。教育現場についても、同様のことが言えます。本来、生徒たち一人一人に、薬物を自ら拒む力を育てるべきであるにもかかわらず、ただ、声を大にして「薬物は怖い、絶対に近づいてはならない。人間を止めることになるぞ。」と叫んでいるだけではないでしょうか。 今や、若者たちはテレビや雑誌、本などの様々なメディアから、薬物に関する多くのいい加減な情報を手に入れています。 しかも、それらの情報のほとんどは、興味や関心を煽り、薬物を試してみたくさせるような内容です。そして、若者たちの周りには、様々なドラッグが、その魔の手を広げています。 私は、現在まで約10年にわたり、薬物を乱用した700人以上の若者たちと関わってきました。 しかし、そのうち12名の若者を事故や自殺で失い、約3割の若者を精神病院や刑務所の檻の中に失いました。今でも私とともに薬物を止め続けている若者は、3割に過ぎません。残りの若者は、現在もどこかで薬物の乱用を続けています。 こんな私に、薬物汚染予防を語る資格などないのかもしれませんが、しかし、現在の日本では、こんな私すら数少ない青少年の薬物汚染の現状を知る一人です。 水谷 修